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CODE OF PERFUME 感想。~新曲披露と「MY COLOR」が与える多幸感~

去る6月3日20時、Perfumeの単独公演「CODE OF PERFUME」が開催されました。

ただ、この“6月3日20時”というのは、日本時間ではなくてロンドンの時間です。
2019年のFuture Popを引っ提げてのWORLD TOUR & Coachella以来4年越しに、ついにPerfumeさんも海外にてそのパフォーマンスをお披露目するタイミングがやってきました。

自分は今回、国内に残って健闘を祈る立場だったのですが、国内でもライブビューイングを開催するとのことで行ってきました。ロンドンでの6月3日20時は、日本でいうところの6月4日朝4時です。
めちゃくちゃ早いですよね…。前日も別アーティストのライブに行っていたので、行く予定の映画館の最寄り駅まで終電で向かい、会場近くのネットカフェで朝がくるのを待ちました。
仮眠しようと思いましたが、ライビュへのワクワク感と寝坊を恐れる気持ちと、もうこの歳じゃネカフェのフラットシートで寝るのキツイわぁという身狭さとが入り混じる何とも言えぬ感情に苛まれ、結局一睡もできませんでした。
そんな中、朝4時近くになり映画館に向かうと、自分と同じような人が大勢集結していました。なんだか、ライブ会場さながらの雰囲気が漂っていて非日常感がありました。

時間がくるとロードショー。…ではなく、ライブ開始。
セットリストはこんな感じでした↓

FLASH
エレクトロ・ワールド
レーザービーム
ポリリズム
~MC~
∞ループ
Spinning World
アンドロイド&
FUSION
edge
Perfumeの掟
ポリゴンウェイヴ
無限未来
ラヴ・クラウド ※新曲
FAKE IT
チョコレイト・ディスコ
~MC~
MY COLOR

会場ごとに鑑賞スタイル(立って応援する or 座ってじっと観る etc…)も様々だったようですが、自分が行った劇場では、ほぼ全員が立ち上がって観ていた記憶があります。

以下、雑多ではありますが感想をぼつぼつと。
まず、全体を通して思ったのが、“ここ数年、国内で行ってきたライブの集大成のようだった”ということです。
披露している楽曲も、過去の楽曲を満遍なく…というよりも、直近の「polygon wave」「PLASMA」ツアーで披露してきた楽曲を中心に据えているように感じました。そして、それらの楽曲たちを、当時の演出に沿って披露している。特に、「∞ループ」→「Spinning World」→「アンドロイド&」のところは、再び「PLASMA」ツアーを観に来た心地がしました。
衣装のほうも、「polygon wave」ライブで「マワルカガミ」を初披露した際の銀衣装や(そういえば、当時この楽曲はまだ曲名が判明していなくて「ミラーボール(仮)」なんて呼ばれていたな…。)、「Reframe2021」の衣装なども登場して、やはり直近のライブに忠実だと感じました。
ただ、こうしたライブを海外のファンの方々が観られる機会がしばらく無かったことも事実だと思いました。ずっとコロナなどによる規制が強くて、日本に来ることもなかなかできなかったと思うから。海外の方々にとっての、ここ3年ほどの空白を埋めたい、国内の我々と同じものを観てほしい、といった心意気を感じました。
一方で、MCは国内でのライブの時より短めで、さっぱりしていた印象。だから、歌い踊らず休憩できる時間が短くて、国内でのライブよりも体力的にきつかったのかなと思いました。
自分がそう感じたのは、「FUSION」のときでした。3人一列で並ぶ箇所で、先頭に並ぶのっちの表情がアップで映し出されたのですが、すごく表情が硬いように見えて、額に汗も滲んでいて。
笑顔で楽しそうに歌い踊っていた楽曲もあったのですが、やっぱりすごく緊張しているんだと伝わってきました。思うように言葉が通じなかったり、日本とは文化などが異なる海外での生活に疲れも感じたりする中でのライブですもんね…。今更かもしれないですが、本当にお疲れ様でした&素敵なパフォーマンスを届けてくれて有難うございました。

あとなんと言っても欠かせないのが、新曲披露!
ライビュで観ていた時に曲名を叫んだのは聞き取れたのですが、頭の中では『らぶくらうど?Love “Cloud(雲)”と“Crowd(混雑)”のどっちだろう』ってな感じで。でもナタリーさんから出た記事には「ラヴ・クラウド」と書かれていたので、きっとこれが正式名称なのでしょう。

個人的に、今回の新曲は…とても好きな感じです!!
ハウスミュージックっていうんですかね、こういうの。音色はなんだか懐かしいけど、ちゃんと“大人のPerfume”の魅力に沿った楽曲のように感じました。そんな中でも、3人が手首をすりすりする振り付け(たぶん、香水をつける動きかな?)があって、チャーミングな可愛らしさも表現されている。同様に、ラストのサビ前に「ここは私が歌うのよー!」と言わんばかりにステージ前方に飛び出てくるあ~ちゃんも非常にチャーミング。個人的に好きなところをまんまとおさえられちゃったな~、なんて思いました(笑)
そして、すごく踊れるけど、「Party Maker」や「FAKE IT」みたいな序盤から高温で攻めにくる盛り上げ曲とはちょっと違って、低温で内からじっくり温めにくる感じ。最初は軽い調子で音に乗りながら聴いていたけど、知らぬ間にテンションが上がっていて身振りも大きくなっていた…。なんかそんな楽しみ方ができる楽曲だと思いました。
これ…本当に現地で聴きたかったですね。というか、現地で初披露に立ち会えたファンの方々が羨ましすぎます(笑)きっとすごい熱狂に包まれたんだろうな~。

余談ですが、歌詞の中に「ラヴ・クラウド」を直訳したであろう「恋雲」というワードが入っているのですが、“君たちネット民はきっとこう略すんでしょ”という、ヤスタカさんからのメッセージにも思えますね。実際、そう略している方結構多い気がするし。なんだか手の内を読まれたような気がして好きです。
ちなみに、個人的には“ラブクラ”と略す派閥です(そんな派閥あるんかいな)。

あと、特筆したいのは、最後の曲が「MY COLOR」だったこと。
これは自分だけなのかもしれませんが、「MY COLOR」で終わるライブを観れたときって“特別なライブに来れた!”って気持ちがすごく強まるんですよね。観終わった後に心が温まるというか、“多幸感”を覚えるというか。
きっと、「せーの!」の掛け声とともに観客全員が片手を挙げて、「外内外外」といった手の振り付けをみんな一緒にやる一体感に感動するからだと思います。今回、海外でのライブで観て特にそう感じました。言葉が通じなくても音楽やボディランゲージによって意思疎通できるって、すごく特別な経験だと思います。
個人的には、この楽曲が収録されたアルバム「JPN」を引っ提げてのツアーが初めて行ったPerfumeのライブだったので、その頃の思い出も蘇りました。
また、「MY COLOR」が終わった後、あ〜ちゃんはすごい笑顔で、かしゆかは全てやり切って穏やかな表情をしていたのですが、のっちは目を見開いて会場を見渡していたのが印象的でした。なんだか、今にも泣き出しそうに見えて。
個人的には、こういう場で一番泣かない人だという印象を勝手ながら持っていたのですが、そんな人が泣きそうなほど心を打たれている様子がとても心に残りました。

そんなこんなで、終演後は久々に“余韻にぶちのめされる”感覚を味わいました。
眠い目をこすって帰宅して、もうとっくに夜も明けているけど仮眠しようと思って床についたのですが、色んなことがフラッシュバックしてなかなか寝付けない。そして、ライビュ前日に行っていた他アーティストのライブのことも思い出していました。
2つのライブに行って、パフォーマンスの素晴らしさは勿論、大勢の人と同じものを観ることでエネルギーを感じられたり、久しぶりに会えた友人がいたり…。得られた楽しさやエネルギーは2倍だったけど、終わった後の喪失感や寂しさも2倍になったと感じました。
だから、さらに楽しいことをドープして喪失感や寂しさを紛らわせたい気持ちもありました。友人と飲みに行くとか、そんな些細なことでもよかったです。
ただ、今はこの気持ちに一人で向き合う時間だと言い聞かせて、ひとり余韻が過ぎ去るのを待ちました。

だから、自分が翌日、当初は計画していなかったのにディレイビューイングを急遽観に行ったのは、そのときの余韻が再び波を打ったからだと思っています(笑)
仕事終わりに急いで行ったので、前半30分程観られなかったのですが…。特に観たいと思っていた新曲「ラヴ・クラウド」と、「MY COLOR」終わりの3人の表情をよく観てきました。
やっぱり、こうやってライブが終演後すぐに繰り返し観られるのは良いですね。個人的には、円盤で手元に置いておけるとさらに嬉しいので、パッケージ化待っております。

最後に…。
繰り返しになってしまいますが、前後の「Primavera Sounds」とあわせて2週間近く、チームPerfumeの皆様海外での公演お疲れ様でした。
日本と現地との2か所で盛り上がっている感じが凄く楽しかったし、しばらく海外に活躍の場を持っていけないご時世が続いたと思うのですが、言うなればここからの“反撃”開始を感じられて、これからのこともすごく楽しみになりました。
まずは、今後の夏フェスラッシュとファンクラブトゥワーを楽しんでからだろ、と突っ込まれそうですが…。マディソン・スクエア・ガーデンにPerfumeが立つ時は、自分も現地参戦したいなと思っています。海外渡航の経験が無いとか、そんな言い訳全部取っ払って。多分、自分が抱いている最後の夢なんじゃないかなと思っています。

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