見出し画像

BAZZ動画「安芸高田市長vs中国新聞」 で思ったこと

 

イケイケ市長の裏側とマスゴミの役割


 いまYouTube動画で安芸高田市長の石丸伸二と中国新聞記者をボコボコに論破するという動画がバズっている。
7月の記者会見で対立が鮮明となり、それを公開している安芸高田市の公式チャンネルの記者会見動画で100万再生、切り抜き動画も50万回再生と人気を博しています。今回は、この問題について考察したいと思います。

人気の理由は、市長が中国新聞記者をケチョンケチョンに言うところのようです。「中国新聞は不正確な記事」、「権力の私物化」といい、記事に対する説明責任を果たせと迫るわけです。記者は反論を試みるものの「ウググ」となっている感が強く、記者の「お答えはしません」というような政治家のような発言で抗弁したり、上司が出てきて「答えなくていい」と主張するなど、様々なバトルが動画で切り取られ拡散されているのです。

つまりYouTubeで受けるマスゴミ論の、象徴的な1シーンとして安芸高田市のケースが拡散されているという訳です。


人口2万5千の市がバズる



石丸市長はどんな人なのかというと、41歳の元銀行マンです。2020年に参院選広島県選挙区をめぐり、河井克行衆議院議員から現金計60万円を受け取ったことの責任をとり安芸高田市長の児玉浩が辞職したことを受けて、市長選に新人候補として出馬し初当選した人物です。つまり自民党政治の悪しき流れを断ち切るような形で出てきた市長なのです。

人口2万5千人あまりの小さな都市に注目が集まったのは、まず「市長vs議会」という対立構図でした。2020年9月25日、石丸はtwitter上で、一般質問で市議の1人がいびきをかいて寝ていたと投稿 。

それに対して、市議15人全員が出席した非公開の市議会全員協議会に呼ばれてtwitterへの投稿の意図について説明を求められことになったが、翌日に石丸氏が「議会の批判をするな、選挙前に騒ぐな、事情を補足してやれ、敵に回すなら政策に反対するぞ、と説得?恫喝?あり」とtwitter上に改めて投稿し、溝が深くなる訳です。当時の議長が「議会で寝ることはある」と発言し後に謝罪に追い込まれるなど、その頓珍漢な騒動について地元テレビ局が特集するなど注目を集めるようになるのです。

議会はその意趣返しとして、石丸氏がすすめ副市長の全国公募案に反対、断念に追い込みます。すると石丸市長は、22年に安芸高田市議会議員定数半減条例改正案を提出する意向を表明するなど、泥沼の争いになっていく訳です。

本当に地方議員は必要か

銀行マンあがりの市長と議会の対立は、まるでコメディのような展開になっているのですが、重要なテーマがそこには内包されています。

ここから先は

3,314字

¥ 500

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?