![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/92332414/rectangle_large_type_2_62cb33329069456230f17f85bb56251d.jpg?width=800)
Go!Go!スカンジナビア vol.8 感想(主に心の叫び)
私はスピッツのファンだ。
ファンクラブであるスピッツベルゲンの会員でもある。
今日、スピッツベルゲン会員限定ライブ「Go!Go!スカンジナビア vol.8」が神戸のワールド記念ホールで開催された。
勇んで参り、見事に胸を撃ち抜かれて、頭の中が大喝采で高揚感冷めやらぬ状態なので、心の叫びを書き記そうかと思う。
同時に、私がファンになった経緯も軽くまとめてみた。飛ばせるように目次設定をしたので、好きな項目を読んでもらえれば。
スピッツクラスタ爆誕
私がスピッツをちゃんと認識したのは、中学二年生の秋。
中学校の行事で、文化発表会というものがあった。文化部系列の発表会の場で、当時たった二名しかいなかった合唱部が「チェリー」を歌っていたのだ。
なんと美しいメロディラインと詩的な歌詞だろう。
ちょうどその時期、私も初恋を経験している最中で感受性も豊かだったのだろう。視界のあちらこちらから火花がパチパチと散るような胸のときめきを感じて、鼻の奥がツンとした。「この曲をちゃんと聴かなきゃ」と思った。
家に帰って早速手持ちのCDを漁ると、偶然か運命か、そこにはスピッツがいた。好きなアーティストもいなかった私にCDを買い揃える習慣は無く、手持ちのCDは全て母がパソコンから焼いてくれた手作りのものだった。カーペンターズや松任谷由実などのCDの間に、彼らのシングルコレクション「CYCLE HIT」が挟まっていた。
父からもらったラジカセにCDをセットして、当時2枚組だったそれらを全曲聴いた。今まで気にも留めていなかった音楽が、私の脳髄を揺さぶった。
理解できない語彙と音の渦に飲み込まれて、私はみるみるうちに彼らの音楽にハマってしまった。
それから数年後。私がスピッツのファンだと知っていた同学年の子から声が掛かった。
「お母さんがチケット取ってんけど、一緒に行く予定だった人が行けんくなって。行く?」
ライブというものに行ったことがなかった私は、そもそもそう言うものと縁がないと思い込んでいたのだ。
有り難く、その誘いに乗ることにした。そして遂に、生まれて初めてバンドのライブというものを体験した。
2014年2月27日、神戸国際会館こくさいホールで開催されたJAMBOREEツアー「小さな生き物」だった。
2階席だったか3階席だったか。何にせよ、一番後ろの席だったのを覚えている。
暗いステージに明かりが灯り、ほんの豆粒みたいな、小さな小さな姿のスピッツメンバーが見えた。表情なんて見えるはずもない。
だけど、その姿を認めた瞬間、私の中の何かが音を立てて決壊した。憧れていた人たちと同じ空間を共有しているという、ある意味での非日常を見せつけられたことによる感動だった。
いつもスピーカーやヘッドフォンの奥でしか聞いたことのない声が、演奏が、そこにある。バリバリと空気を震わせて腹の奥に届く。
感動で涙を流したことなんてなかった。涙で彼らが見えなくなってしまったけれど、生きてる限り会えるのだという確信が深まった瞬間だった。
個人的に驚いたのは、当然と言えば当然だが、MCがあったこと。
歌を歌う人が、普通に喋るだなんて!と。今思えば何を当然のことを、と思うけれど、歌声しか知らなかったのだ。もっと言えば、テレビを見る習慣もなかった為、音楽番組なども見たことがなかった。
陥落だった。ただ「歌が好き」という気持ちだったのに、「その音楽を奏でる人たちが好き」に変わった。
私は確かに彼らのファンである。
が、参加するライブは結局のところ関西圏に限定されるし、もっと言えば単独ライブに限られる。
スピッツが主催するフェスなどは、行きたい気持ちを持ちつつ怖くて行けていない。行けるようになると良いな……。
2016年に開催されたJAMBOREEツアー「醒めない」は、今でも悔しい気持ちの強いライブだ。
と言うのも、その年は社会人一年目。勇気を出してライブの日に休みを取ったのだ。しかし悲しいかな、会社都合で休みを取消にされてしまった。
あまりに悔し過ぎて、パンフレットだけを購入したのを覚えている。無いはずの記憶を作り出して、「自分はライブに行ったのだ」と思い込んでいた。
2017年の30周年アニバーサリーツアー「THIRTY30FIFTY50」は満を持して参戦。2017年7月5日、大阪城ホールでのライブだった。
その時に、スピッツベルゲン会員になった。グッズの抽選をするのに会員にならなければいけなくて、白テントの下で会員手続きをした覚えがある。
2018年9月24日、Zepp NambaでGo!Go!スカンジナビア vol.7。通称ゴースカへの参戦はこの日が初めてだった。
スピッツベルゲン会員限定ライブということもあり、かなり間近でライブを楽しめたのがかなり嬉しかった。
そして、コロナ禍前に行けたライブで最後だったのが、JAMBOREEツアー「MIKKE」だった。ちょうど、全国ツアーが中止になる直前の2020年1月29日、大阪城ホールでの公演だった。
まさかコロナが猛威を振るってライブに行けなくなるなんて、思っても見なかった。
けれど、アーティストというのは本当にすごいと思う。
リモートでの曲作りで生まれた「猫ちぐら」。そしてその名前を冠したライブ「猫ちぐらの夕べ」。スピッツの優しさとか挑戦を象徴してるなと感じる。
「猫ちぐらの夕べ」は、オンラインライブも楽しませてもらったし、映画版を大阪の映画館で鑑賞した。ライブを観ながら歌えないもどかしさがかなりキツかったものの、マスクがべしゃべしゃに濡れるくらい泣いた。それほどまでに、彼らに会いたかった。
ああ、コロナ禍で言うなら「紫の夜を越えて」にどれだけ励まされたか。
スピッツの根源テーマには「死とエロ」がある。エロとはそのまま「生」であるわけなんだけど、割と初期曲に色濃く残っていたエロの要素はしばらく露見してなくて、少しだけ物足りなさを覚える反面、人の心や気持ちに寄り添った優しい楽曲をたくさん生み出すようになったなと……誰目線のコメントかわからない感想が浮かんでくる。
「紫の夜を越えて」は最たるものだと思うんだけど、聴くだけで、この混沌とした紫の夜を歌を歌って乗り越えていきたいと思えるのだ。
私の大好きな曲の一つである。
私はファンではあるけれど、ファン歴としてはまだまだ浅いし、あちこちのライブを巡礼して回る方に比べれば、行きたいライブを選んでる私なんて見下されて然るべきと思う。
ファンとかオタクを名乗ってはいけない、謂わばにわかファンのようなものだ。
けれど嬉しいかな、スピクラさんは礼儀正しくおおらかで寛容な人が多い印象がある。
きっと私のことも「そう言う楽しみ方もあるよね」と許してくれると思う。わかんないけど。
今日のライブの感想
で、今日のライブの話。
スピッツベルゲン会員限定ライブといえば通常、Zeppの会場でファンと間近に楽しむものだった。
けれどこのコロナ禍。大きな会場で解放的にやろうってことになって、公演数も少なめ。
今回は素敵なことに、横浜と神戸の2ヶ所での開催とのことで、兵庫県民的にはもう五体投地して大感謝しておりました。
日程的には平日だけど、時間は夜の19時から。理由としては、仕事終わりの人も寄れるようにとのこと。
ああ。本当に、慈悲深い……。
私は水曜日はお休みなので、その辺りは抜かりありませんでしたが。
座席は当日抽選。
アリーナ席がいいなぁと思っていたけど、残念ながらスタンド席。観客席から向かって右側のスタンド席だった。
座席に座ってすぐに「おや?」と思った。
アリーナ席のど真ん中に、花道がこしらえてあった。その先にはこじんまりとした小さなステージ。
何やら演出がありそうだなと感じつつも、そこまで大きな期待をしていなかった。
それと、グッズであるライトバングル。スイッチを入れると色んな色を選んで光らせることができる代物。お祭りっぽさを感じて、ドキドキしちゃった。
開演10分前。会場案内が流れ始めて、すぐに気づいた。
ドラムの﨑ちゃんだ!
もうニヤニヤしちゃって、うんうん頷きながら案内を聞いていた。
これはわたしの勘違いなのか偏見なのか、スピッツのメンバー含めてみんな、﨑ちゃんのこと好き過ぎやしないかな(笑)
良き愛されキャラだなぁとは思うんよ……。
スピクラさんたちの良いところは、一体感。
ステージが開演するまでのBGMで、恐らくラストの曲だろうなぁって曲で、誰からともなく手拍子が始まった。
私はまだまだライブ初心者だと思ってるので、そうやって誰かの手拍子に導かれて楽しませてもらってるなぁと感じる。
さて、曲が始まった。
セトリは既にあちこちで公開されてるけど、せっかくなので備忘録として記しておこう。
1.君と暮らせたら
2.三日月ロック その3
3.恋する凡人
4.俺のすべて
5.あかりちゃん
6.猫になりたい
(MC)
7.桃
8.僕はきっと旅に出る
9.砂漠の花
10.紫の夜を越えて
(MC)
※ここからセンターステージ
11.仲良し ※PINK
12.ナンプラー日和 ※ORANGE
13.謝々! ※LIGHT BLUE
14.エンドロールには早すぎる ※YELLOW
※ここから正面ステージ
15.愛のことば
16.運命の人
17.8823
18.スピカ ※会場リクエスト3位
19.1987→ ※会場リクエスト2位
20.大好物 ※会場リクエスト1位
(特別映像上映)
(アンコール)
21.あかさたな
22.サンディ(仮) ※新曲
23.夜を駆ける
これ見ると分かるけど、曲数多めだったね!
そして、「あかりちゃん」知らない曲だった。調べてみると、過去のゴースカのお土産DVDに収録されてるとか。
アンコールの「あかさたな」も似たような感じで、音源化されてない。
ゴースカの良いところって、「知る人ぞ知る名曲」をリクエストすれば、ゴースカで披露してもらえること。そして運が良ければライブDVDやCD特典でその曲をいつでも聴けるようになること。
サブスクでは得られない特別感があるね。
私は今回「あかさたな」をリクエストして歌ってもらうことができたのだけど、この曲だって2018年のゴースカCDの存在が無ければ、私は今だって知らないままだったからね。
毎回ステージの電飾とか演出とか、スピッツらしいセンスに溢れてて好きなんだけど、今回もとても素敵だった。
メンバーが描いた絵を元に電飾にされたらしい。センスが光ってるー(笑)
あと、やはり花道とセンターステージは、期待してなかったと言いながらテンションめちゃくちゃ上がってしまった。
スピッツメンバーの見える位置が変わるだけで、こんなに心踊って楽しく思えるなんて思わなかったもの!
たくさんたくさん手を振らせてもらいました。
センターステージでの演奏では、指示があってライトバングルの色味をみんなで揃えたりして、スピクラさんたちとの統一感がすごく心地良かった。(反抗するのもロックで良き!)
リダ(田村さん)がもうほんと、自由にさせてもらえたらあんなに駆け回るなんて思わんよ。舞台降りて走り回って飛び跳ねて……リダの演奏スタイル、実はめちゃくちゃ好きなんだ。
「紫の夜を越えて」のPVでもめちゃくちゃ動き回ってて可愛いのでオススメ。
あと、﨑ちゃんがうろうろするだけで「﨑ちゃんが立ってる!!」って叫ぶテッちゃんとかね! そこから巻き起こる拍手も堪らんくらい好きだったよ!
みんな﨑ちゃん好きだなぁって。
MCのマサムネさんのゆるっとほのぼのした感じも、実家のような安心感ーって思えてほっこりするし。4人で楽屋トークしてるのも、ファンからすると美味しすぎるんですよね……。
全曲通して言えるのが、やっぱりリクエストランキングで選ばれてる曲はすごく良い!ってこと。
もちろん人によっては「リクエストしても歌ってもらえないー!」ってことはあるよね。どうしても人数が揃って初めてランキングに乗るんだもの。
Twitterで「流れ星」歌って欲しいって書いてあったのを見て、頷いてた。「流れ星」とても良いんだ、素敵なチョイス。次回リクエストしたいものだね。
今は割と冷静に感想書けてるけど、私が人と一緒にライブ行きたくないのは、ライブ中は情緒が乱れてるから(笑)
笑ったり泣いたりノリノリで体動かしたり腕突き上げたり。
普段の自分があんまりしないことを、周りに知ってる人がいないからって好き勝手できるの。
これからもライブは一人で楽しみたいところ。
アンコール前の演出がかなり神すぎたので、これは押さえておかねば。
ベルゲンの会報で、メンバーがオーダーメイドスーツを作りに行った企画があって。
スーツが大好物な私からすれば、「どこに、どこに皆さんのスーツ姿……!」って会報誌を何度も眺めていたんだけど、完成品はまだ無かったのね。
でもここで、アンコール前の特別映像の上映会ですよ。
もう、「スーツ出来上がっております」の時点で全ての点が結ばれたし、期待が爆上げされた。その期待は当然の如く果たされるわけなんだけど。
スーツを試着するメンバーの映像。一人で「かっこいい!かっこいいぃ!」って叫んでました。隣の席の人ごめんね。
あまりにもご褒美すぎる。私がどれだけ徳を積んだというのだろう。ご褒美すぎるんですよ。
大人のスーツ姿って本当にね。やばいのよ。
え、ってかライブDVDには当然この映像載るよね……?
ちょっとテンション上がってきてしまった。
リダが言うんよ。「ベースのストラップ、柄がこう入るので、ネクタイはシンプルな方が」
この瞬間に、あちこちから「えっ」「もしかして…!」と黄色い歓声が聞こえてきた。
その想像。合ってますよ。
アンコールの始めに、スーツを着込んだスピッツの面々が登場。
感激で、もう真っ先に席立って顔面を手で覆ってしまった。神様ありがとう。
そこから始まるアンコールが、上でも書いた通り私がリクエストしていた「あかさたな」。
あまりの感動と感激に涙腺崩壊して、たぶん周囲の中で浮くくらいぶち上がってました。
叫んだり、歓声を上げなかった私を褒めて欲しい。
大好きなスーツ姿で、大好きな曲を歌われたら、落ちない人はいないでしょ。
もっと言うなら、マサムネさんが歌詞飛んじゃったのが珍しすぎて美味しい瞬間でした。神様ありがとう(2回目)。
ただ、元も子もないことを言うと、テンションが上がりすぎてね。生の声を聞いていたその印象というか記憶が、まるで幻みたいにもやもやし始めてしまって。もっと細かく聞きたかった箇所がたくさんあったはずなのに、今思えばちゃんと聴けてなかったかもしれない。
ライブって、そういうものかも。空気感で楽しむ感じ。もちろん歌を聴きに行ってるんだけど、それも含めて空気をめちゃくちゃ楽しむのがライブなのかもしれない。
だから、クラシックの演奏会みたいに集中して曲を堪能する、咀嚼するのとはまた少し違うような。分かんないけどね、人それぞれの楽しみ方でいいと思う。
新曲も披露してもらえて、来年はアルバムだー!なんて言ってもらえて、もう、ファンはお腹いっぱいで嬉しくて楽しかったよ。
あ。そうそう。2時間ほど前からライブDVD・Blu-rayの予約が始まったのと、例のスーツ姿のメンバー全員がアクスタになったグッズの予約も始まったみたい。買わなきゃ!
リダのやりたいことの一つだったそうな。アクスタ。令和のオタクの必需品的なもののように思うよ。
この記事を書き終えたら申し込まなきゃな。
なんだかんだ長ったらしくなってしまった。
他にも言い足りないことたくさんあるような気がするけど、大満足なので良いことにしておこう。
全国のスピクラの皆さん、お疲れ様でした。遠方から来られた方もたくさんおられたようで、すごいなぁと思います。
ゆっくりお休みくださいませ。
さて。セトリに合わせたプレイリスト作って、余韻に浸るとしよう。
おわり。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?