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美しい魔女

ダリオ・アルジェント監督の『サスペリア』『インフェルノ』『サスペリア ・テルザ』は3人の魔女を描いた魔女三部作と呼ばれている。

『サスペリア』はドイツに住むマーテルサスピリオルム、『インフェルノ』は米国ニューヨークに住む最も残酷な魔女マーテルテネブラルムを描いていた。

『インフェルノ』ではローマのパートで謎の美女がチラチラと登場する。

ローマに住む謎の美女のイメージ(絵は筆者)

音楽大学の教室に何故か猫を抱いた妖艶な美女がいて主人公の男に視線を送る。セリフひとつもないこの女性はいったい誰なのか。映画の中では明示されることはない。

きっと3人の魔女のうち最も美しいとされるマーテルラクリマルムなのだろう、と多くのファンは推測する。だが、それも映画から必ずしも読み取れるものではない。

ダリオ・アルジェントの映画では、その場の空気や目に見えない邪悪な存在がなんらかのシンボリックなイメージで描かれる。そこに論理的な整合性などない。

鏡が割れたり、黒猫が目の前を横切ったからといって、論理的に考えればそれが不幸の前兆であるはずがない。そう考えることが悪いのだ。『サスペリア』の心理学者フランクはそう語る。

果たして『インフェルノ』の謎の美女は誰だったのだろうか。

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