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本丸は日藝

次女は中学生の頃からついこの間まで、個別指導の学習塾に足かけ5年通っていた。
塾長は、叱咤激励、適切なアドバイスで受験の海の航海を舵取ってくださり、まあ教育者なんだから、生徒を教え導くことが本職で当然といえば当然。支払った大枚の対価を約束通りに提供くださったともいえるのだけど。

いや、人と人の出会いには、チャリンとやっすい小銭の鳴る音なんかじゃ、表現できない機微があり、だから、人は人に学びを教えを請うのだと思う。

個別指導塾で大学受験にベット張れるほどの資金がないことから、大手大学受験専門河⚫塾マナビスにメインバンクを移すことになり、今までのご指導ご鞭撻に感謝して菓子折持ってご挨拶に伺った。

その際に大学の志望について相談する

ー社会福祉学部に進学を希望しているんです。親の職業の影響だと思うんです。有難いとは思うんですけど、直線的に結びつきすぎている気がして、もう少し広い視野で将来の自分を考えて、学んで欲しいと思っているんですが…

ー今はそう考えているんだと思います。それで今は十分じゃないですか。自分で考えて決めることが何より大事です。それに、ここまでこれだけ自分で考えてきた子ですから、これからも考えるでしょう。そして、みたもの、聞いたもの、会う人から影響を受けて、必ず進路も変わって行きます。

予言だな

と思った。信じてみよう。沢山生徒を見てきた人のいうことだ、親の欲目より余程俯瞰しているはず。

ー先生、長い間ありがとうございます。信じて見守ってみます。

果たして半年ほどたち、次女は志望校に日大芸術学部を持ってきよった!ニチゲイか!!

ー社会福祉のオープンキャンパスにも行ってみたけれど、来てる子がみんな真面目そうで大人しそうで、ちっとも面白そうな気がしないんだ。でも、同じ社会問題を扱っていても、映像表現から入ると、檻の中に入れられた人を、周りが無言でスマホかざして映してる映画をとってて、その方が私は面白いと思うの!自分が思うことを言葉にしたいし、誰かとこう思うってことを話し合える場所に行きたい。目指してることや学びたいことは同じだと思うんだけど、福祉じゃ、それはできないと思うんだ。

この間、各地の障害の当事者家族にインタビューし体験を聞き取ったり(ゆくゆくは舞台表現にするその取材のお手伝い)、ドキュメンタリーをみたり、NPOの活動を手伝ったり、上間陽子さんの本を読んだり、ひとりずっと考えて行動し確かめていたのは知ってる。美容で慰問する人になりたいとダブルスクールで美容の専門学校に行く!高学歴のギャルになる!と行っていた時期もあったな。

前々から次女に言っていたこと。

ー誰かや、何かの役に立ちたい、助けになりたいと思うことはとても美しい動機だし、そう思ったことも素晴らしいと思うけど、人をひとり救うのは、実は簡単じゃない。介護や介助、直接支援するだけが、人を助けることじゃなくて、花を見て人は救われたと思うこともある、アジカンのライブで明日も生きてみようて思うこともある。人が誠心誠意込めて何かを生み出せば、それは誰かにきっと届くから、福祉に拘らなくてもいいんじゃない?外堀から攻めるっていうのかな、将を射んと欲すればまず馬を射よみたいなさ笑

ーよく、わかんない🌀

ーうん。ママにもワカンナイ。だから、考えようね。勉強さえしておけば、進路の変更はいつでもできる。

ーなんだよ、最後は偏差値かよ笑

春までは長い。でも着実に射程距離を縮めてきた感のある次女が眩しくみえる夕べに。



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