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「好きなことで生きる」のは、「好き勝手に生きる」のとわけが違う。

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アーティストさんのなかには「アートだけでは食べていくのが難しいから、バイトしながら生活してる」という人もいるけど、僕は「とはいえ、バイトはなるべく辞めなさい」と伝えるようにしていて。

なぜかというと、辞めたら絵だけで食べていかないといけなくなるから当然最初は困るはず。その状況で、身の回りの人に絵を必死になって売る経験をすると良いと思っていて。

そうしてやっと、「納得して買ってもらうにはどうしたら良いか」ということに真剣に向き合うと思うから。

けれども、環境や作品の性質上、それがどうしてもできないアーティストさんもいる。その場合は、バイトじゃなくて正社員を勧めてるね。もしくは、バイトでも、できるだけ一流の人がいるところに行きなさいって。

アーティストさんの中には制作時間を確保するために、融通がききやすい派遣みたいな形態を好む人も多いけど、できるだけルーティンでシフトに入れる仕事で、なるべく大手の人たちと会えるバイトにしなさいと。

なぜかというと、仮に一日警備員の棒を振ってても「出会い」ってなかなか無い。けれど、たとえばゴールドマンサックス証券のコピー用紙入れ替えのバイトだったら、一流のビジネスマンたちと接点ができる。

そこで、喫煙所でタバコ吸ってたら「お疲れ様です」みたいな会話もあるはずで。その時に、とりあえず常に全力で挨拶するんだよ。

すると、「いつも、お兄さんの挨拶気持ち良いね」みたいな会話からコミュニケーションが始まる。

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そこから「僕、実は絵描いてて。今度個展やるんですよ。」「ええやん!いくいく!」みたいな会話が生まれる可能性もある。

アーティストではないけれども、今のようなストーリーで成功した人がいて。元衆議院議員の杉村 太蔵さん。

元々、杉村さんは証券会社のトイレ掃除をされてた方なんだよね。そこで、たしか笑顔が良いっていう理由で、上級役員の方に「明日からスーツ着て出社して」って声をかけられて、見習いからスタートしたはず。

たとえ、杉村さんほどのホームランでなくても、働く場所さえ選べば自分の絵を1-2枚買ってもらえるくらいの出会いは十分にあるはずだよ。

勘違いしてほしくないのは、満員電車が嫌です、人に頭を下げるのは嫌です、スーツ着るのも嫌です、だからアーティストなんです、という人。

それ、すべて逆だと思うんだよね。

好きなことで生きていけるならなんでもします、満員電車にも喜んで乗ります、平気で人に頭下げます、スーツも着ます、大丈夫です、だって自分の好きなことで生きていけるんだから。

それが、僕が考える「好きなことで生きていく」ということだと思う。

「好き勝手に生きる」こととは、違うんだよね。

警備員さんとか、八百屋さん、魚屋さん、それから鉄道の運転士とかとなんら変わらず、アーティストも日本に必要な職業だと思う。

だから、アーティストであってもビジネスマンたちがクリアしていくことを経験する必要があると思っていて。そういうアーティストが増えると、日本はもっと楽しくなると思う。

だから、僕は嫌われてもいいから、それを必死に伝えている。

まあ、相当嫌われてるけどね(笑)。

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(スタッフ:正解です。)

正解やって(笑)。


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東京の壁画アートカンパニーOVER ALLsの代表・赤澤(@overalls_aka)が「日本とアートとビジネスとその他諸々」を語る「AKA Channel」シリーズ

※本文は、動画の音起こしを行い、読みやすく一部編集したものです。

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