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岸谷香さんライブとオネダリの傲慢さと

奥居香さんのライブに友人に誘われて行ってきた

元プリンセスプリンセスのボーカルの彼女だから、バンド的な編成でプリプリ時代のヒットソングを中心に、あとはソロになってからの曲を何曲かやるんだろうなあと、ぼんやり想定。

ところがどっこい
決め打ちは視野を狭くするなと反省した

今回のツアーはひとり芝居
ギター🎸とピアノ🎹で弾きがたるというスタイル

たった一人で1000人入る満席のホールを相手に2時間、ギター一本、ピアノ一台、腕は2本、生音で弾きがたるって!正気の沙汰とは思えない!

自分で自分に課したハードル。両手縛って脱出に失敗したフーディーニーみたくならなければよいけれど。

奥居さん自身も、今回のツアーが初ひとり芝居であること
初日立川の舞台はピアノの前に座り鍵盤を見た瞬間、何千何万何億回と引いてきたはずなのに、ドは何処だっけ?と頭が真っ白になるくらい緊張して、ステージもボロボロ、メタメタでしたと苦笑いされた

奥居さんほどのキャリアがあっても、自分が真っ裸で人前に立つ緊張感に慄いて、それを抱えて2カ月全国ツアーを巡礼してきたのだと思うと、胸が熱くなる。

プリプリに胡座かいても
一定数のファンは望めるし
なんなら過去のパッケージの再現を期待するファンの方が多いんじゃなかろうか

それでも
敢えての

今の自分をアップデートする
チャレンジ

ステージは圧巻で、音で楽しませ、その時代に引き戻すパワーで会場を満たして、同時代に青春だった男女の涙腺を弛ませる涙

前から4番目の親衛隊ゾーンに座っていたせいか、周囲はガチファンの方々で、関東近県で開催のステージには既にもう参戦済みのご様子。

でも親しき仲にも、やろ?と眉根を寄せた出来事が

アンコールに再登場し、今日を振り返るトーク中

会場前席中年男性より、マスクを越えて発せられた暴力的な矢文

『パパ、やってよ!』

はあ?
やってよ?
アンコールってオーダー制だったの?

今夜のステージとセトリに対して私たちはチケット代として対価を支払い済みだ

そしてミュージシャンは舞台をしつらえ、その身を通して音楽の神様を降臨させて見せてくれる。
そのために錬られた賛美歌が今夜のセットリスト、セトリだ

それはアンコールまで含めて、どれが一曲欠けても増えても、全体のバランスと調和を乱しかねない
それ位考え抜かれたものだと思う

個々人にマイフェイバリットソングがあるのは当然だ
思い出の一曲、忘れられない一曲

でもそれを、1000人の聴衆の前で、ちょっとこれもやってくれない?って、叫ぶかな?
ちょっといいじゃん、オッパイくらい、減るもんじゃなしさ
に通底する何かを感じて怒りが沸く

タダより高いものはネエ!

確かにお代は済んでる
でも、今日のお代には、パパは入ってねえんだよ?!プロにタダでやれっていうんか!と私がイキミ散らしてやりたいと思ったら

奥居さんは、ニッコリ微笑んで
『イヤだー私ー、サービス精神が旺盛だから、言われたら弾いちゃうからー言わないでくださいよー』
と、ポロロンと朗々と軽々とパパをピアノ伴奏で数小節歌い上げる

からの 
ドヤ顔の奥居さん

キョウイチで
カッコよかったあ

危うく
奥居さんに恥かかせるとこやった

姐さん、スンマセンでした

手が痒くなるほど
シンバル持ったオモチャのチンパンジーみたいに
音楽の女神の化身にバンバン拍手を送る

帰宅してその話を長女にすると

私もさ、時々、絵、書いてよって言われるんだよね

上手いんでしょ
サササッとさ書けるヤツでいいからさって

でもさ、ここまで書けるようになるまで、何年もかけてるし、夜寝る間も惜しんで、イラスト描いてるんだよねアタシ

別にプロじゃないけど

お金払えって言いたいわけじゃないけど

スキルは一朝一夕に身についた訳じゃないし、頼んでおいて簡単にその絵を捨てるのも知ってるけど

歌ってよとか
書いてよとか
髪切ってよとか

目に見えないその人のスキルを
等価交換無視して
手にしようとするのは傲慢だと
気づいて欲しいね

って

そうだよね
あの親父ファン道の風上には置けないねって
お詫びにグッズT-shirt全サイズ買えよって
二人で頷く夜に




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