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はじめまして、藍色茜色です。

親愛なる藍色茜色読者のみなさま、ごきげんよう。
そして、はじめましてのみなさま。はじめまして、わたしたちは藍色茜色です。

藍色茜色は、藍ちゃんとわたくし茜による少女論サークルです。
学生時代に出会ったわたしたちが、社会に出て、物理的に離れ離れになりながらも、わたしたちの大好きな物語に寄り添い表現するため、10年くらい前にふわっと発足し、これまで5冊の同人誌を刊行しました。
茜が本筋を書き、解説を書き、藍ちゃんが漫画にしてくれて、本にしてくれるのが一連の流れです。わたしの幻想が藍ちゃんの手によって形を得るの。すごいでしょ。

そんな藍色茜色のクロニクルを、発行順に振り返ります。

1冊目のあいあか本は、エス文学の金字塔、川端康成『乙女の港』を二次創作する試み。たぶん史上初で唯一無二。
『乙女は港から船を出せずに』は、洋子お姉様が女学校を卒業したあと、つまり物語が完結した後の三千子ちゃんと克子お姉様を思うお話です。
あのとき、すみれの花はまるで魔女の魔法のように思えたけれどーーあなたはいつまでもわたしのすみれ嬢なの。

2冊目のあいあか本は、音楽ゲーム「ポップンミュージック」のリエちゃんとさなえちゃんを主人公(プレイ・キャラクター)にした『シンメトリィ・ガーリィ』でした。
わたしたちの価値観を形成した大切なルーツであるポップンとリエさなちゃんに大きな愛を込めて。あいあかの大きなテーマの1つである「少女鏡像」と真摯に向き合った本でもあります。
渋谷系音楽にひとつの終止符が打たれた今こそ宝物にしたい。ホームシックな僕たちの音楽は続いていくから。

3冊目のあいあか本は、満を辞しての「少女革命ウテナ」本。『もしもわたしの薔薇が咲いたら』は、ウテナの中でも黒薔薇編をイメージしたオムニバス形式の一冊。わたしたちがどうしても肩入れしたくなってしまう若葉と梢ちゃん、そしてウテナとアンシーがまるでオルゴールのようにくるりと登場します。あなたになりたいあなたになれない、それは少女文化の暗黒面(ダークサイド)。ちいさな革命前夜のお話を、あなたはご存知なのかしら?

4冊目のあいあか本は、「美少女戦士セーラームーン」から、ちびうさちゃんとほたるちゃんに登場してもらいました。「ムラサキピンクの夢」は、そんなちいさなふたりがちょっとおとなになっちゃうのかな?みたいなお話。
ちびうさちゃんとほたるちゃん、ムラサキピンクの仲良しさんが闇堕ちして大人の女性の姿になった意味を考えてみたり、やっぱり考えてみなかったり。
ふわふわな思考回路、それこそが失われたくない少女性。わたしたち、ずうっといっしょにいようね!

5冊目のあいあか本は、趣向を変えて文芸誌を作ってみました。『季刊 藍色茜色』です。あの季節を切り取った、今やそんな意味も成すような季刊。
あいあか振り返り、あいあか対談、アーバンギャルド論、ゲスト原稿などなど盛りだくさんですが、巻末の拙論『雑誌『少女の友』にみる少女文化の構造』が大きなウェイトを占めています。少女雑誌が少女を形成した歴史はもちろん、『乙女の港』と吉屋信子『わすれなぐさ』を比較したり、川端康成の少女小説を追ったり、当時の少女文化が百合になったり乙女になったり双子コーデになったりしていることについて述べていますので、ご興味のある方にはぜひ読んでいただきたいです。

そして、数年の沈黙を経て、藍色茜色は再び活動を始めました。
6冊目のあいあか本は、ほかでもない『鬼滅の刃』から、栗花落カナヲちゃんと神崎アオイちゃんの手を引っ張り連れてきました。
この偉大なる国民的な物語を、ふたりの少女たちの物語として切り取るために。
カナアオちゃんは、「外へ出る女の子と内にいる女の子」。「戦う女の子と守る女の子」。そして「選ばれた女の子と選ばれなかった女の子」です。
その違いこそがふたりをふたりにさせている。お互いにお互いの願いをのせて、命を懸けてそれぞれの戦場で戦っている。その剣先の切なく儚い美しさを描けたらなと思っています。
素直で鈍感なアオイちゃんとちょっとヤンデレ気味なカナヲちゃんが好き。載せられるものがわたしのラフしかなくてごめんね。進捗は適宜Twitterでご報告します。

そんなあいあか本たち、乙女の港とウテナ以外は多少在庫がありますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。
カナアオちゃんも、そしてこれからの藍色茜色も、どうぞよろしくお願いします。

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