SHHisのサポートRコミュがヤバい

 前書き:この文章は、元々恒常SSRにちか実装前に書かれた下書きを清書したものであり、一部内容はノー・カラット等で回収されていますが、自分自身の思考の整理のためにも原文のまま公開しています。

 先日、SHHisの二人のサポートR【283プロのヒナ】が実装された。

 サポートRのコミュは「財布ないわ」といったミームや「あさひを相手に猫を被る冬優子」といったぎこちなさを楽しむことができる特徴があるが、今回のサポートRもそれに負けないインパクトを持っていたと思う。

 2人分のコミュを見る中で、「子供」のにちかと「大人」の美琴の対比を強烈に感じた。これは、「関係性にややぎこちなさのあるサポートR特有のイベント」と単に呼ぶことも憚られる、妙なリアリティを伴った体験であった。

今回の記事は、そんな二人の関係性をベースにした怪文書である。

以下、コミュ内容に触れるためネタバレ注意。


【283プロのヒナ】七草にちか

『あいかt』と『home made feelin'』の二つのコミュが存在する。
 前者は美琴と、後者ははづきとのコミュである。後者も七草家の日常を考える上で興味深いコミュだが、今回は主題である美琴との関係性を考える上で前者のみを扱う。

・あいかt

あらすじ:
レッスンに向かったにちかは、急遽レッスン場が使えなくなったことを知る。「事務所には連絡したが相方さんにも念のためお伝えください」というスタッフの一言に、にちかは舞い上がってしまう。にちかは美琴にメールを送ろうとするが……

 このコミュで見られるのは、二人の常識の違いだ。

 「相方」宛の事務連絡メールを一通送るのに、挨拶文から試行錯誤をするにちか。


にちか
よーし…………
『お疲れ様です』…………
にちか
………………えー
にちか
……お疲れ様って敬語だっけ……?
うわぁこの前普通に使っちゃったけど――――――!

 それに対し、プロデューサーと美琴の連絡は簡潔だ。慣れた同僚の連絡と言ってもいい。

美琴
――――あれ、プロデューサーから……
『お疲れ様。レッスン場の空調が壊れたみたいだから
今日明日は使えない。自主練する際は気を付けてくれ』

美琴
――――了解


 さらには、にちかがメールの文面に試行錯誤している間に、美琴は代わりのレッスンスタジオの手配まで済ませてしまう。この手際の差はまさしく社会人と学生のそれである。

 常識の違いが見られるのは、メールだけではない。

にちか
はい、全然
大丈夫ですよ、河原とかで練習できるんで!
美琴
――――もしもし
急にごめんね、一部屋空いてないかな
美琴
……うん、ピアノがあるところだと嬉しい
最近使ってたとこでトラブルがあったみたいで……うん

 「河原とかで練習できる」というにちかと、ピアノのあるレッスン場をすぐに手配した美琴。このあたりも練習場所の伝手があるかどうかの大人と子供の差がみられる。

 そして、にちかがプロデューサーと遭遇している間に、美琴が一人でレッスンをするシーンでコミュが終わる。

 特にこの一人でのレッスンに、「大人」の対応としての割り切りが感じられる。代わりのレッスン場は個々人で確保するだろう、と割り切っている点は他のユニットと比べて特徴的で、例えば年齢差が近いアルストロメリアで同じことが起きた場合、千雪と大崎姉妹とでお互いに連絡を取り合うように思える。


【283プロのヒナ】緋田美琴


 『outside』と『inside』の二つのコミュが存在する。
 前者はにちかと、後者は美琴の仕事仲間との関係が中心のコミュである。正直、これらのコミュが一番「大人と子供の会話」を感じさせた。

・outside

あらすじ:
美琴と入れ替わりでレッスン場に来たにちかは、一緒に練習したりできるのではないか、と妄想するが……

 このコミュで見られるのは、圧倒的に「大人」な美琴の対応である。

・終了時間を忘れて練習を続けていたことを謝り、すぐに退出しようとする
・8時間の練習も「必要だからやっている」
・にちかからのおにぎりのおすそ分けをやんわりと断る

 「距離感を間違えた」「手作りもダメだったかもしれない」と凹むにちかは、根本的なところを取り違えている。単純に美琴は子供をあしらっているだけである。本人が食に無頓着だったとしても、うっかり昼食を抜いて高校生からおにぎりを分けてもらうのは大人として流石にまずい。

・inside

あらすじ:
プロデューサーから車を回したという連絡を受け、美琴を探すにちか。にちかが見つけた美琴は知人のスタイリストと話していた。

 個人的に一番「ヤバい」と思ったコミュ。ユニットメンバーどころか283関係者でもなく「同じ業界の人」とのコミュであり、「外側」にいるにちかを強烈に感じさせるエピソードである。


 スタイリストやメイクアップアーティストと親しくする美琴を「すごい」と評するにちかと「学校とか、アルバイト先の人とかと普通に話したりするのと同じ」と言う美琴。相手がスタイリストやメイクといった一般的には珍しい職業だとしても、仕事仲間であるならそれが「普通」。完全に大人と子供の視点の違いだ。

 そして、スタイリストと別れた美琴が言う一言。

美琴
いいよ、美琴さんが
立ち話しててって、言っても

 完全にからかってる大人や……

SHHisの特異性「大人」と「子供」


以上三つのコミュから、SHHisの特異性を

・他のユニットと違い「仕事」以外に接点がない点

・「業界に慣れた大人」と「世間知らずの子供」のコントラストを強調されている点

にあると考えている。

 仕事でしか接点がない点はコミュの場所にも表れている。他のユニットであればRサポートコミュで事務所での団欒シーンが入ることが多いが、なんとそれが一切ない。SHHisと年齢差が近いアルストロメリアでさえもう少し交流があるというのにこれは一体……

 大人と子供の対比は特に強烈に感じられて、美琴が「大人の世界」で生きているのに対してにちかは本当に年相応だ。年相応に空回りをして、年相応に不平を言う、年相応に「いい子」ではない子供だ。

 また、ユニットメンバーであるにちかとのコミュが『outside』で業界人とのコミュが『inside』なのは二人の心の距離を示しているとしてもえげつなさすぎる。

 今後実装されるカードやシナリオイベントでどのように二人の関係性が進んでいくのか、戦々恐々として待っている。

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