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20220803 somnia

 夢を見た。

 我が家に、海外の小さな女の子がホームステイをしにきていた。
 しかしこの子がなかなか厄介で、あまり良からぬことを常に考え、突拍子もないアイディアを繰り出して来るのだ。
 その日も、家族全員で大きな本屋に来ていたのだけれど、突然その子が私に頼み事をした。
「お願い。一度お家に戻りたいの。忘れ物しちゃって」
 たぶん嘘だ、とは思っていた。家に戻って何をしでかすつもりだろう。
 しかし、頼まれごとをされると断れない。
 この大きな本屋に来るために、私たち家族は大きな車に乗ってやってきていた。
「それじゃあ、みんなに声掛けて一旦帰る?」
「いやよ。こえ、あなたが運転して連れて帰って。すぐ戻ってきたら大丈夫だから」
 なんてことを言うのだろう。私がペーパードライバーだと知ってのことだろうか。
 しかも、大きな車なんて乗ったことがない。
 渋々、父親の元へ向かった。鍵を借りたいと伝えると、とても訝しげな顔をされたが貸してくれた。
 女の子を助手席に座らせて、発進する。
 しかし、車体の大きさが把握できず、あちこちにぶつかってしまった。何かとても運転がしにくい。
 家の車をまあまあ傷だらけにしながら、女の子を家の前で下ろした。
「すぐ戻って来るから!」
 そう言って家に入っていく。
 しかし、戻ってこない。何かやらかしているに違いない。車を離れるわけにも行かないので、冷や冷やしながら待つしかなかった。
 やっと女の子が戻ってきた。
 私はすっかりイライラとしてしまい、勢いよく発進した。
 スピードがぐんぐん上がる。何にぶつかろうがお構いなしだった。
 そのまま、一体何があったのかよくわからないけれど、突然現れた水辺に突っ込む。
 車ごと、私と女の子は沈んでいった。

 目が覚めた。

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