見出し画像

エレベーターの中でつばを吐く

唾。つば。ツバ。
漢字が見慣れないので、ひらがなで書きます。
それくらいつばのことはあまり好きではありません。

出掛けようと家を出て、エレベーターに乗りました。
エレベーターのボタンを押そうとふと下を見ると、つばが吐いてありました。
これはイヤです。

エレベーターという狭い空間に、誰だかわからないつばと一緒に下に降りる。
数秒かもしれませんが体がぞくぞくして気持ち悪いです。
誰だ?こんな公共の場所でつばを吐いた奴は?と思うのですが。

ただ、それよりも不思議で仕方ないことがあります。

いくら自分の吐いたつばだとはいえ、見たくないと思わないのでしょうか?自分のつばはOKなのでしょうか?
エレベーターは自分も乗るのに、イヤじゃないのでしょうか?

そこが気になります。
なぜなのか?
もしかしたら、何かつばを吐かなきゃいけない理由があるのではないか?
少し考えてみました。

●ジョギングの途中
つばを呑み込むと疲れると聞いたことがあります。
だからスポーツ選手はつばを吞み込まず吐きます。

その人はジョギングの最中で、信号が赤でも止まらず足踏みをする人で。
だからエレベーターの中でも足踏みをしていた。
そして、つばが溜まってきてエレベーターの中で吐いた。

●つばは全然大丈夫な人
家でも全然吐きまーす。
という人。

うんこも場所が狭くなってしまうからという理由で流す。
汚いから流すわけではないという人。

傷口に唾塗るでしょ?
ということは唾って薬でしょ?
エレベーターに薬落ちていても汚いと思わないでしょ?
という人。

●犯人に捕まった
男は両手両足を縛られている。
「いいか。お前はもう逃げられない。わかったらUSBのありかを教えろ」

「…」
男は犯人を睨みつけた。

犯人は男の髪の毛を掴み、頭を持ち上げた。
「早く言え!言ったら命だけは助けてやる。USBはどこだ?!」

その答えとして、男はつばを吐いた。

の、つばかもしれません。


僕はまあまあ長い時間、このようなことを、誰だかわかないつばがあるエレベーターの中で考えていた。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?