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【味菜便り】お肉大変お待たせして申し訳ありません。

こんにちは。放牧豚の味菜自然村 村長の林拓生です。
味菜便りがなかなか書けず、長く間が空いてしまいました。
お肉をご購入いただける準備はまだ整っていないのですが、
ひとまず、味菜便り書きました。

※味菜便りとは
最近、味菜自然村に起こったことや、感じたこと、子供のことなど、
味菜自然豚共同購入の個人会員さん(無料会員登録はこちら)へ向けて綴るお便りです。

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味菜便り                          
2024年5月18日

お便りの期間がしばらく空き、もしかしたら心配してくださっている方もおられるかもしれません。
いつもありがとうございます、家族みんな毎日元気に頑張っております。
味菜自然村も暖かくなってきて、草刈りの作業も増え、
仕事が忙しくなってきています。
ただ今年の春は梅雨ではないかと思うくらい雨が多く、
私もブーちゃんも大変な毎日を過ごしています。

まず、長らくお便りを送れずに大変申し訳ありませんでした。
色んな人からお便りまだですか?という問い合わせがありました。
今回のお便りも実は注文を承るお便りではなく、
ご理解とお詫びのお便りとなります。
昨年は私の養豚人生の中でもワースト1、2くらい最悪な年で、
豚熱ワクチンのせいなのか、夏の暑さで母豚が体力を消耗したのか、
はっきりこれといった理由が分からないのですが、
子豚が育たないということが連続して起きてしまいました。
結果、長い間お肉のご案内ができなく、大変申し訳なく思っています。

でも今回、このようなことが起きたおかげで、
私自身、初心に帰ることができたと感じています。
子供がお母さん豚のお腹に宿る、子豚が無事生まれる、子豚が大きく育つ、
どれも当たり前ではないということを考えさせられました。
人間の世界でもたくさんの方が苦労されています。豚だって同じですよね。
長年養豚をやっているといつしか当たり前に感じていた私がいました。
野菜や他の家畜も同じで、
生き物相手は当たり前に育つということは確証されてなく、
それをより当たり前になるように薬を使ったり、
抗生剤を使ったりするのだと思いました。
農家も生きていくためには稼がねばならず、
当たり前の収入を得るために、全部人間の計算通りにしたいと思って考え出されのが近代農業と呼ばれる形態なんでしょうね。
自然って計算通りになんかならないですよね。
私は失敗から学びつつ、
試行錯誤しながら生産者にとっても、消費者にとっても、環境にとっても、豚さんにとっても一番いい形、
そして持続可能な形を作り上げていきたいです。

先日、あるニュースを見たのですが、
それはアメリカのカリフォルニア州でストール(母豚が身動き取れない檻)を使って生まれた豚のお肉は販売できないという法律ができたそうです。

最初この記事を見たとき、世界は進んでいるけど、日本は取り残されているなぁと思いました。
世界ではアニマルウェルフェアの概念がどんどん浸透していっているのに、日本では全然だなぁ。もっと日本の政治家たちも世界を見習って舵取りしてくれないかなぁと。
でも記事を読んでいると、
それに戸惑って、悲鳴をあげているのは農家の方々でした。
確かに法律で決めれば、動かざるを得なくなりますが、
最終的に大変な思いをするのは農家さん
というのはあまりにもかわいそうかな。
国などがルールを決めるのではなく、
一番いい形はアニマルウェルフェアを取り入れたお肉の需要が高まり、
近代養豚で育った豚の需要が無くなり、だんだん縮小していくというのが理想かと思いますが、無理なのかな…。
私が農業を営んでいるので、かなり考えさせられる記事でした。


さて、悪いお知らせばかりではなく、いいお知らせもあります。
現在は出荷できるサイズの豚が育っていませんが、
この春はたくさんの子豚が生まれ育ってくれて、
順調に子豚の数も増えています。
昨年、あんなことになり、
今も収入という面では大変な期間を過ごしていますので、
2月に子豚が無事誕生してくれたときは本当にほっとしましたし、
今無事大きく育ってくれていることに精神的に本当に楽になって仕事ができています。
まだまだお肉になるまで安心はできませんが、しっかり育てて、皆さんにお届けできるように頑張っていこうと思います。

その他にも、
知り合いの方がミニブタ2匹を引き取って欲しいと連絡があり、
娘と二人でドライブデートがてら西海まで引き取りに行ってきました。
私が養豚を始める前、大学卒業してすぐに友達と一緒にミニ豚が飼いたくて、ミニ豚を育てている農場に見学に行ったことがありました。
1匹10万もすることに手が出せずに断念しましたが、
その時の想いが今叶いました。
でも養豚業を営んでいる今は、ちょっと微妙…。
このミニ豚2匹ともメスで、なんと1匹のお腹の中にはイノシシの子が宿っていました。
先月、ミニ豚とイノシシの子が生まれましたが、ほぼイノシシ。
この子たちはお肉かなぁ。
ミニ豚2匹は妻の森の近くに連れて行き、
ふれあい牧場を作って、子供達やみんなに触れあったり、
見てもらおうかなと考え中です。
心が弾むと夢も膨らんできます。

さらに東北からお肉を買ってくださるお客様から
JAC環境動物保護財団という団体の助成金の話を教えてもらいました。
アニマルウェルフェアや持続可能な畜産業を営むために必要なお金を助成するというものでした。
締め切り間際とのことで、ともかく、すぐに応募してみることに。
今は毎日放牧場に水を運んでいますが、
放牧場に自動で出てくる水飲み場の設置や、
木陰を作るための300本の苗木の購入、もっとアニマルウェルフェアの活動を日本に広めていくためのパンフレット作りなど
総額100万くらいの応募をしましたところ、先日、採択が決まりました。応募のほとんどがNPOなどのペット関連みたいで、養豚での応募は初めてのことだそうです。
このような団体に助成してもらえるくらい認めてもえたことは
私にとり大きな励みにもなりました。

最後に子供達のお話です。子供達も日々成長しています。
息子は年長さん、娘は小学2年生になりました。早いですよね。
娘は口答えするようになり、ちょくちょく言い争ったり、怒る場面も増えてきました。それでも小学校に行くのが嫌いで、私が毎日下駄箱のとこまで送っています。どうしても嫌がって甘えてくるときなんかもたまにあり、教室まで送ることも。本当に甘えん坊なのですが、言うことはだんだんいっちょ前になってきています。
息子は生まれたのが12月と同じ年の子達と比べると少し小さ目なのかな?娘が年長さんの時はもう少し大きくて、色々理解していたような気がします。最近はダンスにはまっているみたいで、ダンスの番組を録画して二人で踊っていますが、めっちゃかわいい。親バカ満点です!

今回はまだお肉は送れませんが、
加工品2種(ボロニアソーセージ、ウィンナーソーセージ)が昨日、納品されてきました。
先日、長年我が家で頑張ってくれた母豚を出荷して加工に出させてもらったのです。
屠畜場から肉となって帰ってきた母の肉を加工に出す前に試食してみましたところ、肉としては少し固いですが、味はしっかりとのった美味しい肉でした。加工品も美味しく仕上がってきています。

今回は加工品だけですが、よかったらたくさんのご注文お待ちしております。冷凍便で送らせていただきます。
来月はいよいよお肉のご案内便りが送れるようになるかと思います。
大変長らくお待たせしてしまい、本当に申し訳ありませんが、
ご理解いただき、
もうしばらくお待ちいただけますようお願い申し上げます。   
                     
味菜自然村 林拓生

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