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人前で大喜利してみて感じた、「度胸」と「頭の使い方」の話。

もう先月の話になってしまったけど……
なぜだか、思いつきで大喜利をやってみることにしました。

きっかけは、とある日の寝る前。
Twitterのタイムラインをしゃしゃしゃしゃーとスワイプしていると、「大喜利の練習会やります!」という旨のツイートが目に留まりました。
併せて載っていたツイプラのリンク先の内容を見てみると、その週の末日に某所で開催されるとのこと。
人前で大喜利をやろう!という趣旨に、人見知りがゆえに思わず尻込みしました。しかし、ゲストとして来られる方々が、自分が好きでよく観ているYouTubeの大喜利チャンネルで活躍されてる方たちばかりで、なんか有名人に会えるー!ってなミーハーなノリで、次の瞬間には参加を決めてました。
そのツイート自体、推し活で知り合ったFFさんたちで固められた自分のタイムラインに流れてくるには珍しかったのですが、先述の大喜利チャンネルに出演されている方々も数名フォローしており、その方のリツイートで回ってきて見ることができました。

練習会当日。
会場に着いて、受付を済ませて着席。
自分の名前が仰々しく書かれた名札まで貰ってしまい、本格的なイベントだな…と感じました。
周りを見てみると、なんというか…すげー独特な雰囲気が流れてる!(語彙力)
知り合い同士で来ているんだろうなと思う人たち以外はみな無言で、さらにマスク着用のお達しもあいまって、皆さんの表情が読めませんでした。
時間がくると、主催の方が進行し始めました。ゲストの方から野次がとぶ場面もあり、場の空気が和んだのを感じました。
最初はエキシビションマッチということで、ゲストの方々による大喜利大会。
確か2つほどお題が出ました。次々と飛び出す回答がどれも面白くて、普段自分が見ている大喜利チャンネルの公開収録に来たのかな?と、ふと錯覚するほどでした。

しかし、そんな呑気な気分も一変。
エキシビジョンマッチ終了後はさっそく、実際に我々が大喜利をしてみるコーナーへと移りました。
最初は、チーム戦。ざっくり言うと、6人×5グループぐらいに分かれて、さらに1グループを3人vs3人に分けて、双方で競います。
自分は第2グループ目。結構最初のほうでしたが、第1グループの人たちの応戦を見つつ、お題に対してどんな考え方をするのか探ってみることにしました。
結果、なにもわからぬまま笑、あれよあれよという間に自分たちの番がきて、回答者席につきました。
観客側にいる他の方々の視線を感じます。緊張してきた…。
自分が人見知りであがり症であることを、すっかり忘れていました。

出されるお題は全部で1グループあたり2つ。
最初のお題が出ました。
うわー、なんて回答しよう。どういう切り口で考えようかな…。
全然回答が出てこずまごまごしていると、周りの人たちが回答を出し始めました。
みんな面白かったです。拍手笑いをとっている人も多く、そのたびに自分は回答を書く手も考える頭も止めてしまっていました。

なんで皆さんこんなに面白いこと思いつけるんだろう。
そっちの方面に寄せた回答のほうがいいのかな…?
けどその引き出し自分持ってないんだよな…乗り切れない。

わたしのあたまのなか

こんなふうにあれこれ悩んで右往左往してしまって、1問目は結局自分だけ回答を出せずに終わりました。
2問目では、かろうじてひとつ回答を出せました。
ただ、自分でも何が面白いのか全く分からず。回答者席に居るときは終始緊張して、観客席の様子がほとんど分からなかったのですが、それでもこの回答は全くウケていないとわかりました。
2つ目3つ目への回答に繋げられぬままこのお題も終了。

巨大な黒船の特攻に、爪楊枝1本しか持たずに立ち向かおうとしている。
1つ目のコーナー終了時点で、率直に言うとそんな感覚を覚えました。

次のコーナーは、先ほどと同じように分けたグループ単位でのチーム戦。
6人1組の5グループの中で、一番面白かった1グループを決めるといった内容です。
回答者席にいる人たちはみんな味方だと思うと、先ほどのコーナーよりは気持ちが楽でした。
ここでも2問、お題に答えました。
自分なりにあれこれ考えてみるけど、全く違う角度からの回答がどんどん出てきてウケていくから圧倒されたし、自分の軸も何度もぶれて流されそうになりました。
このあたりから、この場での「ウケる」とは「笑いが取れる」ことよりも、「自分の存在や発想、言葉が受け入れられる」ことのほうが先にあるんじゃないかと思い始めていました。
自分という存在がここにいる人たちに受け入れられていると感じられて初めて、笑いに繋がることを言える下地が整う。漫才での「ツカミ」と同じですね。
そして、「ツカミ」にいくにも何かしら笑えることというか、フックのあることを言わないといけない。
その最初の度胸が大切なんだとわかりました。

そう考えると、最初のコーナーでほとんど回答を出さなかったことが逆効果だったことにも改めて気づきました。
何も言わない人がただウンウン言いながら座っているだけで、どんな人か分からない。その時間が増えるほど回答も出しづらくなるし、思考も滞る負のループに嵌っていました。
なんかもう、笑ってもらえても白けてもどっちでもいいから、思いついたこと言ってみよう。なんといってもこれが初大喜利やし!!
そんな風に吹っ切れかけつつ、いくつか回答を出してこのコーナーが終わりました。
お題終了ごとに、審査をしていたゲストの方々が面白いと感じた回答を挙げて、それに応じてグループごとの点数をつけていきます。
他の人と比べて、自分の出した回答で選ばれているものが少ないことは感じていましたが、とあるゲストの方が自分の回答を挙げてくれて、それが自信に繋がりました。

最後は個人戦。
まず6人1グループで対戦し、各グループの代表を1名ずつ選出。
その後、代表同士が対戦して一番面白かった一人を決めるルールでした。
自分と同じグループには、これまで見てきた中でウケていた人たちも多く、思わず萎縮しましたが、ひとつ前のコーナーで吹っ切れかけた気持ちを絶やさずにやっていこうと構えていました。

このコーナーでも出されるお題は合計2つ。
最初のお題が出ました。パッと見た瞬間、ひとつ回答が浮かびました。
けどめっちゃ下らない。こんなん面白いのか?出したとてウケるのか?と自問自答しました。
ただ、何でもいいから、とりあえず回答を出してみることが肝心だと、ここまでやってきた中で感じつつありました。

ひとまず、フリップボードに回答を書いて挙手。
当ててもらえたので回答しました。

あっ、もしかしたら結構ウケてるかも。
自分で自分の回答を「ウケてる」なんて言うのも野暮ですが、この日一番の手応えを感じました。

その後も、もう1つのお題含めてあれこれ回答を出してみました。
結局、さっきの回答はビギナーズラックだったのかもしれないと自分でも思えてしまうほど、さらにウケる回答は出せませんでしたが、最後の最後で『もしかしたら大喜利って楽しいかも』と思えました。

会が終わった後は、打ち上げと称しての飲み会。
主催陣の方々含め、色んな方とお話しさせてもらいました。

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翌日。
自宅にて、家事やnote更新を進めつつ、今日一日こんな過ごし方で終わってええんか、早めに次のアクションに繋げたほうがええんとちゃうんか、そこに愛はあるんか、と自分の脳内にいる大地真央さんに問われ続けていました。
ここで"終わらせたくない"というよりは、"終われない"。終わることができない。
練習会に参加して、最終的にはプラスの感情も抱いて終われたものの、色々と課題や悔しさを感じたのもまた事実でした。

結果、打ち上げ時の飲み会で話に出ていて存在を知った「ボケルバ」という、大喜利ができるカフェに行ってみることに。
昼の部/夜の部があり、自分は夜の部にお邪魔しました。
日によってもスタイルが違うかもしれないのですが、その日は来ている人全員が回答者で、輪になって向かい合いつつ回答を出し合うスタイルで進行していました。
それが自分にとって安心感に繋がったからなのか、どのお題でも、思いついた回答をするする出せました。

あとは、もう一つ理由があって。
ボケルバの予約をとるときに見ていたツイプラのページに書いてあった、下記の文言も背中を押してくれました。

そもそも大喜利には正解がありません。
つまり不正解もミスもないわけです。
物事に対する見方は人それぞれですので、自分の回答が「お~なるほど!」なんて意外な反応が生まれたり、他の人の回答から刺激をうけて新たな発見が生まれることもたくさんあります。
そこに笑いが生まれればラッキー!そんな気軽な気持ちでいいんです。

ボケルバ ツイプラページより

そして、実際にここ2日間を振り返って
大喜利って、「笑えることを言う場」よりも「自分の物の見方・考え方を共有する場」という側面のほうが強いのではと感じました。
あるお題や写真に対して、「笑いを取ろう」と思うと、つい身構えてしまう、お笑いやっていない自分になんてできるのか…?と考え込んでしまう。
ただ、「自分なりの発想で考えた・感じたことを言おう」と思えば、何かしらは言えそうな気がしてきます。
今回、実際に人前で大喜利をしてみて「こういう見方もあるよね」「こうとも考えられるよね」みたいに、もっと自由に発想を出し合える場だと思っていいのだと感じられて、大いに良かったです。

普段の仕事だと、理論に沿った考え方をしたり、エビデンスをしっかり用意したり…。とかく、1から着実に物事を考えていくことが求められますが、大喜利はそれとはまた違った頭の使い方が求められている気がします。
なんてったって正解が無いから。

普段の仕事をこなしているだけではできない頭の使い方ができる場所。
もしかすると見つけられたのかも。
そんなことを感じつつあるので、今後さらに精進します。

追伸
大喜利というと、自分は昔やっていた「内村プロデュース」の大喜利企画が好きでした。
中でも、さまぁ~ずお二人のシュールかつ爆発力のある回答が好きだったので、そんなスタイルを目指したいとも内心思っていましたが
実際にやってみて、TIMのゴルゴさんみたいに直感的にひらめいたことを言ったり、お題の一番最初に切り込んだりするスタイルのほうが合っているのかもしれないと感じました笑

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