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頭軽体重

安心してください
こんな四字熟語はありません笑
こんな感じで過ごしてたなと体感の造語です
あと今回のやつ2000字強あります
重いのはお前の文章や
プチ棚卸です
お付き合いくださいますか

3回頭が割れそうに痛くなって
頭に負担かけすぎてたんだと
悪い頭なのにゴメンと
書くことと音楽を引き寄せることで
砂袋を一つずつ落として
気球が上空高く風を掴んで飛行するように
頭を軽く軽くと笑
この一年半してきた気がする

頭では分かったつもり

けれど
身体は?

相変わらず古いフォーマットをなぞっている

病気をきっかけに仕事を辞めたとか
田舎に引っ越したとか
社会貢献始めたとか
人間関係見直したとか

基本的にない

同じ職場に同じ家族と暮らす同じ家から向かう日々

私も仕事を辞めようかとは確かに思った
仕事のストレスがくも膜下出血の遠因じゃないかと
心配してくれる友人もいた
辞めた方がいい、辞めなくてもしばらく休んだほうがいい

死んだら元も子もないんだから

それでもやっぱり身体は足に重りがついていて
規定の周回軌道を巡る平面上にしか選択の自由がない
どこをどう考えても今の生活を捨てることは
今の私にはできないし
元夫のように月の養育費以外の責任を放棄することなんかできない
いくら思考を自由にしたとホザイテみても

どうしても身体が重い

そうなんだ
走馬灯のプレミア上映会に
一人で当たっちゃったみたいな
右前頭葉の出血スパークルが引き起こした
それまでの人生観を一変するような
ごめんなさいごめんなさい
エラそうに福祉齧ったくらいの分際で
チイともわかっていませんでした
まああと二十年は生きられるかなって舐めてました
だからお願いしますもう少し生かしてくださいと

洗濯物も取り込んでないんです
夕飯の支度も途中だし
なんなら下の子来年大学受験なんです
既にマイナスイチの女三人暮らしで
ああそれは別に神様のせいじゃないけど
てゆうか音楽の神様のせいだからね
一生治らないじゃないのさ!バンドマン病!
女の子に手を引かれて電車に乗る夢見たって言ったくせにさ
自分からその女の子の手を振りほどいで
出て行っちゃったじゃないのさ!ギター持ってさ!
あああ、今怒りどころじゃないし
怒るのは頭によくない良くないフウフウ
ドウドウドウ落チ着クノジャ、チコ
え?今のだれ?脳内ハックしてる?
と、とにかく
さらにマイナスイチの人員じゃもう家族とは言えなくなっちゃう

だから

私を向こう側に連れて行かないでくれと
必死にベッドの柵を握りしめたICUの夜

自分の命乞い
すがるような
祈るような
願うような
初めて祈りを自分の身に引き寄せた

一晩で三キロ落ちたし
勿論一晩中余りの頭痛に一睡もできずに
でも考えてみればもし意識を失っていたら
即死だったってことだから
痛みを感じたのは助かるよと第一楽章が鳴ってたんだよな
一瞬寝落ちして目覚めてみれば
布団にめり込むように体が鉛のように重くて
寝返りはおろか、腕一本指一本動かすのだって
強い意志の力が必要なほど
文字通りの死闘を身体が繰り広げた後は
自重と重力に抗うことが出来ず
ベッドに押さえつけられてるみたいだった

けどスパルタな優しい看護婦さんは
赤毛さーん、歯、磨いてみましょう
日常を取り戻す練習です
は?歯なんていいです、アタシ何にも食べてませんし
マジかよふざけんなと断る私に
いーえ、起こしますよーベット
寝てちゃ治りませーんから
まずできること、ひとつずつ取り戻しましょう
手始めに歯磨きでーす(鬼)
ふう⤵わかりましたよわかりました
磨きますよ磨けばいいんでしょと手に取るけど
箸より重いものっていうけど、箸が橋くらい思い笑
歯ブラシを操作するのにやっとの握力くらいしかなくて愕然とするけど
ICUの看護士さんがそんなことで驚きもしないし心配もしない応援もしない励ましもしない
そっとただ見守るだけ

こ、こっから治っていくんかなと不安だったけど
適切な高度な処置を早期に受けられて
赤毛は入って来た時よりも正面な玄関から
トテチテ歩いて妹夫婦と長女に付き添われて
何事もなかったかのように退院したものだから

身体はレジリエンスというか
元に戻ろうと戻ろうとする力に従って
幸いなことに何の後遺症もなく
あんな夜をカイクグッタにも関らず
少なくとも見た目には元通りになっていったものだから

自分でも古い身体との折り合いがつかないでいた

いままではどっちかというと行動が先にあって
旅だったり、結婚だったり、子育てだったり
転職だったり
あとから頭がついてきて
答え合わせし始めるパターンだったんだけど

人生初の脳から先にぶん殴られるパターンに
戸惑っていた

ところに

バックパック背負って
釜ヶ崎での
ゲストハウスでの
旅の空の数日間

出会った人や
見た景色
交わした言葉
脳内との照合作業を一つ一つ経て

やっと
支点と力点が新しいバランスを探して動き始めた
もちろんバランスを見つけたわけじゃない
勢力分布図が変わったというか
関ケ原の合戦、川中島の決戦で
雌雄を決する要因は幾つもあったろうし
その瞬間瞬間の判断が次の展開を生んで
ダイナミズムが生まれいったように

頭と体のベクトルの向きが揃って一緒に動き出すのを
久しぶりに感じて
インド以来やな二十年ぶりやなと
そうそうこの感じこの感じと
幾つもの出会いを経てまた召喚できたことを
え?何を?
旅の神様シェンロンだよ笑
前回は彼の背中に乗ったけど
今度は私の旅にでる私の足の裏をべったり地面につけて











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