見出し画像

M1 : ‘Goodbye Ground’ 地上にサヨナラ (‘THE DEEPEST PLACE’ episode)

(facebook初回投稿2018.8.13)

M1 : ‘Goodbye Ground’ 地上にサヨナラ


 New Album ‘The Deepest Place’ 各曲のあれこれ。
イントロに続きまして、今回はいよいよアルバム1曲目の’Goodbye Ground 地上にサヨナラ’です。

アルバム1曲目は 『旅のスタート地点で一悶着』の図

 アルバムタイトル'The Deepest Place' 邦題は『いちばん深い場所』といいまして、この曲はそのいちばん深い場所への旅のスタート地点'Ground (地上)' での一悶着!
キーはDmです。ギター、ベースがdrop Dでチューニングされています。アルバム'Conicalify' の'Chamber' と同じキー。
一番低い音の弦をさらに1音下げて'D'にチューニングするやつです。
ヘヴィーにするためにね。

サビ前のパートはさらにヘヴィーにしたかったのでややテンポ落として・・・というか、自然に演奏がそうなるシーンよね。
従来のクリック(メトロノーム)に沿った録音では、こんな当たり前のことができなかったんですよ。
ここへきてやっと望みが叶って、クリック無しで録音できたアルバムなんです。

大阪 Orto Loungeのステージでクリックなしのライヴ感覚で録ったのよ
Orto's console


クリック無し=必須条件です赤尾には

いえね、クリック使わない録音なんて、昔は当たり前だったんですけどね。だから、その時代に録音された音楽って生き物の心拍に沿ってて、聴いていて自然と楽しめますよ。私はそうです。

子供の頃聴いた音楽って、大人になって聴いてもホッとできます。
曲の始まりは落ち着いたテンポでも、終わり頃にはノリノリで速くなっていて、聴き終わって「もう一回聴こう」と頭に戻して再生したら「あれ?おっそ〜〜w」っていうことが、昔のバンド物や、アコースティック物にはよくありました。同年代の方、そんな覚えがありませんか?!
でも、聴いていくと後半またノリノリでテンポ上がっていって・・・それが、ワクワクするんですよね。
「うわ〜、この人らノってはるわぁ‼️ バリかっこええ!!!」と、そのミュージシャンたちの居るハッピーな空間を共有することができたんです。
人生の始まりにそういうのをたくさん聴いていると、音楽ってそういう物だ!そこがたまらん!かっこいい!! となっているんです、私のメモリが。
なので、自分が音楽を作る時も、それをやりたいと思うのは自然な流れでしょ? ちゃんと実現できていないので余計に執着してしまうところでもあります。

でも、自分が作りたい物ではないけど、リスナーの立場ではライブで同期を多用するNightwishはバンドとしても大好きだし、日本が誇るアニソン「攻殻機動隊」や「創聖のアクエリオン」の菅野ようこさん作品も大好きです。

クリック使う使わないは良し悪しじゃなくて、単に私の作りたい音楽がテンポがフリーのやつ(ルーツはクラシックだからだと思う)ということなのです、マルっ


テラ・ローザのREC. ではクリック係を買って出た赤尾

そういえば、私はこのクリック問題とはTerra Rosaのアルバム'Honesty' の録音時から悩まされていたんです。1988年ですか。まだDAWはない世の中なのでクリックはドラマーがほんの目安に聴く程度で、曲によっては途中でクリック止めてフリーにしたり、またクリック欲しいところもあったり・・・。
そんな時、1曲の中でクリック入れたり外したりするとうまくいかないんですよ。そりゃそうですよね、外してる間に大体演奏はテンポ変わりますから。次クリック入れたら演奏してるメンバーは気分良くやってる現在のテンポと若干違うテンポのクリックが聞こえてきて(どうしても変わってますもんねテンポ)、それに合わせなきゃいけないなんて、ナンセンスなことで・・・。
クリックをプログラムしたり、途中タップでテンポを演奏に合わせるとか、いろいろ方法を考えたんですけど (リズムトラック録音中、赤尾はクリック係だったもので) 結局、名案浮かばずでした。
なので、Terra Rosaの "Honesty" は曲毎に良い意味での試行錯誤な録音を聴いていただけますよ。
全くクリック使っていない曲や、途中でクリック外してフリーになる曲など、いろいろ。

あ、その頃、Loudnessが新譜を出されたんですけど、そのアルバムはクリック使っているんですがテンポ変わるのっ‼︎
すごく自然にタメた演奏になってる。
どうされてるのか知りたくて、渋谷のスタジオでばったり樋口さんとスタッフの方にお会いしたので聞いてみたんですが、『それは秘密w』とか言って教えてくれなかったなぁ (⌒-⌒; )

でも、時代は巡って今の赤尾は迷いなく、クリック無しが唯一の道と結論付けたので、今後はもう自分のアルバムにクリック使うことは無いです!!
絶対っっっ!!!

では次回は2曲目 'Cell Division'
『細胞分裂』なの!!

(Album Trailer) ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

THE DEEPEST PLACE/ KRUBERABLINKA
(収録曲)
1--Goodbye Ground (地上にサヨナラ)
2--Cell Division (細胞分裂)
3--Limestone (石灰石)
4--I want to look for it alone (遠い彼方をひとりで探す)
5--Lychee (ライチー)
6--Paradise Inferno (パラダイス・インフェルノ)
7--Big So Bad (大厄介)
8--Mortar (モルタル)
9--A drive to the dark (闇夜へドライブ)
10-- The Deepest Place (いちばん深い場所)


赤尾和重 Kazue Akao / vocals
鈴木広美 Hiromi Suzuki / guitar
泉谷ボン賢 Satoshi Izutani / drums
and 鎌田 学 Manabu Kamada / bass (from The Dizzy Tones, Mother of soul, MARINO)

(Album Data)
https://kazueakao.com/Kazue_Akao/The_deepest_place.html