娘、生まれる

娘が生まれたのは冬の一番寒い時期。
臨月に入って産科の先生からオッケーが出てからは、毎日朝と夕方に2時間散歩に行っていつ生まれてもいいように心の準備をしていた。

雨の日も風の日も、大雪の日も雪まみれになりながらも、赤ちゃんに早く会いたい一心で歩きまくった。
でも、何の予兆もないまま予定日が過ぎ、入院して促進剤を使うことに。

もうその日に生まれるものかと思いきや、錠剤の促進剤は全く効かず、ただ美味しく入院食を食べて就寝。
次の日の内診でも子宮口は少ししか開いておらず、激痛と噂の内診グリグリをしてもらい病室へ帰ったけど、「なかなか生まれないのは私の力不足なのかも…私のせい…ごめん赤ちゃん…」と悲しくなり号泣。
あまりにも泣いていたので、内診グリグリが痛過ぎて泣いているんだと勘違いして心配した主治医の先生が駆けつけてくれて、"お母さんのせいじゃないし、赤ちゃんが元気いっぱいお腹の中を満喫してるだけだから全然心配しなくていい"と慰めてもらう。
(先生、あの時はお騒がせしました。笑)

そして子宮口を広げるためにバルーンを入れ、次の日の朝に点滴の促進剤をうつと一気にMAXの陣痛が始まり、「夕方には生まれるよ」と助産師さん。
立ち会い出産を希望していたので仕事中の旦那に急いで病院に向かってもらうよう連絡。
その間にも陣痛はぐんぐん進み、MAXの痛みの中、陣痛室のベッドから分娩台まで猛ダッシュ。
そして、陣痛開始から3時間(超スーパー安産)、旦那が病院に着いて5分後に元気に産声をあげて娘 誕生。

「やっと会えたね」
初めて娘にかけた言葉は、今まで生きてきた中で一番幸せで温かくて穏やかな気持ちが溢れた言葉だった。

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