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『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』 新聞切り抜きの文字起こしと感想

映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』本編映像(鬼太郎の父たちの運命の出会い)に写る新聞記事(0:17 ~ 0:22)の文字起こしをしました。他の方にもご尽力をいただき、ほとんど読めましたのでここに共有します。私の感想も少しだけ書きます。

(右ページ上)

日本薬学の巨頭 龍賀時貞翁叙勲!!!
十五日午前十時四十分秋の叙勲受章者が発表された。受章者の中にはあの日本薬学の祖である龍賀時貞翁もおり、長年国民の生活を支える薬品開発に尽力してきた事と、それに伴う日本経済発展への深い貢献が評価されたものと思われる。祝賀会は十八日が予定されており、時貞の功績を称える為に五百人以上が出席する盛大な祝いの席になるとみられている。
会場近くには多くの生花が運び込まれて盛大な会に向けての明るいムードに包まれていたが、会場の視察に訪れた時貞翁は「身に余る光栄である、日本の復興にさらに力を尽くしたい」と気を引き締めた言葉を残した。言葉の通り時貞翁が会長を務める龍賀製薬は本社の改築を発表しており、本社体制をよりいっそう強固にすると共に、これからは人材の育成にも力を注ぎたいとして全国に先駆けて実務研修を導入するなど日本薬学界を発展させる為の計画を多数打ち出している。
「生涯現役」を掲げる時貞翁は先頃から厚生省との会議を欠席する等体調不良が目立っていたが、記者に向けて変わらぬ笑顔と眼光で「元気な限りまだまだ続けて行きたい」と社会貢献への衰えぬ意欲を見せた。

(左ページ真ん中)

龍賀製薬新工場設立 雇用四千人見込まれる
日本薬学会の重鎮龍賀時貞翁は龍賀製薬にて扱われている薬品の大量生産の為に新工場を設立することを発表した。この決定には龍賀製薬の製品登用(?)を推進している厚生省も、多くの国民が健康(?)な生活を送る為に必要不可欠であると支援を惜しまない事を表明した。この工場が稼働した際には四千人の雇用が生まれると見られ、経済発展の一助になる事を政府関係者も大きな期待を寄せており、時貞翁の日本経済における存在感は今後もより強固なものになると考えられる。稼働予定は来年冬(?)を予定しており、責任者として時貞翁の娘龍賀乙米さんの婿である龍賀克典氏に一任されるのではと憶測を呼んでいる。

(左ページ右下)

マ元帥連日龍…(表示されず)
龍賀時貞翁 戦後復興協力
八日午後一時連合国軍総司令部(GHQ)マッカーサー元帥が厚生省との会議の為、東京霞ヶ関に宿泊している龍賀製薬会長の龍賀時貞翁の元に3回目訪問を行った。1回目は時貞翁の体調が思わしくなくマ元帥は時貞翁を前に撤退を余儀なくされ、2回目で会合の約束を取り付け、昨日八日にとうとう念願の二人での会合が実現する事となった。(以下表示されず)

(左ページ左下)

中央政財界の裏に製薬王の影
八月に経済会議庁次長と会議していた事が明らかになっていた龍賀製薬会長の龍賀時貞翁だが、今月六日大蔵事務次官の私邸に出入りしていた事が発覚した事から時貞翁が中央財政界に何某かの働き掛けを行なっているという疑惑に信憑性を持ち始めた。時貞翁は戦時下の薬品供給を補う事で厚生省と深い関わりがあり、戦後復興時もその影響力で政界に強い影響をもたらしていた。

以上が読めた四枚の新聞切り抜きです。

新聞記事を読んで見て思ったこと

以下ネタバレなのでご注意を。


龍賀の秘密を乙米から聞いた水木は「こんな一族に憧れていたなんて…!」と言いますが、なぜ水木が龍賀一族に憧れていたか少しわかった気がしました。時貞翁、外面はめちゃくちゃ良かったんですね… 叙勲を受けているし、マッカーサー元帥とも面識がある。水木も時貞翁を「立志伝中の人」と評していますし、のし上がりたいという下心があったとは言え、水木は日本に「貢献」した龍賀一族に本当に憧れていたんでしょう。

私が特にびっくりだったのが時貞翁がマッカーサー元帥と面識があった事ですかね。もしかしたら周知の事実だったのかもしれませんが、私は新聞の文字起こしをするまで気づきませんでした笑 これに関しては少し気になる事があり調べてみたら面白い事実があったので、また違う記事を書こうかな〜と思っております。ざっくりお伝えしますと、Mが隠喩しているであろうヒロポンは戦後日本からアメリカに渡り、当時日本で溢れかえっていたヒロポン中毒者がアメリカにもいたという事実です。もしかしたら、Mは戦後アメリカにも流通していたのかもしれません。

私は歴史の勉強を疎かにしていたので、ゲゲゲの謎を通して勉強しなおせるのはとても楽しいです。特に世界第二次大戦に関しては日本人として知っておかないといけない事がたくさんあると思っているので(特に私がよく海外にいるので)、こうやって映画を通して学べるのは嬉しいです。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

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