惨劇の前兆、サスペリアの窓
ダリオ・アルジェントの映画には、窓ガラスを割って犠牲者が外に飛び出してくる描写が複数ある。
一番有名なのは『サスペリアPART2』で霊能力者のヘルガが殺されるシーンかもしれない。『フェノミナ』でも犠牲となる少女が犯人に槍で突かれ、窓ガラスを割って、夢遊病の主人公ジェニファーの眼前で殺される。
そんな中、『サスペリア』に出てくるガラス窓も魅力的だ。
窓の外から部屋の内部を写すこんなカットがあると、きっと登場人物は誰かに監視されているのではないかという感覚がめばえる。そして実際に惨劇が起きるのだが、私は惨劇のシーンよりもむしろ、惨劇の前兆となるさりげないカットのほうが好きだ。
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