心が寒くて震えてる
心が所在なく、空中に分散して不安定に漂ってるので、文字を書くことでなんとかかき集めることにする。
楽しいことがあると、それが過ぎた後の心のしんどさに耐えられなくなる。
若い頃はそうでもなかったのに、いい歳した今は余計に辛い。
実のところ、もう次は無いのではないか。会いたい人に会えなくなるのではないか。楽しい時間は今が最後なのではないか。
不安で体がガタガタと震える。怖いのだ。物事の移り変わりというものは。
昔から、私は変化を怖がる人間だった。
そのくせ、何か現状を変えたがった。
面白い方向にクラウチングスタートしてやりたかった。
けれど度胸も勇気もなくて、その場で地団駄を踏んでボロボロ泣いて、「助けて、手を引いて」と、ヒーローの登場を待つのだ。なんと情けない。
そんな時は、都合のいい妄想をしよう。
ああそうだ。都合のいい恋愛の妄想でもすれば良いのだ。
楽しいことを共有できる、共に空を仰いで明日を語り合える、そんな誰かと酒を飲み交わすとなんと楽しいのだろう。
酒で思い出したが、私はどうも大人数で飲み交わすことの方が好きなようで。
酒の良いところというのは、人の内心を開けっぴろげに晒してくれるところだ。
人の心に触れるというのか。その人を構成する考え方や趣味や好みを知るのは面白い。
ひとりに集中できないから、大多数の人間がそこで入り混じると良い。
私はそこで繰り広げられる支離滅裂な大歓声を肴に酒を飲むのだ。
愛する人が欲しいと感じる。
でも、真に愛する人などいないとも思う。
愛などくだらなく、嘘だらけで、私利私欲でしかなく、結局のところ損得勘定で測られ、そんなことなら愛などという皮を被ってニコニコ笑うべきではなかったのだと後々後悔するのだ。
馬鹿の一つ覚えだ。
愛など知って何になる。
途中で興味が失せればそんなもの、手元に残らないではないか。
なんとくだらないことよ。
そんなくだらないことを泣きながら求めるのだ。ああ、なんと嘆かわしい。
譬え話だ。
ただ息をしてるだけで私に価値があるとしよう。
一人で息をしてるだけで、価値があるとしよう。
もはや虚無だと思う。
何もなくていいのだ。すでに価値があるのなら。
それ以上は贅沢というもの。
ならば何も求めまい。
求めるのは妄想の中だけに止めると良い。
何を隠そう、私は酔ってるのだ。
非常に捻くれた思考で鬱屈した思想の中に埋もれているのだ。
それはどんな言葉より「馬鹿だ」という言葉がお似合いだ。
本当に自分が恥ずかしい。こんなことばかりを書いて悦に浸っているのか?
後でこんな文章を書いたのだと知って、悶え苦しむが良い。
お灸を据えたところで治るあてもない。
いい歳こいた女が書くことなどではなかろうに。ばかばかしい。
おわり。
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