答えの整え方
「大喜利で答えを出せはするけれど、なんか惜しいというか、思っていたより反応が来ない…」
という悩みをもつ方へ。
答えっぽいものが浮かんで、そこからどう答えにしていくかを書いてみたいと思う。
『大げさにする』
【「この花火大会、お金が無かったのかな…」なぜ?】
[開会宣言で市長が暗い顔をしている]
↓
[開会宣言で市長が土下座をしている]
大げさにすることで、力のある単語が出てくる。
『表現を変える』
【「この花火大会、お金が無かったのかな…」なぜ?】
[10発より後は有料になる]
↓
[10発までは無料で観れる]
[より後は有料]とそのまま言うよりも[までは無料]のほうがちょっと洒落た感じになるが、有料のほうがわかりやすいではあるので、どちらがいいかは好みによる。
『出来事をにおわせる程度に離す』
【「この花火大会、お金が無かったのかな…」なぜ?】
[打ち上げ花火ではなく線香花火がメイン]
↓
[ポスターに線香花火が描かれている]
線香花火がメインだ、ということをそのまま説明せずに、線香花火がメインの大会の光景の端っこから切り取って答えにする。
『入りで補足する』
[ポスターに線香花火が描かれている]
だけでは、観ている側が答えの状況をすぐに頭に浮かべることが出来ずに、答えが届く前に次の答えに移ってしまう。ということが起こりうる。
「商店街に貼ってある」[ポスターに線香花火が描かれている]
と、答えの光景を描く助走をつけることで、絵が頭に浮かびやすくなる。
前置きで補足のつもりが蛇足になるということも多々あるので、これも好みによる。
他には、
・台詞調にする
・擬音語や擬態語を入れる
・印象的な単語を後半に入れる
・固有名詞の候補をいくつか挙げる
・伝えたいことが伝わる絵の構図にする(アップか引きか)
・お題の時制に合わせる([〜している]か[〜していた]か)
・漢字で書けないと面白くないのに漢字が浮かばない場合は捨てる
など。
思いついた答えを、少し引いて眺めて手直しすることで、大喜利的な言い回しが身に付くと思う。
【「この花火大会、お金が無かったのかな…」なぜ?】
このお題は、2015年の夏に行われたケータイ大喜利の公開収録関連のイベントで出されたもので、そこでスタッフさんが出した、
[花火より星空の説明に力を入れている]
という答えが印象に残った。
お金が無いと感じた理由は…と考えると、どうしてもマイナスな答えになりがちだが、これは星空の良さに目を向けさせるというプラスの答えで、素敵だと思った。なんとか大会を盛り上げようと説明を頑張っている人間臭さのある光景が目に浮かぶのもいいなと思った。
『お題の光景を深く想像する』
というのが、答えを整えていく上での基礎になると思う。
便宜上「整える」という言葉を使ったが、これらの手法が教科書で正解というわけではない。
答えを整えるだの考えないほうが味が出て良い人もいる。だが、そもそも持っている味が薄くてそのままでは太刀打ちできない人がいる。私のように。
大喜利を楽しいと思える手助けになれば、と願う。
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