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20230101 somnia

 夢を見た。(ちょっと猟奇的)

 私はジャーナリストだった。
 子供の手足を切り落とす恐ろしい男がいるらしいとのことで、接触を試みた。
 狭くて薄暗い部屋に入る。確かに、ワゴンの上にすらっとした手が並んでる。
 どうしてそんなことをするんです、と尋ねると、その男はにこりとも笑わず、
「あなたの手を貰えたら、包み隠さずお話ししますよ」
 と言う。
 私は真相が知りたかった。
 右手は利き手なので、差し出すとしたら左手。
 腹を括った。
「左手をあげます。本当に全部教えてくれるんですね」
 男は笑った。
 くすんだ色の台に左腕を置く。男は、大きな鋏を持ち出して、私の左手首に添えた。
「じゃあ、切っちゃうね」
 深呼吸する。泣きそうだった。鋭い刃が肉に食い込むのがわかる。
 男が体重をかけたのがわかった。
 ばつん。
 痛みよりも鋭い熱さ。
 私は明後日の方向を見て「大丈夫」を何度も呟いていた。

 目が覚めた。

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