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M2 : 'Chamber チェンバー' (Album CONICALIFY episode)

(facebook初回投稿2017.5.15)

M2 : 'Chamber チェンバー'


CONICALIFYのいろいろ第三回の今日は、アルバム2曲目の’Chamber’のあれこれです。

1曲目’Test Tube’がクルベラブリンカにしては珍しく速い鉄板ナンバーで、
その次を行くのはどんな曲がいいかというと、もう、この曲しかない!
というほど、ヘヴィ〜〜なリフで始まるのが、このチェンバーですな。
わかりにくい書き方、申し訳ございません。


キーを変えてくんろ

確か、’Test Tube’ベーシック・トラックのすぐ後に、鈴木広美から送られて来たと思うんですけど、彼はこちらをアルバムのオープニングにしようと考えていたのかも知れません。Test Tubeはアウトテイクと考えていたかも...。
だってね、Test Tubeと同じく、この’Chamber’も最初はキーがEmだったんです。
既に完成して、当時はデモ・テイクをKRUBERABLINKA Bandcampに無料ダウンロードでアップ(現在はYouTubeのみ)していた『場所』もこのアルバムに入れる予定だったんですけど、こちらも同じEmというキーなんですよね。
そうなると、Test Tube、Chamber、場所が入ると、アルバム5曲中3曲が同じキーになっちゃうでしょ?
ちょっと、Emパレードになりすぎますよね。

でもChamberがEmで来たということは、広美的には3曲とも採用しようとは考えてなかったと思う。
でもね、私の頭の中ではどうしても’Test Tube’の次は、この’Chamber’でいきたかったんですよね。さて、どうしたらいいでしょう。。。
答えは簡単!! Chamberのキーを変えればいいのさっ!!!!!!

 と、アホな私は単純に考えましたよ。
ギタリストの気も知らずにねぇ。

で、言いましたよ広美に『Chamberのキー変えられないかなぁ? Test Tubeの次に入れたいんだよーーー』って。
クルベラブリンカを広美と一緒にやり始めて早6年が経ちますが、曲作りにおいて私の願いが叶わないことは一度もありませんでした。
どんな注文でも「よっしゃー。しゃーないなーー。ちょっと待っとれーーー」と叶えてくれた広美です。
今回も涼しい顔でサラっと、簡単にキーを変えてくれましたよ。
EmからDmにトランスしてすぐにデモを送って来てくれました。
「うわっ(^0^)かっこいいやんか! Emよりかっこよく聞こえる! ばっちりばっちり~~~!イエ~~~い♫」…と、ノー天気に喜ぶ私。



リハーサルでギターが複数本

そして、やがて、初めて皆でスタジオに入って新曲をリハーサルする日が来ました。
あれ?いつもギターを1本しか持って来ない広美が2本も持って来てる!!
一体何事かな? 何か試したいのかな?
時間が過ぎても2本目のギターは使おうとしない広美。一体、何のために2本も持って来たん?

そして、’Chamber’を合わせる時間がやって来た。
あっ!やっと広美が2本目のギターに手を伸ばして、ストラップを肩にかけた。
なんやなんや?!Chamberで何を始めるんや?!!

ふとベースの鎌ちゃんに目をやると、何やら注意深くチューニングを変えている。
「え? いったい なんぞ??」

まだ何もわかっていない私。



Drop Dという魅力炸裂

さぁ、これを読んでおられるギタリストの方はとっくの昔にお気づきだろう。
Dmというキーは、レギュラーチューニングでは低音でのロックな演奏ができないことを。

私はこの時に初めて思い知ったのである。
普通のチューニングでは、ギターの一番低い音は「E=ミの音」だが、「D=レの音」を弾くにはオクターブ近くまで上がらないといけない。
ギターには高いレの音しかないのである。

なので、広美氏の2本目のギターは一番低い音をEではなく、「D=レの音」にチューニングし直してあるのであった。
ギターの弦6本のうち、一番低い音の弦だけチューニングを変える『ドロップ D』とかいうチューニングだそうだ。
こうすることで、E音の下のD音が使える。

だが、ギターにこういうことすると弦のテンションも変わるので、ギター自体をドロップD用に調整しておかなくちゃならんようで、そのため、ドロップ Dチューニングに調整したギターを1本余計に持って来たということなのである。

ナニ? めちゃ手間なことになっちょるのね。
嗚呼、ギター弾けない私には思いもよらんことでした。

ボーカリストって、こんな無茶振りするから楽器弾きの方々からちょっと敬遠されたりするのよ。
ボーカリストのみんな!
気をつけようねっ!!
適度にねっ!


ギターのチューニング

『今時チューニング下げるなんてことぐらい皆んなやってんじゃん~~~』ておっしゃるかも知れないけどね。
ギタリストにはいろんなコダワリってもんがあるんですよ。

絶対にレギュラーなチューニングにこだわる人も多いです。
もちろんそれには訳もある。
広美氏も本来はレギュラーチューニングの人で、今回、公式ドロップDは、このChamberが初なんですって。

え? 別にDmじゃなくても、レギュラーチューニングでできるキーは他にもあるやんけっってお思いですか?
まぁ、そうおっしゃる前にアルバム’CONICALIFY’をお聴きくださいませ。
’Test Tube’のエンディングから2曲目の’Chamber’イントロの流れを。
ド頭の『D』の音を。かっこいいでしょ?!

Test Tubeの次にChamberを配置したいという私の希望をバッチリ叶えるキーチェンジは『Dm』しかなかったんだと思いますよ☆
本来のギターの一番低い音の、さらに下の低いD音から始まるChamberのイントロのカッコいいこと!
広美くんお見事っ。
鎌田先生も、ドロップDにお付き合いいただいて、ありがとうございます。
そして、これがアルバム単位で作品を聴くことの醍醐味のひとつだよね。

さぁ~~、アルバムお持ちの皆様!!
Test TubeエンディングからChamberイントロへのカッコ良さを楽しんでくださいね♡

次回は3曲目の’Cypress’ のいろいろです。またお付き合いください。


サブスクで聴いてもええよ(o^^o)

(Musicians)
赤尾和重 KAZUE AKAO : Vocals
鈴木広美 HIROMI SUZUKI: Guitar
鎌田 学 MANABU KAMADA: Bass
泉谷ボン賢 SATOSHI IZUTANI: Drums

(アルバム収録曲)
1:Test Tube
2:Chamber
3:Cypress
4:Basho
5:Caldera

(Album Data)
https://kazueakao.com/Kazue_Akao/Conicalify.html