私の個人主義 : ほか / 夏目漱石著

(2018-01-05 Soka Book Waveより)

本書は、夏目漱石の講演集である。彼はさまざまな場所で、彼の持論を人に伝えてきた。

私が本書中の「道楽と職業」の章に一番興味を注がれたのは、彼の言う「職業」の意義が感慨深かったからだ。彼は、社会に出て人のために精を出すことは、最終的に偶然自分のためにもなりうる、という。

しかし、人のため、という言葉にも留意しなければいけない。

見返りを求めた言動を他人に押し付けるようであっては、他人からの信頼、信用が薄れ自分自信をかえって窮屈なものにしてしまう。

人間にはあらゆる欲が備わっているので、自尊心を投げ捨て、人が人のために尽くすことは、本当に難しいと思った。漱石の言葉が、力説で面白かった。

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