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20220918-2 somnia
夢を見た。
私はなんらかのエージェントで、指令を受けてどこかへ車で移動していた。
季節外れの大雪だった。
車のブレーキは効きにくかったが、なんとか目的の立体駐車場に着いた。二階部分に車を停める。
車を降りると、同時に別の車から男の人が降りたのが見えた。自分をつけてきた人間かもしれない。細心の注意を払って、立体駐車場を出る。
近くには大きなホール施設があった。人の気配はなく、ガラスの開き戸を開けて中に入ると、ホワイエまでホール内の声が聞こえてきていた。
ホールをチラッと覗き見る。議事堂のようなセットで、黒いスーツの男性たちが着席し、一番前で誰かが資料を片手に何かを訴えていた。
場違いだなと感じ、ホワイエに置いてあるホワイトボードを見る。演目がつらつら書かれてあったが、あまりよく分からなかった。何者かが何かしらの不条理を訴える演目らしいが、さして興味を惹かれなかった。
施設を出て、立体駐車場に戻る。自分の車の前まで来ると、何やら怪しい人物が私の車に触っていた。
「何をされてるんですか」
声を掛けると、その人は驚いたように振り返って「い、いやぁ…」と挙動不審気味に後ずさった。
不審に思いながらも自分の車の鍵を開けようとする。キーのボタンを押すが、どうもうまく反応しない。
私は瞬間湯沸かし器の如く、激昂してしまった。
「何をしたんだ」
語気を強めて不審者に詰め寄り、自分よりも背丈の高いその人の頭を鷲掴みにする。さらに詰め寄ることで、相手を後退させ、階段付近の手摺まで追い詰めた。手摺を越えれば、階段だ。落ちれば死には至らないものの、怪我くらいはするだろう。
どうしてそこまで怒ったのかは分からないが、私はグッと相手の体を手摺の上に乗り上げさせた。相手は悲鳴をあげる。
もうどうなってもいいや、こんなやつ。
そう思って躊躇なく、不審者を階段下に落とした。ドサッと、音がした。声はしない。
自分がやったとバレないだろうか、と一抹の不安を覚えつつ、とりあえず次の場所に行かなければと車に乗り込んだ。
目が覚めた。
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