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静けさについて

私が距離について考える時、いつも「静けさ」という言葉が頭に浮かんでくる。

瞑想のような内的な静けさというのは、自分の中に無限の距離を感じる行為だし、外的な静けさというのは、砂漠のようにものすごく距離のある場所の微かな音も耳に入ってくる。その音は空間的な意識をぐんと広げてくれる。静けさのなかでは、普段耳の近くで鳴り響く大きな拡声器が全て寝静まり、代わりに小さくて消えてしまいそうだけれど大切な声に意識が向かう。そんな声に耳を澄ませることは私にとって距離のある行為であり、そういう意味で私の考える静けさというのは「無音」とは違うものだ。

人との繋がりを意識的に求めた時代かから、オンラインで常に接続している時代になった。それはコロナの影響下で加速しつつある。この絶え間ない繋がりの繁殖の中で人はどう静けさを、距離を、感じ、守っていくのだろうか。

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