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【ネタバレ注意】L’Arc~en~Ciel 30th L’Anniversary Starting Live “L’APPY BIRTHDAY!”感想。

5/29(土)~30(日)、幕張メッセ国際展示場1-3ホールで開催された
「L’Arc~en~Ciel 30th L’Anniversary Starting Live“L’APPY BIRTHDAY!”」に行ってきました。

日本を代表するロックバンド、「L’Arc~en~Ciel」の結成30周年を記念してのライブ。
これまでも15周年、20周年、25周年といった節目で開催され、ファンの間では「ラニバ」の愛称で親しまれています。

自分が行ってきたのは初日、5/29(土)。
こうして有観客のライブに行くことも、感想を書くことも久々で
どんな風に書き出してったけなぁとか、感覚を思い出しながらの書き出しですが。
目次のつけられる『note』らしく、いくつかのテーマに区切って書いてみようかなと思います。


①セットリストについて


詳細なセットリストは…公式から発表されるまで、ここで開示するのは伏せておこうかなと思います。

そんな中での感想ですが、今回は特に
曲順に込められた意味や思い、メッセージ性が強いなと感じました。

・こんなご時世に対する、やり場のない悲しみや怒り
・そんな中でも、希望を持って生きていきたい気持ち

に重なる曲が多いなと思いました。

個人的に特に好きだったのは、「EVERLASTING」から「My heart draws a dream」の流れ。
「EVERLASTING」のラストで振り出した『止まない雨』。
雨が強くなり横殴りになる。果てには落雷の音まで聞こえてくる。
そんな悪天の中、ひとりギターを弾き始めるkenさん。
「My heart~」のイントロ、音色が転調するあたりから雨がやみ、やがて空は晴れ渡る―。
その光景は、曲中の『太陽を雲の先に感じる』という歌詞にも繋がっていく。

前者の曲を「こんなご時世での人々の悲しみ」
後者の曲を「そんな中でも夢を描きながら生きる人たちの気持ち」に
重ね合わせながら聴いていました。


アンコールは、tetsuya曲大炸裂!でしたね。
「あなた」「Dune」「GOOD LUCK MY WAY」の布陣…。
tetsuyaさん作曲は明るい雰囲気の楽曲が多いので、このライブに込められていた(であろう)「未来への希望」に重なり合う曲が多かった、ということでしょうか。
そして、ラニバ前日にYouTubeでプレミアム公開された新曲「ミライ」も披露!
「みんなのことを思い浮かべながら作ったんだよ。」とはhydeさん談。


②メンバーについて


hyde→若かりし頃のV系テイストな衣装で登場。
20th、25thラニバの時と比べると、だいぶ幼い印象を受けました。
10歳もお年を召してるのに、むしろ「若返った?」と思わせるのはほんとに何なんだ…。
最初のMC、「お待たせしました。会いたかった?俺も会いたかったぁ…」と絞り出すような声で言っていて、本当にそんな気持ちで溢れているのが伝わってきました。
歌声のほうは、前半少し苦しそうだったかな?と感じられたけど、徐々に調子を上げてくれてたかな。

あと、今回は声出しができない制約があったので、カメラに向けてのパフォーマンスも、なんだかちょっと過激に見えました。黄色い歓声を上げたかったけど…なんとももどかしい。

tetsuya→20thラニバのhydeさんを思わせる衣装。
ナポリオンジャケット、って言うんですね。
ラルクのリーダーでもあるtetsuyaさん、いつもステージ全体を冷静によく見渡しているのが凄いなと思っていて、今回もhydeさんが動き回るのにあわせて、誰も居ない場所に移動してバランスをとっているなと感じることが何度もありました。
演奏中のhydeさんとの絡みも、いつにもまして多かった気がします。演奏してるところを肩組まれたりとか。
個人的に印象的なのは、アンコールの「Dune」で、hydeさんの合図を受けて『月に照らされ~』の一瞬のタメのところでターンを決めていたところ。
あんな一瞬の合図でも、意図を汲み取って合わせにいけるのがやっぱり、30年も一緒にやってきている所以なのかなと思いました。
今回、MCおよびエンディングでのバナナ投げは無し。

ken→黒シャツに黒ジャケット、黒縁眼鏡という出で立ち。
kenちゃんといえばやっぱり、美味しそうに煙草を吸いつつの、下ネタ全開のMC。
いつもなら客席から笑い声が聞こえてくるのですが、声援が送れないとこからそれもなく。
ただ、いつも相槌を打つ役のhydeさんが「(観客の笑い声がなくて)やりづらいと思いますけど、今めちゃめちゃ(客席)盛り上がってますよ」と一言。
実際自分も、マスクの下で笑いをこらえるのに苦労していました。
どこか博識さを感じさせ、誰もあまり思いつかない新鮮な切り口での話が多いあたりが、下品になり過ぎずに笑える所以なのかなと思いました。

yukihiro→白いヒラヒラの下に黒チョッキ?
寡黙ながらも冷静に、正確にリズムを打ち込んでいく姿は今回も健在でした。
自分が行った29日は、MCの時に喋ったりはしていなかったのですが、30日は結構喋っていたみたいで。
ゴールデンキウイが好きとのこと。
喋っている姿や、あとドラムソロをやっているところが見たかったな…というのはちょっと欲張りでしょうか。


③感染対策について


今回のライブ開催に際し、様々な感染対策が施されていました。

・客席は1席ずつ間隔が空いている
・入場時にスタッフさんが手指をアルコール消毒してくれる
・ブロックごとに入場時間を細かく指定(15分刻み)
・物販はネット通販のみ、開場受け取りも時間を細かく指定(15分刻み)
・写真撮影スポット(看板、垂れ幕など)はほとんど無し

中でも、「ブロックごとに入場時間を細かく指定(15分刻み)」は結構効いていたのかなと思います。
それを感じたのは、入場時間まで、近くのイオンモールのフードコートで時間をつぶしていたときのこと。
フードコートに向かうと、自分と同じことを考えていそうな、自分と同じような格好の人たちが既にちらほらといました。

座席をとり、フードコートでしばらく過ごしてみて気づく。
同じ席に長く留まっている人がいない…。
周りの人たちがどんどん入れ替わっていくのです。

いつもなら、こういう場所って
時間つぶしのために長居する人たちで、ずっと混みあっているんです。
だけど、人によって入場のタイミングを細かく指定されているのでそれもない。
時間がきたら、その場を去って会場に戻らないといけないので、常に入れ替わりが生じている。
ライブ会場周りの施設でも「密を避ける」効果があったんだなと感じました。

そして、ライブ中の感染対策。
既に書いていますが、「ライブ中はマスク着用」、かつ「声出し禁止」でした。
メンバーが登場した際の黄色い声援も、ライブ中に観客が歌うパートも無くなる。
ライブ前はそんなことを思っており、実際前者に関してはそうでした。

そして、後者に関してですが。
「歌いたくなったときはハミングにしましょう」とhydeさんが提案。
「口を閉じて歌うんだよ。学校で習った?」と優しい口調で問いかけてくるその姿が、もはや学校の先生っぽかったです。

そして、ハミングで歌ったのは「My heart draws a dream」。
ラスサビ前の『夢を描くよ』というフレーズを、いつもは観客が歌っており、そこをハミングで歌うことに。
やっぱりいつもの歌声に比べると声量が少ない。
それでも、一人ひとりの声が合わさって大きな「声」になって、ステージ上の4人に届いていく感じ…とても感動しました。
制約がある中でも気持ちを伝える術はあるんだなと。
どうか、4人にも何かしら自分の気持ちが届いていたらいいなと思いました。

同様に、観客が歌うパートがある「Driver‘s High」。
ラスサビ前の『もう数えるくらいで~』は観客が歌うパートです。
ここもハミングで歌うのかな?と思いながら聴いていると、直前で

「幕張!俺にまかせろ!!」

と、少年漫画ばりの啖呵を切って歌い上げるhydeさん。
観客の「代わりに」歌う、という、あくまでこちら側に視点のある呼びかけ。
ここも凄く泣けた場面でした。

「声出し禁止」の制約は大きかったですが、だからこそ「この状況だからこそ感じられるもの」も大きかったと思うし、そうやって前向きに捉えられる形になって良かったなと思いました。


④最後に


昨年開催されたライブツアー「MMXX」が、ラスト4公演を残して中断…という憂き目を見た後での開催。
自分としても、あれ以降初めてのライブだったのですが、それがL’Arc~en~Cielのライブで良かったです。

そして、今回このライブに行くにあたり、事前に気持ちを作っておこうと思い
前日に「20th L’Anniversary」のライブ映像を観ました。
今からちょうど10年前、2011年の5/28(土)~29(日)に開催。
これが、自分が初めて観たラルクのライブでした。

当時は、自分が大学進学に伴い上京した年であり、まさに転換期。
加えて、東日本大震災の直後で、まだまだ世の中が不安定だった頃。
現在から当時までの記憶を辿ってみて、本当に色んな出来事があったし、色んな人との出会いや別れもあったし。
10年って、やっぱり長かったな…と思いました。

そこからさらに過去を辿って、じゃあL’Arc~en~Cielが結成されてからの「30年」という月日は、どれほどのものだったのだろうと考えてみました。
同じ人たちが、同じことに向けて、そんなにも長い期間活動を続けていく…
自分には分からないな、と思いました。
順風満帆に見えるアーティストでも、30年と経たずに辞めてしまった人たちはたくさんいるし
自分自身、まだ30年も生きていない中でも途絶えてしまった人との繋がりがあるから。

今回、開演前
会場内のスクリーンで #ラルクハピバ のハッシュタグがついたツイートが流れている時間がありました。
それをぼんやりと眺めていたのですが
「ラルクを知った当時の彼氏と結婚して、今日が夫婦揃っての初ライブです!」
「○○ライブの頃は学生だった私も、今となっては一児の親です」
「親の影響で幼い頃から聴いていたラルクのライブに、今日初めて来れたことが幸せです」
みたいな、誰かの人生の移り変わりを感じる内容が多かったです。

改めて、30年という月日は
誰かの人生をこんなにも変えていく長さなのだと思いました。

そんな長いこと、ずっと変わらず同じメンバーで活動し続けてこられたことは決して当たり前ではないなと思いました。
そして、そんなメンバーに会えることも。
このご時世で、ライブやイベントが当たり前のようにできなくなったことからも、そう感じています。
こうした一回一回の機会を大事にしていきたい、と改めて思いました。

また日常が戻ってきた頃に、今回届けられなかった「声」を届けられたらな、と思っています。


改めてですが、30周年本当におめでとうございます!!
L’APPY BIRTHDAY!!

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