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Perfume New Album『PLASMA』全曲感想。

「固体・液体・気体に次ぐ物質の第4の状態である」と言われている "PLASMA"。この第4形態に入ったPerfumeが、次々と形を不思議に変える音楽体験をお届けする本作をどうぞお楽しみに!

https://www.perfume-web.jp/news/detail.php?id=3810

そんな謳い文句を引っ提げて世に放たれたPerfumeのニューアルバム、「PLASMA」。
収録曲の感想を(メモ程度ですが)書いてみました。
アルバムリリース日は2022年7月27日。先月です。ここを起点に考えると、少し遅いタイミングでの投稿であることは否めないのですが、明日8月20日よりこのアルバムの全国ツアーが始まることを思うと、その直前という、ナイスなタイミングでの投稿じゃないかなと思います(自画自賛すな)。
ライブでの披露のされ方とかも、期待を交えつつ書いています。これを読んでくれた方が空想する光景と、少しでも通ずるものがあれば嬉しいです。

01.Plasma

本アルバムにて初収録。
インストのみの楽曲。聴きながら脳裏に浮かんだイメージは、「宇宙空間を航海していた宇宙船が、どこかに降り立つ瞬間」。荘厳さと同時に、これから何かが始まるというワクワク感もある。ライブのオープニングで使うことも意識して作られているように感じた。

02.Time Warp(v1.1)

シングル「Time Warp」収録曲。本アルバムにてリミックス版が収録。
最初聴いたときは(シングル収録Verとの違いがわからない…)というのが率直な感想だったが、何度か聴くうちに区別がつけられた。エレキギターみたいな音が強調されていることで、シングル収録Verよりメリハリがつき、聴きやすく感じる。
そして、本アルバムは全体的に暗めというか、「陰」のイメージが際立っていると感じているが、これは「陽」のイメージをもつ数少ない曲だと思う。ちなみに、個人的に思う「陽」イメージの楽曲は、これと”Flow”と”さよプラ”。

03.ポリゴンウェイヴ(Original Mix)

EP盤「ポリゴンウェイヴEP」収録曲。
何度かライブで観ていることなどもあり、その良さは言わずもがな、と思っているが、本アルバムで真新しさを感じたのは「曲順」。ライブの中盤~終盤で披露されて山場をつくっていたイメージが強かったので、序盤に聴くと「山場をつくる」というよりは、「山場に向けて勢いづけていく」曲のように思えて新鮮だった。
ライブでは、[polygon wave]2021,2022(以下、”[pw]2021”みたいに省略して記載)のときみたいにゴリゴリの演出を乗せてくるのか、Reframe2021のときみたいに、3人のそのままの良さを押し出したシンプル演出でくるのか…二者択一の未来に期待している。

04.再生

シングル「Time Warp」収録曲。
こちらも、既にライブなどでも何度も聴いている楽曲だが、改めて聴いて思い出すのは「P Cubed」ツアーのこと。2020年2月に開催された、全国4都市を巡るドームツアー。あれももう2年半ほど前なのか…。
本アルバムには、今年発表された楽曲も収録されているので、そんな遠い日々のこととつい最近のことを同時に思い出せる機会を、このアルバムが与えてくれているように感じた。それってなんだか貴重かも。

05.Spinning World

本アルバムにて初収録。
本アルバムのリード曲、かつ自分が一番気に入っている曲。若干スローテンポながらもどこかダンサブルで、"大人のPerfume"のカッコ良さが一層際立つ。これが公式に歌われていた「スムースでアーバンなエレクトロ・ポップ」というやつなのか…!?
音楽番組で披露されていたのを観たけど、あ~ちゃんがイントロでする、”マッドサイエンティスト”ばりの冷淡な表情が素敵。ライブモニターにアップで映されたら、凄く映えるんだろうな。あとは、楽曲自体がフェードアウトするように終わるので、先日のTikTokLIVEでやっていたように3人もステージ上からフェードアウトして、幕間の映像が入って後半戦突入…みたいな流れがライブではありそう。

06.マワルカガミ

シングル「Flow」収録曲。
何気に、シングル版から構成が変わっている。自分が気づけたのは一番の終わりのほうだけど、他にもあるのかな…。気づいた方教えてください。
[pw]2021で初披露されたときは、"幻の楽曲"のように特別扱いされていた印象があり、少し遠い存在に思えたが、ようやく馴染みある楽曲になった気がする。『PLASMA』のライブではどう披露されるのか?楽しみ。

07.Flow

シングル「Flow」収録曲。
本アルバム中では比較的「落ち着いた」楽曲であり、ここでいったんクールダウン。序盤から「盛り上がる」曲が続き、このままいくと舞い上がりすぎそうだっただけに有難い。『PLASMA』のライブでも、いったん会場をクールダウンさせる役割を担うのだろうか。直前の「マワルカガミ」との曲順が、シングルとは逆になっているのも個人的には面白いところ。

08.∞ループ

EP盤「ポリゴンウェイヴEP」収録曲。
こちらのEP盤が非常にコンセプチュアルな1枚であり、1曲1曲の世界観などもしっかり構築されていたこともあり、“本アルバムの楽曲として”改めて聴くと、その世界観やカッコ良さをより一層強く感じられる。温かみのあるようで、どこか冷たく無機質なカッコ良さ。
姉妹曲(と、個人的には思っている)「アンドロイド&」は[pw]2022にて先行披露。『PLASMA』ツアーではどちらとも披露されて、相乗効果でその世界観を十二分に感じられることを期待している。

09.Drive’n The Rain

本アルバムにて初収録。
雨といっても、ザーザー嵐のように打ち付けるような雨ではなく、しとしとと静かに降り注ぐような雨をイメージしてつくられた楽曲だと感じる。"大人のPerfume"の気品感じる一曲。「ポリゴンウェイヴ」のMVで車に乗っていた3人の映像に雨を降らせたら、まんまこの曲のMVになるのでは?と空想してみる。
そして…個人的には、CAPSULEの楽曲のようにも感じられた。いつかこしこ姉さんにも歌ってほしい。カバーお待ちしております。

10.ハテナビト

本アルバムにて初収録。
歌詞のほとんどが5文字刻みになっていることで、抑揚やリズムが耳に残りやすく感じる。一番の終わりに聴こえる音が、capsule(小文字時代)の曲を想わせるが…曲名が出てこない……。
個人的には、ラストもうひと展開あっても全然飽きずに聴けるな、と感じた。ライブ用に楽曲を伸ばしたり縮めたりすることはよくあるので、この楽曲も『PLASMA』ツアーではもうひとアレンジ加えたり…しないかな?

11.アンドロイド&

EP盤「ポリゴンウェイヴEP」収録曲。
[pw]2022で披露されたことなどもあり、個人的には本アルバムの楽曲では"馴染みのあるほう"に分類される。終盤にアルバム曲が続いた後で聴くと"実家のような安心感"がある。過去のアルバム「⊿」でも、アルバム曲が続いた後に『ワンルーム・ディスコ』が流れてきて、なんか安心したことを思い出した。

12.さよならプラスティックワールド

本アルバムにて初収録。NHK「みんなのうた」2022年4月,5月の放送曲。
歌詞のメッセージ性は本アルバムの楽曲中随一だと感じる。SNS・ストリーミングサイトの普及や、テクノロジーの発展とともに成長してきた3人が、そんな社会に対して”ここから逃げたい”なんて歌っちゃうのは、ちょっと皮肉も効いているように感じられる。お子様向けにつくられた楽曲とはいえ、本アルバムにも十分馴染んでいるあたり、絶妙なバランスでつくられている楽曲だと実感する。

全体を通して…

楽曲の感想の中でも幾度か出したキーワード「大人のPerfume」「暗め『陰』のイメージが際立つ」がアルバム全体を通しても言えることかなと思います。
あとは、アルバム初収録の楽曲が比較的少ないこともあってか、全体的に調和の取れたアルバム、というよりは、楽曲ひとつひとつの個性が際立っているアルバムなのかなと。

『PLASMA』ライブを観た後には、すべての楽曲に対するイメージなどがまた変わるんだと思います。自分がここに書いたイメージや感想がどう書き換えられてしまうのか。明日からが楽しみです。

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