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【味菜便り】約半年ぶりのお肉です、お待ちいただきありがとうございました!

こんにちは。
放牧豚の味菜自然村 村長の林拓生です。
半年ぶりにお肉をご購入いただける準備が整いましたので味菜便り書きました。

※味菜便りとは
最近、味菜自然村に起こったことや、感じたこと、子供のことなど、
味菜自然豚共同購入の個人会員さん(無料会員登録はこちら)へ向けて綴るお便りです。

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味菜便り                            
2024年6月19日

みなさん、大変長らくお待たせしてしまい、
本当に申し訳ございませんでした。

ようやく豚ちゃん達がそこそこの大きさまで育ってくれて
出荷できるようになりました。
常時80~90頭くらいいた豚が、一番少ない時で40頭くらいまでになってしまい、精神的に辛い期間でした。
今は70頭ほどまで回復し、今年中にはしっかりとした頭数まで戻せそうです。今回のことは私にとって、とても勉強になった期間でしたが、
同時に、
こんなにも長い間、お肉をお待たせしたにもかかわらず、
クレームは1件も入らないどころか、
心配していただいたり、応援していただいたりの声をいただきながら、
待っていてくださる会員の皆様がいてくださること、
その繋がりに心から有難く感謝した期間でもありました。
皆様、いつも、本当にありがとうございます。

この冬は暖冬(外での作業はやはり寒かったです。)で、
春も雨が多かったり、暑い日が来たと思ったら、急に寒い日がきたり、
豚さんたちも体調を崩した子が多かったですが、
それ以上に作物に大きな影響があったんだと思います。
数年前、近くに住んでいる若者が私のところでアルバイトをしながら野菜やハーブやイチゴ作りを頑張っていました。ここ数年は野菜を辞めていちごを本格的に育てていました。無農薬の路地いちごです。凄くまじめで夜中にせっせとナメクジやかたつむりを駆除しています。一晩でペットボトル数本分のナメクジが取れたりするそうです。そんな努力もあり、ここ2、3年はかなり上手に育てていたみたいで、時々会って話をすると順調にいっていることが嬉しそうでした。
そんな彼が今年の春のいちごの出来が最悪で、もう一度アルバイトさせてもらえませんかと相談がありました。うちもきつい状況ではありますが、可愛がっている一人ですし、農業というのは困った時はお互い様だから、何とか力になりたいと一日2時間だけ来てもらうことにしました。
作業をしながら話を聞くと、
正義感が強いので、たくさんの注文が来ているけど、全然送れないことに夜も眠れないくらいに精神的にきていたそうです。
私はありがたいことに妻がいますし、子供達の笑顔を見て、この辛い期間を乗り越えることができましたが、彼は一人だから話し相手もいないしで、辛かったと思います。現在は彼自身も、いちごも調子を取り戻しつつあるみたいで、私もなんだかホッとしました。お互いに助け合える仲間が近くにいるのはありがたいことですね。

次の話は少し悪い話です。昨年、佐賀県唐津市で九州初の豚熱が確認され、
数万頭が殺処分されました。その後、埋却地の壁面から血が流出しているのが確認され、溜めマスを設置し、処理をしていましたが、大雨で流されてしまうというとんでもないことが起こっていました。そして危惧していたことが現実になったのです。なんと野生のイノシシへの感染が確認されたのです。つまり封じ込めに失敗したということになります。消石灰を大量に散布し、数万頭を埋却し、どれだけ自然にダメージを与えたんでしょうね。
本当に正しいことなのか疑問が残ります。

もちろん、日本の養豚を守るために必要なのは頭では理解しますが、
自然を守りながら養豚を頑張っている私の感情的には…。

関東の方で、ある養豚農家が数年前に2万頭殺処分され、ゼロの状態からもう一度養豚を始めて1万数千頭まで回復したのに、また先日全頭殺処分されるということが起こりました。
こんなことされちゃうと、もう養豚で頑張ろうとは思えなくなるかもですよね。ワクチン接種を始めたのだから、殺処分は見直すべきだと思います。何のためにワクチンを打っているのか。これからの日本の養豚はどうなるのでしょうか。放牧養豚もどんどん厳しくなっていくのかもしれません。
日本が決める衛生管理基準をうまく乗り越え、自然にも豚にも優しい養豚を続けていけるように、体力のある限り抗い続けようと思います。

そんな中、嬉しいニュースもあります。先日、23歳の若い女性が味菜自然村を見学に来られました。
話を聞くと、東京出身の子ですが、豚が好きで、東京に唯一ある農業高校を卒業し、鹿児島の農業大学に進学し、熊本の養豚農家に就職したということでした。私の所に見学に来るときは4年間勤めていた養豚農家を辞め、東京に戻る前に来てくれたのです。
大学の卒論のテーマが自分の夢でもあり、オーナー制度を取り入れた小さな放牧養豚を東京近郊ですることみたいです。
私の農場を見て、「理想の形です」と言ってくれたのがとても嬉しかったです。若い人たちの道しるべになれたらいいなぁ。
彼女の大学時代、養豚を学んでいた10人くらいの友達はみんな養豚関係者ではないということでした。
大規模農業も必要だと思いますが、このような若い人たちがやってみたいなと思える小さな養豚、農業も国は勧められるようになってくれるといいですけどね。

最後に大変言いにくいことなのですが、
今回から豚肉の各部位の価格を50円ずつアップさせていただきたく思います。色んなものが値上がりし、私の努力だけで厳しくなりました。各ご家庭の家計も値上げばかりで厳しい状況かとは思いますが、味菜自然村が持続的に経営していけるようにご理解いただけますと有難いです。

今回のお肉の発送日は6月22日、28日、7月5日前後を予定しております。ちょっとバタバタしてしまい、お便り発送が遅れて1回目の発送予定日が割と早いです。早めにご注文いただけると嬉しいです。ご注文どうぞよろしくお願い致します。
半年ぶりの味菜自然村の豚肉を食べて、やっぱり美味しいなと思ってもらえたら何より嬉しいです。

味菜自然村 林拓生

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