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新たな”農業プレイヤー“創出による働き方改革

「新たな”農業プレイヤー“創出による働き方改革」総括
1.労働力の需給状況の把握
【令和元年度事業】
「地域農業実態調査」(実施:JA ふくしま未来・福島大学食農学類)
松川町・金谷川町の農家(1,039 戸)の回答を得て、集計・分析を行った。
・経営の形態「家族経営が94.1%」
・後継者がいる「28.8%(血縁者20.6%、第三者0.5%、不明7.7%)」
・家族労働力で足りている「48.1%」、
 常時雇用がいない「96.5%」 、臨時雇用がいない「96.5%」
 パート・アルバイトを雇用していない「96.5%」
であった。
2.労働力の確保・育成(情報発信等)
【令和2年度事業】
・「農スポキャリア研修会」を「3回」実施(果樹・酪農・刈払い)して、  
 合計「21名」が研修に参加した。
・「農スポイベント研修会」を「3回」実施(蕎麦打ち・林檎収穫・ボッチ
 ャ体験)して、合計「60名」が研修に参加した。
【令和3年度事業】
・「農スポキャリア研修会」を「1回」実施(刈払機取扱講習会)して、
 合計「10名」が参加した。
・「農スポイベント研修会」を「2回」実施(スポーツ教室&農業体験)し
 て、合計「30名」が参加した。
3.労働力等のマッチング及びデーターベース化
【令和2年度事業】
・求人サイト「ふくしま農スポ倶楽部(daywork)」を開設。
・実 績:「求人数288件、応募数216件、成立数178件」
【令和3年度事業】
・実 績:「求人数1,014件、応募数807件、成立数609件」
・満足度:81%(n38) ※総合評価「満足+やや満」:92%(35/n38)
・登録生産者数:「13」
・登録支援者数:「234(アクティブ)」               ※福島県内全登録支援者数:498
年代別:「20 歳未満:7(3%)」「20 代:81(35%)」「30 代:54(23%)」  
     「40 代:42(18%」「50 代:39(16%)」「60 以上:11(5%)」
職業別:「高校生5(2%」「大学生:53(23%)」「正社員:70(30%)」
    「契約社員:15(6%)」「専業主婦:13(6%)」
    「パートアルバイト:18(8%)」「自営・自由業:17(7%)」
    「その他:11(5%)」「NA:32(13%)」
4.農業の「働き方改革」への取組み(課題調査及びセミナー開催等)
【令和元年度事業】
・農スポ特別セミナー
①「農業分野における担い手・労働力確保の取組について」
  講師:齊藤充生氏 農林水産省経営局就農・女性課経営専門職
②「スポーツがあってよかった社会を創る・かいぶつプロジェクト」
  講師:三橋亮太・住澤祐樹氏 株式会社I.D.D.WORKS
【令和2年度事業】
・農スポ新春セミナー
 「集落営農について(集落営農法人化の取組)」
  講師:山岸 渉氏 JA ふくしま未来 営農部 農業振興課
【令和3年度事業】
・「農スポビレッジ」の試行
 福島市大笹生「まるえ観光果樹園内」に、『まるえ農スポビレッジ』を立
 ち上げ、コミュニティメンバーとして「5名」の登録があった。
・福島大学正課授業「協働プロジェクト学修」の科目として「農スポ@南相
 馬プロジェクト」が開講され、「15名」の登録があった。
5.他産地・他産業との連携による労働力確保
【令和2年度事業】
・福島市商工会広域連絡協議会
・おおたま村づくり㈱ と連携し、マッチングを拡大した。
令和2年度は、松川町内に留まらず「飯坂町商工会(福島市飯坂町)」ならびに「おおたま村づくり㈱(大玉村)」にご協力いただき範囲を広げて行うことができた。
※また、コロナ禍という非常事態において、鎌倉インダストリーズ株式会社のご厚意で、「1 日農業バイトdaywork」の利用を福島県内生産者に範囲を広げて頂いた。
・コロナ禍の状況で「提灯祭り・松川駅伝」は中止となった。
【令和3年度事業】
・福島市商工会広域連絡協議会
・福島県県北商工会連絡協議会
・郡山市農業法人連絡会
・福島県酪農業協同組合 と連携し、マッチングを拡大した。
・株式会社福島AC ユナイテッド「福島ユナイテッドFC・農業部」と連携
 し、スポーツ教室と農作業の指導を行うことができた。
・コロナの影響で、予定していた二つの地域イベントが中止となったため、その支援事業も中止することとなった。
「提灯祭り」:10 月第2 日曜日 ⇒中止
「松川駅伝」:10 月第4 日曜日 ⇒中止
【本事業取組みにおける成果項目】
①労働力確保目標値を達成したか 達成数 (目標数)
・労働力を受け入れる担い手農家等の数 :「 13農家」 ( 30 以上)
・農業労働支援者数 :「234人 」 ( 300 以上)
②労働環境に満足している雇用者の割合 :「 81% n38」 ( 80%以上)
③地域連携に参加した「人」・「団体」
・福島大学学生、他大学学生、専門学校学生、高校生
・福島市商工会広域連絡協議会、福島県県北商工会連絡協議会
・郡山市農業法人連絡会、福島県酪農業協同組合
④期待された効果の検証
■新たな“農業プレイヤー”創出が実現されたか
・アクティブ支援者「234人」の新たな“農業プレイヤー”が創出された。
・農スポビレッジ・コミュニティメンバー「5名」が創出された。
■“いつでも・どこでも・だれでも”アグリ支援システム)が確立されたか
・1 日農業バイト(daywork)を活用して「ふくしま農スポ倶楽部」として運用することができた。
・1 日農業バイト(daywork)の活用により農スポ支援システムが確立さ
 れ、若年層および様々な職業従事者とのマッチングが拡大した。
■参加人材とマッチングの拡大がなされたか
・農スポ支援システムが確立され、若年層および様々な職業従事者とのマッ
 チングが拡大した。
・令和2年度より令和3年度の方が「生産者・支援者」ともに拡大された
・アプリの浸透と仕事の掲載数が伸びれば支援者も増大すると考えられる。
■農家ニーズに即した人材育成がなされたか
・農スポ研修、農スポイベントへの参加者から好評を得ることができた。
・コロナ禍で農業スキル研修を実施することができず、農家ニーズに即した
 人材育成を行うことができなかった。
■他産業との連携によって多様な人材の確保ができたか
・学生だけでなく、一般就業者や自営業、主婦など様々な方の支援を得るこ
 とができた。
・プロスポーツチーム運営会社の農業事業部との連携ができた。
・「農スポ」連携事業の発展に期待できる。
■今までにはなかった仲間やグループが形成されたか
・今までにない、若年層(20代・30代)の支援者が増大した。
・「ウエルネスファーマー」というプロ農家を支える健康志向の集団が形成
 された。
■農商工観光連携への発展があったか
・商工会青年部の開発した食材を活用した食品を「農スポ」事業内で食すこ
 とができた。
・コロナ禍で提灯祭や駅伝大会が2 年間実施できず、農商工観光連携や伝統
 文化の継承支援に関しては今後の実施に期待する。
■自然環境・伝統文化等の継承ができたか
・農スポビレッジの開設にあたり、SDGs 目標を掲げることができた。
・農的世界を導⼊して、子供たちの生命教育、家族の健康など、「健康」と
 「環境」を保全するライフスタイルを確立する「場」が確保された。
■関係人口が拡大されたか
・関係人口の増大を目指したが、コロナ禍で実現できなかった。
・地域内での実証を繰り返していく中で、遠隔地からの参加者も増えること
 に期待する。
【次年度以降の取組み内容】
1.農スポ支援システム(daywork)事業について
「福島まつかわ農スポ協議会」での運営は行わない。
 ※運営は「鎌倉インダストリーズ㈱」に移管する。
2.農スポ研修事業について
 福島大学「協働プロジェクト学修・農スポ@」内で継続していく。
3.農スポビレッジ事業について
 「福島大学地域スポーツ政策研究所・農スポLab」内で継続していく。
4.一般社団法人日本農スポ推進協議会の設立(令和4 年4月中に設立予定)
「福島まつかわ農スポ協議会」は、「一般社団法人日本農スポ推進協議会」 
 と連携して事業を進めて行く。また、松川町と福島大学の連携をより一層
 深めていく。
【謝辞】
 「農業の新しい働き方確立支援事業(新しい働き方地区プロジェクト)」として、令和元年度から令和3 年度まで3年間継続で実施いたしました「新たな”農業プレイヤー“創出による働き方改革」は、令和4 年2 月28 日をもって終了いたしました。
 事業目的は「新たな“農業プレイヤー”を創出する」ことであり、具体的には、地域農業の労働力不足の実態と地域における労働力の実態調査を行い、新規就農者や担い手の経営発展を支援するために、関係機関が連携して必要な時期に望まれる労働力をマッチングする体制を構築し、1 日農業バイト(daywork)による生産者支援事業を進めました。
 また、「農業とスポーツ」という2つを組み合わせることにより、それぞれの課題を解決するとともに、新たな価値を見出そうとする試みを進めてまいりました。
 当初は、「農スポ(農業×スポーツ)」という聞きなれない言葉を説明するのに大変でしたが、事業を進めて行く中で「農スポ」の目的をご理解いただくとともに、賛同していただける方が増えてきたような気がします。「農スポ」を浸透させるためにも、この3 年間の事業は真摯に進めてまいりました。
 令和2 年度事業・令和3 年度事業におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により実施時期や形態等を変更したものがありました。福島大学のコロナ対策指針を準拠せざるを得なかったため、福島大学学生の積極的な参加や食農学類の先生方による農業キャリア研修の開催等を見送らざるを得なかったことは非常に残念でした。
 おかげさまで、この3 年間、事故や怪我もなく、特にコロナ発症の報告もなく、全て無事終了いたしましたことは、大変嬉しく安堵しております。
本事業の遂行にあたり、快く事務局をおひきうけ頂いた松川町商工会様と協議会構成員の皆様、ならびに松川町の各自治会およびご協力いただいた各地域の皆様に心から感謝します。
 また、委託事業をお引き受けいただいた企業・組織の皆様にも事業実施における細部にわたるご指導・ご協力をいただきましたことをここに感謝いたします。
 最後に、終始適切な助言を賜り、また丁寧に指導して下さった農林水産省 就農・女性課および株式会社パソナ農援隊様の事業担当の皆様に心より感謝申し上げます。

福島まつかわ農スポ協議会
プロジェクトリーダー 赤木弘喜



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