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続・17歳のチョメチョメ事情

今年18になる長男は、産まれてこのかた一生反抗期なのだと、母として肝に銘じて生きていた。
いる。

もう、こうなってしまったら生きてさえいればいいやという境地に、数々のデカめの事件を経て去年しっかり到達した。

振り返れば、なかなか諦めがつかなくて、悲しくて、絶望して、泣いたり怒ったり叫んだり笑ったり奇行に走ったりと苦しかった。
それが吹っ切れてからは、少し楽になれた。

私が彼に彼女の存在を認識したのは、高一の時だ。歴代知っているのは2人。
そして、彼女がいる時の方が、行動に責任感があり母にも優しくなるという、私の中での時期データ分析結果が出ている。
でも最近は、さすがに私には負い目があるせいか、ついに少しだけ大人になって落ち着いたのかどっちか知らんけど、いざという時、困った時は助けてくれるようになってきた、気がする。
と思ったら、昨日自分で精神年齢診断アプリをやったら7歳だったと憤慨していた。
そんな、楽しんごと同じピーターパン症候群の確率が高い彼は、幼少期の頃から友達付き合いも難航してきた。

まず、人の好き嫌いが激しい。
好きな人とは距離感を見失い、だんだん縮まり過ぎてそのうち仲違いする危険性を孕んでくる。
嫌いな人に対しては、とにかく酷い。いつ路上や電車のホームで刺されてもおかしくないだろう。

彼が中3から高2になるまでの期間、ベッタリ一緒に居たのがGくんだった。

Gくんは、小学校中学年から中1まで、海外で暮らしていたバイリンガルだ。毛深くゴツく、身長186センチで、巨大な熊のぬいぐるみのよう。
遊んでいても勉強はやれば出来るタイプで、偏差値73の某大学附属高校に進学した。

同じ家の中に誰が泊まりに来ていても分からない豪邸住まいで、酒蔵があり、溜まり場になると少年達は勝手に酒蔵から酒を飲んでいた。
バレて怒られたとは聞いたことがないし、夫婦円満別居してる彼の母親は、息子であるGくんに積極的に酒を勧めるらしく、今日の夕飯に合う酒はコレだと食卓に出すし、一見成人な見た目のGくんは、家族で外食の時も酒を飲むらしい。しかし、そのお母さんが絶対許さないのがタバコだった。

Gくんが、うちの長男と一緒にタバコを吸っているのがバレて、何度かお怒りの電話が来て話し合ったこともある。LINEのやり取りも暫く続いた。
私もその件について長男に何度も注意し、咎め、やめさせようとしたが、夫は自分も高校生の頃から酒もタバコもやってきたからなのか、無関心。
酒は勧めてタバコは激怒するGくん母にも、ダメなことは絶対ダメで怒りっぽく厳しいのに、そったら高価な嗜好品に子供が手を出すこと(身体への害の資料は散々送ったし話しもしたが、私の最大の怒りポイントはそこ)に対しても無関心な夫にも、自分の価値観の中だけでの正義のような、矛盾を感じずにはいられなかった。
私にも矛盾はたくさんあるだろう。でも自覚してるし、指摘されたら受け止める心掛けをしてる。
親も人の子で、100%正しくはないんだと気付いてしまったお年頃の思春期の子供は、そりゃ反抗するし、隠れて悪いこと、するよ。

家族会議で議題に上げられ、家庭で居心地が悪くなったGくんは、「自分には合わない」とタバコをやめ、長男と距離を置き始めた。
それはそれで仕方がないことだし、Gくんは正しいと思った。そしてたまに遊ぶ仲になった後、疎遠になった。
最後は色々あったというその色々について、半年くらい黙っていた長男が、訳アリで2人きりで行った早朝のガストにて、急に口を開いた。

長男は去年、全日制の高校から定時制の高校に転学している。
前の高校で一番仲が良かったHくんは、小柄でソフトで中性的な存在で、男子の友達より女子の友達のほうが圧倒的に多いタイプ。
優しくて話しやすくて人気者らしい。
合わない子のほうが多数の長男にとって、Hくんが救世主だった。
某ファーストフード店のバイト代が月に10万超えの働き者でもあった。

そこで、中学校時代から一番仲の良いGくんと、高校で一番仲の良いHくんを友達にさせたかった長男は、3人でのビデオ通話を試み、念願叶って何度か3人で遊んだようだった。

長男が学校に行けなかった期間を経て、久しぶりに登校してHくんに会うと、
『Gと連絡が取れないんだけど、会ってる?』と聞かれたと。

それからGくんと会った時に、
「Hが連絡取れないって言ってたよ。返信してやれよ。」
と言うと、「実は...」と切り出されたという。

続く。。。

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