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「俺の家の話」ふたつの世界を繋ぐひと

見事な伏線回収で大円団を迎えた金曜ドラマ「俺の家の話」。

(以下、ドラマのネタばれがありますので、これから視聴される方は避けてください)

クドカン脚本がとても好きで、シナリオ本やエッセイまで読むくらい。
なのでこちらのドラマは、1話から楽しみに観てきました。

最終回の冒頭、かみ合わない展開に「?」を浮かべながらも、その筋書きにグイグイ引き込まれていく演出も凄い。
最終回開始から10分余りで主人公が亡くなっている(事実が明かされる)なんて。

葬儀の段取りや戒名、その後の宗家跡取り問題やさくらちゃんとのことも、パタパタとドミノが倒れるように伏線回収されていく。

世襲制、介護問題、離婚や発達障害もドラマの中でさらりと描かれていたんですよね。

あの、漢字が壊滅的に書けなくて、教室でじっとしていられない秀生くんが、能楽の稽古はとても好きで、長い時間釣鐘の中でじっとしていられることに、「ほんとうに、そうだよね」と思ってジンとしました。ゲームとかもそう、集中できる、面白いことにならじっとしていられるんですよ。

物語の最大の見せ場は、セリフそのものよりもわずかな表情で物語るという、役者の力量が試される場面でした。


ここからは職業柄、考えたことなので、興味のない方はスルー願います。

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「褒めたら、終わってしまう」から、褒めなかったという寿三郎。自分もそのように指導されてきたんだろうか?

でも、「褒めたら図に乗る」子どもなんて、ほとんどいないですよ。
大人だって褒められたら嬉しくて、もっと頑張るでしょう?

もう、自分がされたことを子どもに仕返しする魔のループは終わらせていいと思います。

能楽「隅田川」は知らなかったのですが、そのお話を知れば知るほど「山椒大夫」つまり「安寿と厨子王」を思い出しました。

子どもをさらわれることや命を落とすことが、めずらしくなかった時代。
残された者の後悔や慟哭は、転生を妨げるほど、かもしれませんね。

中島みゆきさんの「夜会 VOL.16~夜物語~本家・今晩屋」が色濃く思い出されます。

「幽霊でもいいから、会いたい」

昔も今も、思いは同じですね。



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