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論文の要約

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アート系の論文の要約、学術的意義を自分でまとめています。
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#ヴォリンガー

【要約】小田部胤久「ゴシックと表現主義の邂逅ーヴォリンガーによる「ヨーロッパ中心主義的」芸術史の批評とその行方」『美学藝術学研究』21(2003)pp.81-114.

(1)要約

本稿では、20世紀前半にスイス・ドイツで活躍した美術史学者ヴィルヘルム・ヴォリンガー(1881−1965)の理論的変遷を「ゴシック」と「表現主義」との関係に着目し考察するものである。特に1907年から320年代末までの、変遷について検討をし、彼が歴史を幾度にも重ね描きしたことへの理論的正当性を明らかにする。
第一節では、ヴォリンガーの有名な著作『抽象と感情移入』(1908)を主に取り

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【要約】山口恵理子「特集 装飾論の展開とその可能性」『文化交流研究』筑波大学文化交流研究会編 pp33-45(2013)

(1)要約

本稿は、紀要『文化交流研究』の特集「装飾論」におけて寄せられた装飾にまつわる先行研究を紹介しているものである。著者がゼミにおいて取り扱った、ゼンパー(1860−63)、リーグル(1893)、ヴェルド(1895)、ロース(1910)、ペヴスナー(1936)、ヴォリンガー、ブーエ(1979)、そしてゴンブリッチ(1979,2006)、ロジャーフライ(1910,1917)の思想から装飾論を

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