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活動レポート 第2弾も進行中!アイヌ文様有田焼プロジェクト AINU meets ARITA

2021年度に、阿寒湖アイヌコタンの作家5名が新しい商品開発の取組として、佐賀県有田町の有田焼の窯元と出会い、アイヌ文様をあしらった有田焼の制作に取り組みました。制作の取組から、クラウドファンディングへの挑戦の結果、その後に起こったこと、今後の展望をご紹介します。

経緯

アイヌ伝統文様の刺繍

 アイヌ工芸は、自然素材の収集から始まり、手仕事でひとつひとつ作り上げるのがその特徴と言えます。そのため、作品は一点ものの貴重なものになる一方で、仕上がりまでの時間を要し、高価になり、この点が多くの方にアイヌ文化にふれてもらうためには難しいところとも言えます。
 アイヌ文化の伝統的な要素を盛り込んだ、比較的手に取りやすいアイテムを作り、これまでよりも広くアイヌ文化を発信していくことはできないか?   これが、このプロジェクトの始まりでした。
 ご縁をいただいて、佐賀県の窯元さんと出会い、あたらしい商品づくりがスタートしました。

参加した阿寒湖アイヌコタンの作家

 阿寒湖アイヌコタンからプロジェクトに参加した作家は5名。2つのチームにわかれて大きく2種類のお皿の制作をスタートしました。
 木彫作家の斉藤政輝さん、日川清さん、平良秀晴さんは、木彫をベースに有田焼の皿にあしらう文様デザインを考案。 

郷右近富貴子さん、鰹屋エリカさんのお二人は、織物や刺繍の文様デザインをベースに、白磁のお皿に描くアイヌ文様デザインを考案しました。

<参加した作家さんの詳細はこちら>
斉藤政輝さん
日川清さん
平良秀晴さん
郷右近富貴子さん
鰹屋エリカさん

ご協力いただいた窯元さん

 ご縁があって出会い、ご協力いただいたのは、有田焼の窯元「やま平窯」さんと、「久右エ門窯」さん。オンラインミーティングや、有田町への訪問を通し、商品開発の打合せを重ね、2022年の1月にコラボレーション商品第1弾の試作品が完成しました。

やま平窯の山本博文さん
久右エ門窯の久保田剛さん

取り組んだ実績

 2022年の2月には、阿寒アイヌコンサルンが主体となり、アメリカ発のクラウドファンディングプラットフォームKickstarterで、このお皿を紹介するプロジェクト(※終了)を開始。およそ1か月の展開で、約460万円、約300件の支援を受けました。2022年の4月以降に、お皿の生産を開始し、世界中の支援者の皆さんにお皿を届けることができました。 

販売の本格化

完成したお皿を、2022年の夏から阿寒湖アイヌコタンの民芸品店や、クラフトイベントや企画展など、販売や展示の機会でご紹介しています。
 当初の目的だった「アイヌ文化にふれるための手に取りやすいアイテム」を、まさに体現するものになったと言えます。(筆者も家庭で重宝しています。)想像以上に好評をいただき、欠品する場合もありますが、順次生産していく予定です。実物は下記にてご覧いただけます。
<AINU meets ARITA 商品を紹介しているお店>


AINU ART GALLERY コタン屋 および AKANKO STYLE AINU ART LABO
上記以外にも、
プロジェクトに参加した作家さんのお店でもご紹介している場合がありますので、阿寒湖アイヌコタンでお皿をぜひ探してみてください。

2022年以降の展開

結氷したばかりのオンネトーに足を伸ばした山本さんと久保田さん

2022年の12月には、やま平窯さん、久右エ門窯さんが、阿寒湖アイヌコタンに来てくださり、このプロジェクトに携わった作家さんとの対面、再会しました。その機会にも打合せを重ね、今は、AINU meets ARITAの次の商品開発を進めています。まだお見せできませんが、今後、何かの形で発表させてもらいますので、もう少しお待ちください!

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