川の流れに逆らわず生きる豊かな岩たち
いつもは緑濃き川の水も少し濁っている
一級河川の鮎川は悠然と流れるのだが
波が立ち
川中の岩にぶつかるように流れる
岩は黙然と流れに耐えるがその表情は豊か
岩は様々な表情が重なり合う
お互いをかばいあい助け合っている
助け合いは人間だけの世界ではない
川辺の岩々も個性のある表情を見せる
川沿いの遊歩道を歩く人は気づくこともない
岩に個性があり表情があり
静かに魂が息づいていることを…
濁流の中から顔をだしている岩たち
溺れているのではない
助けを求めているのでもない
岩それぞれの天命に従うだけ
逆らっては生きていられない
人間もそうだ
ただ、違うのは
人間に限らず動物たちにも脈々と心を打つ血が流れ
話すこと・食べること・動くことなどが自由にできること
そして、意地とプライドに咬ませてさからうことがある
仕方のないことだが…
人生の終着地となる見知らぬ町に居を構え
この川の流れや周りの四季折々の景色を楽しみ、心休めるために
約１.2kmにわたる桜並木の遊歩道に木造の長椅子を置いてもらった
人の心はやさしい
椅子を置いてほしいとの希望に沿ってすぐに置いてもらえた
散歩する人・旅の途次で休む人には有難い
鳥たちの姿を見るときが多い
鮎川沿いは自然の宝庫
自然の中で自然に生きているものたちとの触れ合いは
病んだ心・疲れた体などを癒してくれる
濁流に逆らうこともなく自然なるがままに生きている
逞しい岩々が、明日に向かって生きる力を与えてくれる
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