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ワックスは漉して使えます~材料は大切に使おう!

キャンドルの製作過程で、まずは基本的にワックス(ロウ)を溶かします。
作業途中、その溶けたワックスの中に不純物(例えばちょっとしたホコリやゴミ、ボタニカルキャンドルで使う植物の欠片など…)が落ちて入ってしまうことって必ずあると思います。
または、顔料によっては完全に溶け切らないで、少し粉のような物が沈んでいるとか…
製作に使う道具をきれいにしていたとしても、やはりどこかから入ってしまうことがありますよね。
ロウという素材自体が、実はとてもホコリを呼びやすいですしね。。
不純物が入ってしまったワックスを、そのまま使うのは嫌ですし、商品を製作しているとしたら、尚更キレイな材料で作りたいです。

そんな時、(キャンドル作家さんやアーティストさんは、皆さんやっていることだと思いますが)ワックスは漉して不純物を取り除くことができるので、やってみてほしいです。

方法は簡単です。
「油漉し器」というのがありますよね。ご家庭で、てんぷらやフライを揚げた後の、揚げ油を漉して、容器に溜めるようになっているアレです。
私はそれを愛用しています。

ワックスも、平たくいってしまえば油のようなものなので、溶かしたワックスを、てんぷら油と同じように、油漉し器(目の細かいザルのようなものでも可)で漉してキレイにすることができるのです。

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画像のは、私が長年使っているもの。使い込んでいて分かりづらいかも…すみません。
油漉しを、ワックスを入れる容器の上に安定するように置いてティッシュを敷き、その上から溶かしたワックスを静かに注ぎます。
すると、ティッシュの上に、不純物が残り、溶けて液体になっているワックスは下の容器に溜まるというわけです。

この時、注意することは、ワックスの温度です。
型などに注ぎ入れる位の温度ならばOKですが、温度が低すぎると注いでいるうちに固まってくるので ティッシュ等の細かい目を通らなくなり、温度が高すぎると さらさらの液体にはなっていますが ワックスの酸化・品質の劣化を速めてしまいます。

それから、上記で、私はパラフィンワックスを主としたブレンドワックスを使用することを前提にお伝えしています。

蜜蝋やソイワックスは、パラフィンとは全然違う素材なので、注意が必要です。
粘度が高いので、漉すならティッシュは引かず、網の部分で割と大きな不純物は取り除けると思います。
が、特に蜜蝋の場合は、温度を上げすぎると劣化が速まると共に、蜜蝋ならではの美しい黄色~オレンジの天然の色が変色して、茶色くなってしまいます。
蜜蝋の不純物を取り除く方法のひとつとして、容器にお湯を沸かし、その上に静かに溶かした蜜蝋を流し込みます。お湯が冷めると蜜蝋も冷えて固まります。
水の上に浮いた状態の蜜蝋の塊をひっくり返すと、ちょうど水との境目に、不純物が沈んだ状態で固まっていると思いますので、それをナイフなどで削って取り除く形がいいのかな、と思います。

以上、簡単にではありますが、ワックスに混ざってしまった不純物を取り除く方法でした。
近年の石油の高騰、資源の枯渇問題、またSDGsの観点からも、キャンドルの材料も無限にあるわけではなく、大切に使うべきで、ただたくさん作って販売するだけでは、今後の継続性や展望がなくなると思っています。

リメイクを考える上で、ワックスをリサイクルしても美しく作って灯せるためには、不純物を取り除く必要性が出てきます。
また、花材などを入れたキャンドルを作ったけど、失敗した→色々混ざってしまったので捨てちゃおう!というのでは短絡的すぎますよね。

キャンドルは灯りとして使いますが、火が点るということは、「燃料」だということです。
石油由来のパラフィンも、蜜蜂たちが作り出す貴重な蜜蝋も、大切な資源ですので、工夫しながら無駄なく使って製作し、きちんと最後まで美しく灯してもらって、捨てる部分が極力少ないような作品づくりを心掛けたいものだなぁと最近つくづく考えるようになりました。
皆さんはいかがですか?

( 2021年11月11日 )

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