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灯りのソムリエ®七つ道具(番外編) ドリップキャッチャー

キャンドルにまつわる道具類は、キャンドルの芯を切るためだけに使われる
「芯切り鋏(ウィックトリマー)」や、
キャンドルを消すためだけに使われる「キャンドル消し(スナッファー)」など、
"そのためだけに" というピンポイントな品物も多くて、面白いですよね。

絶体になくてはならない、という訳ではなく
物によっては 他の道具でも代用が可能だったりします。
でも もしあれば、キャンドルを灯し、炎を楽しみ、消すまでの一連の時間を より丁寧に過ごせて、気分も上がる道具たち。

今回は、「灯りのソムリエ®七つ道具」の番外編として、日本ではあまり見かけない「ドリップキャッチャー」について書きます。

といっても、

そんなに詳しくはないのですが…

私が持っているドリップキャッチャー

何故かというと、私は上の写真にある3点しか持っていないのと、
しょっちゅう使っているわけでもないからです。。
持っている資料も、キャンドルの本(洋書)に、数点のドリップキャッチャーの写真と短い説明文が載っているのみ。。。

とりあえず、ドリップキャッチャーについて簡単に。

写真の、ドーナツのような形の薄いガラス製の物が、ドリップキャッチャーです。その物だけを見ると、「これ、何に使うもの?」と思うかもしれませんね。
上と左下は、ガラスのキャンドルスタンドにセットしたところ。穴がキャンドルスタンドの直径と合いますので、そこにキャンドルを立てるわけです。

その名の通り、「ドリップ」を「キャッチ」する器具です。
テーパーキャンドルなどの細長いキャンドルを
キャンドルスタンドに立てて使う際に、
溶けたロウが流れ出した時の 受け皿の役目をするものです。

もともと、一部が受け皿になるようにデザインされているキャンドルスタンドもありますが、いろいろなキャンドルスタンドを見てみると、意外と受け皿が無いものも多いんです。
そのような、受け皿部分が無いキャンドルスタンドや、例えばアンティークのスタンドを垂れたロウで汚したくない…といった場合にも、重宝するのがドリップキャッチャーです。
昔の、本物のキャンドルを灯すタイプのシャンデリアにも、ドリップキャッチャーが使われたのではないかと思います。

日本ではあまり見かけないですね

日本では、テーパーキャンドルを灯す方が少ないのか?あまり見かけません。
ピラーキャンドルや、ハンドメイドのデザインキャンドル、アロマキャンドルなど、キャンドルスティックに立てて使う細長いキャンドルより
お皿型のようなキャンドルホルダーに置いて使う方が、多いのかもしれませんね。
また、最近のテーパーキャンドルはきれいに燃焼しますので、ロウも垂れにくくなり、ドリップキャッチャーが必要ない位なのかもしれません。

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横から見たところ

私が持っている3点は、ガラス製。カナダに滞在していた折に、蚤の市のようなイベントで たまたま見つけた物。特にアンティークとかではなく、古道具だと思われます。
ドリップキャッチャーはガラス製が多いようです。私のには柄が入っていますが、模様などの入っていない、クリアなガラスの物が多い印象です。
ロウが付いた時に剥がれやすいからでしょうか。または、キャンドルスタンドのデザインを邪魔しないためのシンプルさなのかもしれません。

逆に、オーナメントのように垂れさがる飾り付きのドリップキャッチャーもありますし、カットガラス製だったり、絵付けした陶製のもの、金属製も見られますが、それらはビンテージやアンティークに近いかもしれません。
Etsy等にさまざま出ていますので、ご覧になると分かりやすいと思いますよ。

呼び名が様々あります

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溶けて流れたロウを受けます

私は「ドリップキャッチャー(drip catcher)」と書いていますが、
海外では「ボベッシュ(bobeche)」と呼ばれることが多いかもしれません。
「キャンドルリング(candle ring)」、「キャンドルドリップガード(candle drip guard」、「ワックスキャッチャー(candle wax catcher)」、「ドリッププロテクター(drip protector)」などという記載もあったりします。

垂れてくるロウをキャッチするものは他にも。。

今説明したドリップキャッチャーの他にも、キャンドルから垂れるロウを受ける物はあります。

「キャンドルスティックライナー(candlestick liner)」になると、同じようにキャンドルスタンドにセットするものなのですが、少し形状が違います。
写真がないので申し訳ないのですが、受け皿部分の真ん中に穴が開いていなくて、カップのように窪んでいます(分かりにくくてすみません…う~ん、、つばの広い帽子をさかさまにした…みたいな形状です)。
キャンドルを差し込む部分に嵌め込んで、そのままライナーの上にキャンドルを立てることができます。
これは、金属製の物が多いですかね・・・アルミホイル製で、使い捨てのものもあるようです。

そして、「キャンドルカフ(candle cuff)」は、細長いキャンドルを手に持つ場合に、手や袖にロウが垂れないために使われるもの。
例えば、キリスト教会のキャンドルサービスなどで使われます。
少し厚手の紙製で、円形の中央に入った切込みに、キャンドルを通して使います。キャンドルの下の部分を持てば、ちょうど手の上にはキャンドルカフがありますので、ロウが垂れてもカフが守ってくれるというわけです。

工夫が生んだ小さな道具たち

絶対必要!なモノではないけれど、キャンドルを灯すことに関連して、様々な道具や補助的な器具などがあることにも、ちょっと興味を持っていただけたら嬉しいです。
ガスや電気が無かった頃は、キャンドルの灯りが夜を照らしていました。
炎を扱うことで危険も伴いますし、使いづらい部分もたくさんある灯りですが、昔の人はさまざまな工夫をして 道具も生み出し改良しながら、灯りを大切に使っていたんだと思います。

今回は、そんな灯りの道具から「ドリップキャッチャー」のご紹介でした。

( 2022年3月12日 )


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