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自分のことには気がつかないもの

参議院議員選挙を前に、街宣車が街を走り、辻演説が街角で始まる。

現役大物議員さんが来るのだろう。動員がかかって、大通りとショッピングセンターの交差点の日常の風景が一変する。蟻のように四つ角を埋め尽くす人人人。渋谷のスクランブル交差点並だ。その8割はサクラで学●会員さん達だ。

ーママ?あれ、なあに?体操教室?

突如として出現した異様な空間に、母親の自転車の後ろに乗せられた4歳くらいの男の子が目をまん丸くして指を指す。裸の王様みたいだなとふと思う。

演説が始まると黄色く歓声が上がり、拍手の嵐、波のように振られる手、手、手。興奮して金切り声をあげる参議院議員さん。

全部設えられた空間に登場してあの議員さんは、何を思うのだろうか。演説が終われば蜘蛛の子を散らすようにサンサンゴゴそれぞれの日常に戻る人たち。街頭演劇。フェイクだぜ。

しかしながら、ふと胸に手を当ててみれば、私の働く場所も障害がある人たちだけが集まるフェイクな設えられた空間だ。障害のない人たちとは切り離された世界。

人のフェイクは異様でも、自分の属する集団のフェイクには気づかないふりをしている。じゃあ対極にある真実って何だろう?

ふと、ストリートミュージシャン?

ひとりギターを抱えて街に座り、道行く人に奏で語りかける夢や祈りはフェイクじゃない。

※音楽は、アメリカに住む友人から教えてもらった、今流行っている日本の音楽。古いものが新しいらしい。デジタルの時代ならでは。遠く海の向こうで言葉は分からなくてもと、そのグルーブに魅力を感じる人たちがいる時代。

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