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『あかり』介護保険外自費サービスを利用して得られたアウトカムを紡ぐ~9⃣

要支援1の認定が下りたばかりの方からの相談が、当社の居宅介護支援事業所にありました。聞くと、もう2か月近く入浴できてないとのこと。介護予防支援の手続きは開始しましたが、予防プランを作成、担当者会議開催という段階を踏むと早くても入浴できるまで一週間はかかりそうです。
本人、ご家族に自費サービスでの入浴を提案すると最初は少し躊躇されていましたが、奥様は『言っても入らないし、一人では危なそうだから頼もうかしら』と。ご本人は、ほとんど発語はされませんでしたが、『しばらくぶりに、お風呂に入ってみます?』というこちらの問いかけにはしっかり頷きました。
どうやら入院、加療を経て退院後、生活が不活性化になり意欲も低下、座りきりの生活が続き入浴は億劫になったようです。妻も、介護に消極的で『本人のやる気がないからね、、』と投げやりな様子でした。
筋力低下、下肢のふらつきが心配な状態でしたが、浴室内に椅子をもちこみ、また浴槽に出入り時にはしっかり体を支えるお手伝いをすると、風呂に浸かることができました。2か月近く蓄積した角質は、剝がされるかのようにきれいに落ち、念入りに洗髪し、何より本人が心地よさそうな至福の表情をされました。
その後ほどなく週1回のデイサービスの利用が軌道に乗り、滞留していた服薬もお薬カレンダーの導入でしっかり管理・服薬できるようになり、妻も様子をしっかり見守ったり声かけしてくださるようになりました。
下肢が酷く浮腫んで重苦しく、入浴を遠慮がちになっていたのかもしれません。浮腫みは処方通りの服薬がしっかり行えるようになったことでだいぶ改善してきました。
自費サービスでたった一度だけ、タイムリーに入浴できたことによりいろいろなアウトカムが得られました。
当社が居宅介護支援事業所を設立する際、自費サービスを併設しようと考えたのは、まさにこうゆう状況を想定してのことでした。認定を受けるまでの期間、もしくは認定は下りているがサービスを開始するまでの期間、その間に痒いところに手が届くサービス提供をすることによる良い効果を実現できました。非常にうれしくもあり、達成感が得られ望みを次なるケースにつなげられます。

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