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スタンドアローン

Call Me by Your Nameを観た

邦題 あなたの名前で私を呼んで

1980年代のイタリアの避暑地のインテリ家庭の暮らしぶりが描かれて、豊かに暮らすということの、ギリシアローマからの文化と経験知の圧倒的な蓄積に、3LDKなんてインチキな西洋住宅に暮らして悲しくなる。

スタチューレベルの眉目秀麗なる美少年と美青年のアプリコット味の恋に胸がキュンキュンして、久しぶりにキュン死するかと思った笑

最近公開の映画なんだけど、設定が1980年代のイタリアで、なんでまたちょい昔でないとダメなんかなと思った。(勿論生まれてます)ググればすぐに分かっちゃうんだろうけど、別に正解は知りたくない。私的には、ふたりのすれ違う思いや、なかなか進展しない関係のまどろっこしさ、恋の甘酸っぱさを描くにはスマホは有ってはならなかったんだと思った。

街に銀行口座を作りに行くのを道案内して、ふたりの出会いは始まる。でも、スマホで電子決済、インターネットバンクなんかやってたら?笑 Googlemapがあれば道案内いる?笑

キョウビはなんでも手っ取り早すぎるねん!

関係が煮詰まり互いに無口になる。何度も手紙を書き直す。扉の下から手紙をそっと挟む。返信が机の上に乗っているのを見つけた時のキュッと詰まる息。

LINEで済んじゃう?世界の果てまで瞬時に送信。既読まで教えてくれちゃう。

いらんわ、余計なお世話や、妄想させろや笑

恋するふたりに、圧倒的に多いのは、ひたすら相手を想う時間。ひとりの時間。遠く目で追う時間。すれ違う時間。悶々悶える狂おしい時間。

だからこそ、伝わった時には溜め込んだ分想いはスパークル爆発するし、天にも昇る蜜月がふたりを包む。

接続が簡単なら、繋がりっぱなしなら、ブロックもミュートも簡単だ。親指1本トグル入力で繋がった関係は、親指1本deleteで簡単に終わる

懐古趣味、時を戻そうと言ってるわけじゃない。ドダイ無理な話笑。狼煙、モールス信号、手旗信号、伝書鳩、手紙、電報…私たちのコミニケーションはその時代のテクノロジーと共にある。ただ、人を思うということの魅力を、少し考え直してみたくなる。そんな映画の余韻に浸る夜に。




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