情報量と幸福度は比例しない。「選択肢が多い時代」の結婚・就職論とは?
Q:奥様と結婚した理由はありますか?
ないんだよね。僕が思うのは、みんな人生について真面目に考えすぎだと思う。
今って、なんでも調べられるがゆえに選択肢が多くて「迷う」時代だよね。
ただ、たとえば僕の父親の時代はインターネットみたいな調べる手段なんてなかったから、隣の会社に勤める人の年収も知らないし、転職するという選択肢がそもそも浮かばないよね。
今では就職に関する口コミサイトもたくさんあるけれど、当時は一切なかったから、手段といえばOB訪問くらいしかなくて。
新卒の就職の際にも、入手できる情報は先輩の話とかテレビドラマしかなくて。みんなその情報を頼りに就職して、就職してからの10年・20年と頑張ってきたはずだよ。
ただ、今ではネットで何でも調べられるよね。とはいえ、たくさん調べて入社したのに3日で辞める人もいて、なんでだろうと思って。
結局、その会社を辞める理由も「情報」に溺れてるだけだと思うんだよね。
情報がありすぎるから”選び疲れ”して、自分で選んだのに「他にもっと良い選択があったんじゃないか」と思って、辞めてしまう。
結婚も同じで、昔は20代後半になったら親戚とかから「そろそろ身固めなよ」とかいわれて、お見合いの話も来て結婚する、みたいなのが当たり前だったわけだよね。
とはいえ、そうした時代の人たちの、幸せか・そうでないかの確率は、情報が増えた現代と比較してもあまり変わらないと思っていて。
むしろ、昔の方が「幸せ」を感じていた人は多かったんじゃないかなと思うよ。
それを現代においては、ウェディング雑誌とかが「結婚は特別な相手とするものだ」みたいにかき立てるから、結婚というものが異様に重たくなっているような気がしていて。就職も一緒だよね。
そうではなくて、とりあえず就職してみて、気づいたら10年、20年経ってましたっていう方が「幸せ」なんじゃないかなって。
だから、僕が奥さんのことをどう思ってるか、みたいな質問を聞くこと自体がすごく野暮というか。
もう、ずっと一緒にいるんだから、その事実だけでいいんじゃないの?
って思うし、それをいちいち取り沙汰にして語るような話ではないと思う。
だから、いつも僕が「Twitterで自分の会社のことを絶賛するようなツイートはするな」と伝えているのも同じで。
そりゃ、うちの会社は楽しい環境も用意できていると思うし、やってる仕事もエキサイティングだから、楽しいと思うよ。
けれど、それをわざわざTwitterで公言するのがダサいし、言っているほどダサい会社ってないと思っていて。
僕たちは、ひたすら目の前のお客さまを楽しませてるだけなのに、「自分の会社はやばいです」「こんなところがすごいです」って、言えばいうほどチープになるというか。
「奥さんのこと、愛してます」って言ってる経営者ほど、裏で浮気してるケースもあるからな(笑)。
俺みたいに、常に社員に向けても「チャンスがあれば…」って言ってるような人ほどチャンス巡ってこないから。
チャンスが欲しいです!(笑)
というのは冗談で(笑)。
でも、そんなもんだと思うよ。
Twitterで語る人ほど、よほど自信がないんだろうなと思ってしまうな。
だから、自分の奥さんのことをしっかり愛している人ほど、「愛してます」って、あんまり言わないかもしれないね。寒いもん(笑)。
ただ、おそらく10年後も20年後も一緒にいるだろうし、外で美味しいご飯屋さん見つけた時とかに、一番最初に「ここ連れてきたいな」と思うのはやっぱり奥さんだし。
今の時代、何か言っておかないと潰されてしまうと感じて、何か言っておきたいんだろうね。
カップルがラブラブなことをTwitterでアピールしてる人も多くて、それにいいねがたくさん集まるのも良いけど、本質じゃないような気がする。
Twitterやってる時間があるなら、その時間、大切なひとと会話したら? って思うんだよね。
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東京の壁画アートカンパニーOVER ALLsの代表・赤澤(@overalls_aka)が「日本とアートとビジネスとその他諸々」を語る「AKA Channel」シリーズ
※本文は、動画の音起こしを行い、読みやすく一部編集したものです。
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