Willie Weeksを語る その1

 まあ、改めてネットには色々な人がいるなぁと。誰でも自由に発信できるようになった弊害というか。情報が溢れているけどその情報をどう読み取るかは自分次第なので、どのような人が書いているかも読み取らないといけないですね。書いた人の信用も問われているなぁと。自戒を込めて。
 
 さて今回はこれまでと打って変わって大好きなミュージシャンとオススメの作品を紹介します。第一弾はWillie Weeks(ウィリー・ウィークス)です。知らなかった人が聴いてみるキッカケになったり、知ってる人が更に深い情報を提供してくれたりしたら良いな、と思ってます。

※ 因みに今回以降、紹介する楽曲やアルバムは基本的に日本語表記で、リンクはすべてApple Musicにしようと思います。Apple Musicを利用されていない方はごめんなさい。

・ ウィリー・ウィークスとは

 パーソナリティなど、こういう情報はWikiっちゃった方が早いですね(Wikiですら誤った情報が書いてあることもありますが)。ウィリー・ウィークスさん(以下敬称略)は1947年8月5日生まれとのことですが、筆者が敬愛するベーシストのひとりです。
 
 ウィリー・ウィークスが優れたベーシストとして広く認識されたのはやはり1972年発表のダニー・ハザウェイの『ライヴ』かと思います。特に最後の曲、「エヴリシング・イズ・エヴリシング」でのベース・ソロが余りにも有名ですが、それ以外の楽曲でも秀逸な演奏ばかりで全ベーシスト必聴の超名盤です。

 元々ソウルやR&Bの素養のあるベーシストだと思うのですが、その後はロック系のミュージシャンから声が掛かることも多く、ジョージ・ハリスンやロン・ウッドのソロを始め、ラーセン・フェイトン絡みのアーティストなど数多くのアルバムで名演が光ります。80年代にナッシュビルに移り住みヴィンス・ギルなどカントリー系ミュージシャンのアルバムに多く参加するようになりますが、2000年に入ってスティーヴ・ジョーダン絡みのアルバムで一線に復活、最近ではエリック・クラプトンのツアー・バンドに参加するなど、まだまだ現役の超一流ベーシストです。

・ プレイ・スタイル

 指弾きがメインで主な使用楽器はプレシジョン・ベースです。派手な演奏よりも歌心やタイム感、もっと言うと唯一無二のはずむようなグルーヴで聴かせるシンプルなベース・ラインが聴きどころだと思います。ウィリー・ウィークスというと、どうしても先述の「ダニー・ハザウェイ・ライヴ」のベース・ソロがピックアップされるし、2000年以降のライヴでもこれに準じたソロを弾いている場面が多いのですが、彼の真価はこのソロ・プレイではありません(断言)。彼の他の名演から考えればあのベース・ソロは最も音数が多く派手なプレイであり、むしろ異端な演奏とも思えるほどです(王道を認めないマニア発言の典型とも言う(笑))。
 真面目な話、一聴してウィリー・ウィークスと分かるフレーズ、音色、グルーヴが彼の真骨頂かと思います。フレーズや音色だけならまだしも、グルーヴにも彼の個性が光っているというか。テクニックをどう評価するかは人それぞれだと思いますが、本当に上手いベーシストだと思う。打ち込み全盛の昨今、ヒトが弾く必要性やミュージシャンの在り方を提示してくれているベーシストのひとりです。

・ オススメのアルバム

 何枚か候補を挙げたんですけど、それぞれのアルバムの背景とか解説とかは次回以降のnoteに書こうと思います。というのは、書き始めたら猛烈に長くなりそうだったので(笑)。ということで今回は一枚だけ。

ライヴ』ダニー・ハザウェイ
 結局、このアルバムなのかい!というツッコミもありそうですが、まあそうですね、何はともあれコレ聴いてください。あんまりゴリ押しすると嫌われそうですが(笑)。
 このアルバムはシンガー・ソングライターであるダニー・ハザウェイの1971年の4日にわたるライヴを編集し音源化したもので、曲中で日付が変わっている(別日のテイクを繋いでいる)という説(たぶん本当)もあります。
 とりあえず、ウィリー・ウィークスを置いといたとしても、演奏の盛り上がりや観衆との一体感など、ライヴとして名演でありライヴ・アルバムとしても名盤であることは間違いありません。多くのミュージシャンが絶賛してますし、このアルバムに関する記述も多く拝見しますね。余談ですが、2004年に『ライヴ』と同時期ながら未収録の楽曲、別日のテイクが収録されたアルバム『ソングス・フォー・ユー LIVE!』が発売されていますが、やはりアルバムとしての完成度は『ライヴ』の方が上だなと思います。どちらも名演ではあるのですが。

 このアルバムでのウィリー・ウィークスの音色はかなりダークですが、ゴムのように柔らかくも的確にハズむグルーヴ感がやはり秀逸。ソロ回しのバッキングなど自由が効く楽曲では若さもあるのか(当時24歳)、かなり動きのあるフレーズを聴かせてくれます。

 とある生徒さんに「このアルバムの何が凄いのか分からない」という正直な感想を頂いたことがありますが、そうですねぇ、コピーすると分かるというか……。一曲目の「愛のゆくえ」(って書くと違和感ありますけど「What’s Goin’ On」です(笑))は、ソウル・シンガーのマービン・ゲイのカバーで、原曲のジェームス・ジェマーソンのベースも必聴ですが、ウィリー・ウィークスのタイム感が絶妙すぎて。冒頭のフレーズのアイディアも凄いです。なんでそんなにタイミング難しいフレーズで入るの(笑)。

・ 最後に

 最後に書くことでもないですが、今回のnoteを書くに当たり彼のWikiを見ましたが、参加アルバムはあんまり網羅されてないですね。でも恥ずかしながらランディ・ニューマン絡みは未聴だったので聴いてみよう。

 で、さらに検索したら高中正義さんのブログに行きつき、なんとウィリー・ウィークスさん、2017年現在は軽井沢在住だそうで(そういえば誰かに聞いていたような)。昨年(2019年)にはボズ・スキャッグスの日本公演にも参加していたそうで、これは是非とも観たかったなぁ。やはり、アンテナは高く張っていないと必要な情報が入ってきませんね。今度、軽井沢に行く時はプレベ持って行こう。是非お会いしたいです。サイン貰って溢れる愛を伝えたい(笑)。


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河辺真です。SMORGASのベーシストです。演奏仕事の他に楽器/音楽関連の雑誌や書籍の執筆もしています。気付けばライター歴も20年以上になりました。 noteにはよくある質問や何かの役に立つかもしれない豆知識など、色々書いていこうと思います。
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