「100万人のいいねよりも、『1人の好き=購買』を目的にする。」 日本にアート文化を根付かせるには?
OVER ALLsストアについて、お客様から「ギャラリーですか?」と聞かれることが多いんだけど、「お店です」という返し方をしていて。
なぜ「お店」という言い方にこだわっているかというと、ギャラリーは基本的に「鑑賞」していただくというスタイルをとっているよね。
その一方、お店は作品を「販売」するスタイル。
もちろん、ギャラリーでも作品は買えるんだけど、主たる目的が作品を「披露する場」なのか「売る場」なのかの違いがあると。
僕は、ここにポイントがあると思っていて。
つまり、ギャラリーはどちらかというと、「いいね」を集めるのが目的で、お店は「100万人のいいね」よりも「ひとりの好き=購買」をゴールにしている。
僕は、そういう「買ってもらうこと」を目的とするお店が、日本において文化を作り続けてきたと思っていて。
例えば、いまやNIKEが有名な背景は、元々アメリカの学生達が着用してた運動靴をBEAMSが日本に持ってきて、雑誌のPOPEYEとタッグを組んで広めていったと言われているよね。
そうすると、この日本においてアートを根付かせるためには、いかに「いいね」を集めるかではなく、お客様の購買までを意識する装置としての「お店」が必要だと思っていて。
お店を始めたもう一つの理由は、普段オフィスアートを描かせていただいる中で、「アート、はじめてです」っていう人が結構多くて。
でも、街中にギャラリーはたくさんあるし、「行ったことないの?」って聞くと、「ギャラリーに入るの、なんか怖いんですよね。」って。
その理由を考えてみると、ギャラリーにおいては僕たちに「役割」がないんだよね。
ギャラリーに行く目的は、作品を購入することではなく鑑賞することだと思った時に、入った瞬間にオーナーから「お前に何がわかんねん」って顔をされるのではないかという恐怖心があって。
僕自身、数少ないギャラリー経験の中でも、おそらく先方はそう思ってないとしても、なんとなくそんな空気を感じて「居づらいな、帰ろう」って思った経験があるんだよね。
一方で、お店だと「客」という役割が明確だよね。
だから、アートにあまり興味がない人 も気軽に入ってこれる。お店という立場としても、「お前に何がわかんねん」なんて態度ではダメで、笑顔で「いらっしゃいませ」って言わないといけない。
この話を聞いて、いわゆるアート界の人や、ギャラリーのオーナーさんからよく思われない可能性もあるけど、僕は皆さんと一緒にこの日本でアートを真剣に広げたいと思っているということだけは、理解はしてもらいたいなと思うんだよね。(了)
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東京の壁画アートカンパニーOVER ALLsの代表・赤澤(@overalls_aka)が「日本とアートとビジネスとその他諸々」を語る「AKA Channel」シリーズ
※本文は、動画の音起こしを行い、読みやすく一部編集したものです。
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