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山岳信仰について 阿加井秀樹

みなさんこんにちは。

阿加井秀樹です。


今回は富士山が山岳信仰の対象になったことは前回でもご紹介しましたが日本の山岳信仰とはどのようなものなのでしょうか。


日本列島全体を見渡すと、山と森を合わせて国土の75%前後にもなるといいますが、まずはこれだけの山が存在するという環境が、山への信仰を育む素地をつくったといえるでしょう。


そして太古の昔には、肉体を離れた死者の魂は山を登っていくと考えられ、頂に至っては神となり、さらには氏神という一族の護り神にまで転化するとされていました。


やがて仏教が伝わると、死者の魂が岩肌や樹木の間をぬって山を登っていく様子を六道になぞらえ、最後は山頂で仏になるという信仰が生まれました。


その結果、山は、神と仏がいっしょにすむ、この上なく神聖な場所として捉えられるようになったそうです。


山岳信仰が発展していく中で神が住む山つまり、あの世から地上を仰ぎ見て拝む日本人の基本的な態度が生まれてきたと言います。


1707年を最後に、ここ300年ほど大噴火は起きていませんが、富士山はれっきとした活火山で、美しいだけでなく怖い山として恐れられてきた歴史があります。


神である富士山は、時として恐ろしい災厄をもたらす存在でもあったわけです。


2011年に起きた東日本大震災と同様、美しい自然も噴火や地震を起こす暴力的で破壊的な存在になり得るのだという畏怖の念を、日本人は常に心の奥底に持っているといえるでしょうし常に持っておくべき必要もあります。


それではまた。阿加井秀樹


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