市原市と美波町の働く環境
始めに
私たちのグループの主なテーマとしては千葉県市原市加茂地区と徳島県美波町の比較である。この比較を通し、両者のコアコンピタンスを見出し、「その街で働く環境」に関する事業の提案をしたい。
経緯と動機
千葉県市原市は「プロジェクトで学ぶ現代社会」という授業で取り上げた街である。市原市全体でみると産業の発達と北部の開発が進んでいることとから、賑わいのある街のように思えるが、南部の過疎化も同時に進んでいるのが現状である。そのため、市原市全体と美波町の比較をすると、規模が全く異なるため、比較できないということに気づいた。そこで、南部の中でも事業が発展しつつある、加茂地区を取り上げることにした。グループ内で2つの街の相違点を出し合っていく中で、市原市加茂地区と美波町を比較することで2つの街のコアコンピタンスを見出せるのではないかと予想した。
また、私たちのグループは3.4年の学生、就職活動を行っている学生、行っていた学生が集まっている。そのため、「働く環境」に関心度が高かった。余所者として、また、職場環境を選ぶ者として、働きやすい環境を生かした事業を提案したいと考えたため、グループのゴールとして設定した。
美波町と加茂地区
ⅰ)両者の特徴
徳島県美波町は東京から飛行機とバスと電車を乗り継いでおよそ6時間のところに位置している。特に美波町は漁師町であり、海と山しかない。人口も少なく、少子高齢化が深刻化しており、様々な産業の跡継ぎ問題も出てきている。ここではいわゆる過疎化が進んでいる。しかし、2010年ごろから徳島県では、企業のサテライトオフィスの事業が進んでおり、デジタル化が進んでいる。なお、美波町もその波に乗り、現在では19の企業が展開している。首都圏からは遠く離れている街ではあるが、「デジタル化」という面から、働く場所として他の過疎化を進む街より一歩先を進んでいると考えていいだろう。
一方で千葉県市原市は「プロジェクトで学ぶ現代社会」という授業で取り上げた街である。市原市は東京から電車でおよそ1時間弱、横浜からは2時間弱で行くことのできる所に位置している。首都圏から比較的近い場所ではないが、通勤可能県内ではある。しかし、そんな市原市も過疎化は進んでいる。市原市は大きく2つの地域に分けることが出来る。産業の発達と地域の開発の進む北部とどこを切り取っても田園風景の広がる南部。特に南部の過疎化は深刻化している。そんな南部では地域の活性化の事業として、街の環境を活かした外から人を集めるための事業を行っており、少しずつ進んでいる。市原市全体でみると、首都圏であることからデジタル化も進んでおり、5Gを導入している。また、市としてはコワーキングスペースの拡大を推しており、首都圏のライフスタイルに合わせた働き方を選択することが出来る街であるといえる。
ⅱ)働く環境として
美波町
+ 第一次産業が発展している点、争いが起きず、新しい産業を受け入れやすい街であること。また、サテライトオフィスの拡大により、働く環境が整っている。新しく事業を立ち上げたいと思っている人には働きやすい。
近くに海、山、サーフィンや山登りなどアクティビティを楽しむ環境があるため、ワークライフバランスを取りやすい。
- 光ファイバーケーブルによる高速情報網の整備はされているものの5Gの環境が整っていないため、ネット回線のためにも整える必要がある。
公共交通機関の不便さ。大きな商業施設がないこと。
人口の問題(少子高齢化等)から人材確保にも困難を要すると予測できる。
市原市加茂地区
+ 第一次産業が発展している点
⇒北部の大企業から誘致が可能!?
小湊鉄道をベースとした観光
⇒地域の活性化している。
- 美波町の様なサテライトオフィスはない
⇒働く環境を生み出すことで人を呼ぶことが出来る?
それぞれのコアコンピタンス
2つに共通するもの:過疎地・土地が余っている・観光事業・田舎・第一次産業
美波町 : 開発されていない田舎
市原市 : 計算された田舎(ないものがある)
事業提案
美波町:アクティビティの創設
⇒サテライトオフィスで働く人の趣味を参考にワークライフバランスの取れた働く環境を生み出す。
過去と現代の融合
⇒田舎をあえて作る。
市原市:お寺回り・御朱印集めを利用した観光事業(美波町が行っていた「お遍路周り」を利用した事業から)
⇒首都圏に近い位置にあることを利用し、若者の誘致を目指す。