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古い木造校舎のにおい

年に数回、ものすごく古い木材のにおいを嗅ぎたくなる。

小学2年生の頃、木造の旧校舎が残っていて、演劇の練習など場所が足りないときに臨時で使用されていた。新校舎の体育館の器具置き場からつながる旧校舎。秘密の通路を通り過ぎるとタイムスリップしたような空間に出た。
みしみしと鳴る床、階段。
木材の床は今のように表面的な木質系ではない本物の木材。
たくさんの人が歩いて、触って擦れた歴史。
この木材はたくさんの生徒を見てきて、送り出した。
誰よりも古い歴史を見てきたのだろう。

私はその旧木造校舎が大好きだった。
秘密のにおいがする場所
歴史を知る場所

その古い校舎で着物を着て鞠つきをしていると本当に不思議な感じがした。

私の前世はこの学校に通っていたのではないだろうか。
そんな錯覚がした。

その校舎は3年生に上がる頃、老朽化で危険ということで解体された。

どこかの古い校舎を見に行くとあの時のにおいとリンクする。

小学生の私が赤い着物をきて鞠をつきながらこっちを見ている。

私はあの頃から全く変わっていないのだ。



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