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三十歳になりました。坊主になりました。

三月一日で三十歳になった。

坊主にしてみた。

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途中、金属バットさんになった。


「一生に一度は坊主を体感したい」という気持ちが前々からうっすらとあった。髪を伸ばすようになって反動でその気持ちが強くなり、近い区切りだと三十歳が覚えやすくて良さそうだ、見た目を変えてはいけない仕事をしていないし露出がほとんど無いほとんど家に居る今が絶好坊主タイミングだ、と判断した。

お盆だったか正月だったかの母さんとの電話で「坊主にしようと思ってるんだけど、」と言ったら、

「えー!?なんで?あんた頭の形わるいのにー!」

と言われた。なんで?の理由がそこで、この人に育てられて良かったと思った。


驚かせたかったので、特に周りには言わずにいた。

なんとなく、友保さんには挨拶ついでに「バッサリ切ろうと思っているんですよ」とだけ言った。友保さんも近々切るとのことだった。

しばらくして、金属バットさんのYouTubeで友保さん断髪式の動画があがった。ヘアドネーションをしていた。

近所のしばらく行っていない良い感じの美容室で切ろうか、ヘアドネーションの諸々をしてくれるところを調べて行こうかで迷っていたけれど、後者にした。


二月に入った。

ヘアドネーションの説明や実例がHPにしっかりめに載っている美容室を調べて、予約を入れた。

周りに全く言わずにいると「夏になったらにしようかな、海開きに合わせようか、海坊主だ」と揺らいでしまいそうだったので、会話の流れで髪の話題があがったら「近々バッサリいこうと思ってる」と言うことにした。どれくらい切るの?まで興味を持った人には「坊主にしようと思っている」を発動した。目を丸くするのが面白かった。


三月一日。散髪当日。

風呂に入り最後のコンディショナー。お客さんからいただいたもので仕上げた。

美容室へ。最初に「写真を何枚か撮りたいんですけど…」と伝えたら、要所要所で撮影タイムを設けてくれた。

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半々の状態が思いのほか格好良かった。ここで終わろうかと迷うくらい良かった。性格に合わなさすぎるので、終わらず進んだ。

坊主になった。

バリカンで刈られているとき、芝を整えられている公園の気持ちになった。大地の気持ち。青空が見えた。

毛束(家ではかったら長さ65cm重さ180gだった)を紙袋に入れてもらった。自分で郵送するとのこと。

ここから髪を伸ばしてちゃんとケアしてとぅるとぅるにするぞ。新しい観葉植物を部屋に置いたときの気持ち。


美容室を出て、家にあったとりあえずの帽子を被り、ウィッグを買いに行った。

ネタのときはウィッグ。「えっ坊主…!?」で持ち時間3分中3分はネタが入ってこないだろうから。

大喜利のときは地毛かウィッグかウィッグに始まり地毛で終わるか。囚人大喜利がまだやっていたら坊主がぴったりだったのになぁ。

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良い感じのウィッグを買い、良い感じのニット帽を買った。RPGで序盤の装備を買い揃える気分を味わえた。

Twitterに諸々の写真を載せた。たくさん反応をいただけて嬉しかった。


会った人に「なんで坊主にしたの?」と聞かれたら、どう答えようか。

「床で寝ていてルンバに根こそぎいかれた」

「羅生門の下で老婆に引き抜かれた」

「ライバルの階級に合わせるための減量」

「道でお地蔵さんが寒そうにしていたので」

「髪のレイヤーを非表示にしているだけ」

どの答えも坊主を目の前にするとかすむ。普通に答えよう。


支援していただけると嬉しいです。 きらきらの物を触って手にきらきらが付いたときくらい嬉しいです。