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両手を広げる勇気

少しの不安と寂しさとそれをはるかに越える期待に胸を踊らせ、
私は今日、新しい道に歩みをすすめてみようと思います

前へ

2年7ヶ月前、18歳になりたての私は
生まれ育った地元を離れ、大きな不安と共にこの土地に移り住みました

家族や友達はもちろん、知り合いすら1人もいない、最初はそんな孤独な街でした

そんな場所で出会ったたくさんの人。
私に居場所をくれた人、私に人生を変えるきっかけを与えてくれた人、夢を与えてくれた人、夢を応援してくれた人、ありのままでいいと教えてくれた人、涙を包み込んでくれた人、人生で一番好きだと思えた人

孤独な街はいつの間にか、そんな愛しい人と、宝物のような記憶で溢れた、大好きな暖かい街になっていた

でも私は今、そんな場所を手放そうとしている

“今、心の真ん中にあるものを抱きしめ、前へ進もう”

この場所を離れることにしたたった一つの、でも何よりも大きな心の叫び

人はきっと大切なものをたくさん抱えている、両手がいっぱいになるくらい
私も両手から溢れ出すほどの何かを抱えていました

そんな時、“何を手放すかだよ”と教えてくれた人がいました

私が抱えるたくさんの大切なもの、心の真ん中にあるものはなんだろう。
その心の真ん中にあるものに素直に前に進んでみたい
そんな気持ちが湧き上がった

両手に抱えたものを手放して、世界に両手を広げてみる。
その時私の心は何を掴もうとするだろうか、
心が掴みたがってるものを、何の躊躇いもなく抱きしめられるようにしておこう。

こんな感情が、今の環境を飛び出すという決断に繋がりました。

別れを迎えて知ったこと

この街を去ることを決めてから気づいた人生の豊かさの話。

引っ越すことが決まったのは2ヶ月半前。
その日から、あと何回この景色がみられるだろう、あと何回この人と会えるだろう、あと何回ここの場所に来れるだろう。
そんなことを至るところで思うようになった。

私にとっての“日常”は実は愛しいもので溢れていて、
人生で今しか味わえないことばかりだった。

でもそれは、節目もなくただ日常を過ごしていたらきっと気付けなかったのだと思う。

永遠に続かないからこそ、“今ここ”は美しく、
おわりを認識するからこそ本当の想いを見つけることができるのかもしれない

人生の豊かさとは、今を味わい続けること
そして手放した後も愛しい記憶を心に留めておくこと

そんな記憶が増えていくことだと思います

だから私は前に進み続けたい、

過去や今に満足していないからではなくて、
過去も今も全て抱きしめて愛して、
それでも不確かな未来を選択できる勇気を持ち続けたい

今はただそんな風におもいます。

今日一日を噛み締めて。

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