また泊まってみたい旅館 向瀧
2023年1月21日土曜日放送 テレビ東京 『新美の巨人たち』 「東山温泉向瀧と会津建築」を視聴して
番組視聴後に2005年の画像を漁って投稿しました。下がそのリンクです。
ドライブで偶然たどり着いた旅館で、一目ぼれして財布の中など気にせず、泊ってしまった思い出があります。
何がそんなにひきつけたのでしょうか。
その当時は、その理由を深掘りすることなく、うっとりと泊っただけになってしまいました。スマホの時代ではなかったので、荒い画像しか残っていませんでした。それでも、あの時の空気感と息を飲み込んで吸い込まれた感覚を思い出しました。自然に寄り添う建物の美しさ。決してバリアフリーではないけれども、階段を上り下りしながら、建物の下の山肌の形状を想像して愛でるという体験は他ではなかなか得られない経験でした。
建物の形状だけではなく、木の廊下の磨かれた黒い艶が美しく、息をのむものでした。米ぬかなどの自然な素材のワックスをかけているのでしょうか。不自然さは感じられなく、心の奥底まで美しい心で手入れされていると感じ、鳥肌が立ちました。翌日のチェックアウトの際に女中さんたちが生き生きと掃除している姿にも心が打たれました。旅館を愛している人がたくさんいる。そう感じてなぜか目頭が熱くなった記憶がよみがえってきました。
テレビで拝見した大広間の大きさに驚きました。部屋食だったから知りませんでしたが、85帖の広さに柱を使わない方法としてトラス構法を積極的に取り入れる大工さんたちの心意気を想像するとワクワクします。大工さんたちはもっとワクワクドキドキしたことでしょう。
大胆さと繊細さが織り交ざった不思議な印象も番組を見て理解ができました。会津の職人さんたちが雪に耐えられる構造を担当して、装飾的なところを宮大工さんたちが担当したとの内容を聞いてやっと腑に落ちました。
会津には他にも魅力的な建物があって、書籍で読んで一度実際に体験したいと思っていたさざえ堂の話も触れていましたね。
円通三匝堂 (通称さざえ堂)
さざえ堂は1796年に建立された世界的にも珍しい二重螺旋構造のお堂です。木造の二重螺旋構造は会津のさざえ堂だけだと言われています。
33体の観音像を参拝しながら最上階にある太鼓橋を渡ってくだるという仕組みで長い参拝路を作ったという事です。
以前、このnoteでも書きましたが、二重螺旋構造はは、レオナルド・ダ・ビンチもスケッチに残してあるらしいです。フランスの世界遺産であるシャンボール城の内部の二重螺旋階段だそうです。この話をどこかで耳にしたのか、全く何もない状態での発想だったのかわかりませんが、独創的ですよね。たとえ思い立ったとしても実際に形にするのは大変だったと思います。その分、心が燃えたでしょうね。
鶴ヶ城
鶴ヶ城といえば『荒城の月』というくらいの知識しかありませんでした。2005年の旅の時は、時間が遅かったため、中には入れず、公園にあった『荒城の月』の碑だけをみて終わりになりました。今度行くときはじっくり見たいですね。
番組で知ったのですが、天守閣の瓦は全て漆塗りだそうです。この技術を採用しているのは城では鶴ヶ城だけだそうです。雪国ならではの悩み、雪が瓦に染み込み割れることを防げるそうです。この釉薬は会津で開発されたとのことです。
「会津の建物は大胆な発想で作られたのは江戸時代から教育が盛んで優秀な人材を輩出できたことが理由の一つ」と番組はしめていました。
大胆な発想で思い出したものがもう一つあります。白虎隊で有名な飯盛山に有料スロープコンベアがあります。そんなに長い距離ではなかったと記憶していますが、面白いこと考えるなと思いました。また、会津に行きたいなぁ。
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