形あるもの

ーあ？ウチにこんなCDあったっけ？

レッド・ツェッペリン
ー未発表バージョン4曲を含む全54曲　　初の4枚組ベストCD！　
税込定価10,000円

ウチ中勝手に断捨離強化中の長女、CDラックを整理整頓拭き上げてくれた。

ー昔はCDに一万円出したんだね…

ー長女）うん。ママんときは、音楽聞きたかったらCD買うしかなかった時代でしょ。CD寡占独占市場だもん。今は無理だね。サブスク、iTunes、YouTube 、なんでもありだもん。

そういえばママ、ビヨークなんか聞いたんだね？

ーあ、ビヨーク？笑1枚だけ。ダンサーインザダークって映画に主演しててね、メッチャメチャ良かったから音楽も聞いてみようかなって。

ー長女）ステージ衣装ヤバいよね笑

ーうん、新種の熱帯魚みたいな、もはやビヨークであるのかすら不明だよね。シルクドソレイユ的、近未来的、唯一無二な世界観。音楽よりステージが好きで、Facebookでは怖いもの見たさでフォローしてたな笑

ー長女）今は眉毛繋がってるよ笑

ーフリーダガーロみたいに？

ー長女）そうそう。笑。

ー海外では、マドンナもそうだけど、毛を剃らないムーブメントもあるからね。政治的メッセージとしてさ。

本棚もそうだけど、CD棚の前に寝転ぶときにも、その音楽をよく聞いた頃やそのアーチストを勧めてくれた人の顔を思い出す。サントラ盤を見れば映像が浮かぶし、銀座のシネスイッチとか、日比谷シャンテとか神保町の岩波とか街並みが浮かぶこともある。

サブスクやiTunesには真似出来まい。フッフッフ。

ジャケットや曲順にもミュージシャンの拘りが詰まっているのだよ。見ているだけで飽きないもんね。

懐古趣味、時代遅れ、絶滅危惧種、何と呼ばれても構わない。きっとそうだから笑。YouTube もみるし、Spotifyも入れてる笑。デジタルの方が圧倒的に簡単に広く音の世界にアプローチできる。検索してビートルズとビリーアイリッシュが並列する時代の恩恵は計り知れない。でも、深く潜っていくには形ある回るものが私には必要だ。

夏の夜にはボサノバかな。ルイス・ボンファ、黒いオルフェはいかがでしょうか。