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映画『さんかく窓の外側は夜』感想


原作コミックは1巻しか読めていないので、ザックリ知識でしかないが、『さんかく窓の外側は夜』という何でも無いような言葉の組み合せなのに印象に残るタイトル良いな。

冷川、三角、非浦英莉可3名のメインキャストのヴィジュアルは良い。特に、岡田将生はどの角度から見ても美しく、志尊淳と並んだ時のバランスも良きバディ感。平手友梨奈の若い女の子なのに甘さのない目力の強さが呪いを操る役柄にはぴったりだと思う。

心霊ホラー作品だと設定に非現実な部分が多くなるからヴィジュアル説得力は重要で、キャストは文句なし。北川景子がちょっとした役で出てるのも贅沢感がある。

全体的にダークめ(登場人物が皆、黒い服)で硬質な雰囲気だからか、原作のBLキャラ萌えテイストは、ほぼ也を潜めて俯瞰で見せる人物配置はなかなか良い。

しかし気になるのは題材が心霊ホラーであるのに、監督自体は心霊には興味がないのか薄いのだろうか。

三角がメガネを外すのは、かけていると実際の人物と区別が付かない霊感者あるあるで、外す事により近視で全てがボヤけるのに幽霊だけくっきり視えるから意味があるのにメガネを外したら、おどろおどろしい死者が急に視えるでは意味が違わないだろうか?大体、幽霊であってオバケではない。その描写が曖昧。幽霊も人間なのに話が出来ないから怖いんだよ。

あと三角の過去回想の頻度が高く、都度どういう干渉をしているのか意味不明であった。霊を視るのと過去の記憶に干渉するのゴッチャになってない。霊視というより超能力者だよ。

ラストシーンの解決の仕方も貯金箱とされている部屋で三角がひとりで何が見えて何をしたかったのかとても曖昧。そして、溜まった穢れは外に溢れたら終わりなの。呪いを向けられただけで人が死ぬのに?

あの3人は穢れの貯金箱部屋に入って被る(穢れがあるから、被る概念もあるよな)事はないのかな?ここら辺もモヤモヤする感じ。何で無事で爽やかな顔して寝ているのか全く分からん。だってエリカちゃんは指示されたとはいえ殺人に加担してるよ。もう普通には戻れないじゃん。大体教祖様はどうしたの?何でソコは解決せんかったんか、まだ教団があるなら最後が中途半端よな。

貯金箱の部屋が普通の部屋なのもなんとも。よく実録怖い話で出てくる、地下にある埋められた開かずの部屋とかだったらよかったのに。賃貸者がいなくても普通ビルだと消防の点検が入るから、あの部屋だと単なる現代美術の作品かよ。

冷川が三角の力を使うときの囲まれる三角形が少しチープなのも気になった。ここら辺のCG使いは平成ライダーを見慣れていると、もっとカッコイイエフェクトあるやろ!と、内心どうしても思ってしまう。音楽もあまり効果的で無かった。キャストや雰囲気は良いのに全体的に尻すぼみ感があるんだよな。

ラストシーンのモブも皆んな黒い服なのは、あまり見た事が無い演出でカッコ良かった。さらに冷川だけ違うさし色にすれば異質な人物で浮いてる感じで尚良かったのに。冷川の事務所も無駄にオシャレで、あんな職場で働きたいよ。もちろん進んでお茶汲みだってするぜ。

全体としては信じない男、滝藤賢一が凄く良いって事なので、普通のスーツじゃなくヤバいセットアップ着て欲しかった。


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